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山と瓦礫と捜索犬
山の中、雪の中、瓦礫の中、鼻を使って人を探す犬がいます。 そんな「捜索犬」活動の一端と興味ある自然現象及びとっておきの写真などを紹介します。
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解体建物瓦礫使用訓練 090607 (2)

解体建物瓦礫使用訓練 090607 その2



午後の訓練Ⅰ これからの犬たちへの基礎訓練


 午後は場所(区画)を変えて、より応用の利く瓦礫現場を利用することにしました。

 これから伸びていく犬たちへの訓練は、「瓦礫の中の人探し」簡易トレーニングから始めます。

午後初歩導入 WCPJ
 瓦礫の一角に潜むヘルパーを意識させ… 「行きたい!」気持ちにさせ… 「サガセ」。

 犬の目による「記憶」は人のように明確ではありません。足場の悪い瓦礫を移動したり手間取ったりする段階で多くの場合「見失って」います。

 しかし、そこは「犬」。「視覚」から「嗅覚」の世界に切り替えて探してくれます。

午後初歩導入 MDH
 目に見えない状況で、犬は自然に「鼻」を使い、探そうと動きます。

 とくに小型犬の場合は、瓦礫の中に潜む人の位置を視覚的に感じるのは難しいはずです。

午後初歩導入 MPK
 「探す楽しさ」に火がついたMプードル。

 身軽さも手伝って、すぐにヘルパーの脇にたどり着きました。「あっそうか、吠えなくては」といった感じでアラート。
 告知動作はまだ少し遅いですが、別メニューの告知訓練で解決すれば・・・ OK。



午後初歩導入 GRM
 3週間ほど前から自信をつけるいくつかの「秘策」を施してきた若きGレトリバー。

 本格的な瓦礫現場は4月29日以来でした。
 まだ少し、躊躇する姿が見られましたがしたが、以前に比較してだいぶ強くなってきました。


 

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解体建物瓦礫使用訓練 090607 (1)

解体建物瓦礫使用訓練 090607 その1



 去る6月7日、UR都市機構から提供頂いた住宅除去工事現場(埼玉県ふじみ野市)を使い瓦礫捜索訓練を行いました。

瓦礫の様子 DSC02631
 建物の大半は解体されていましたが、捜索訓練には程よい瓦礫状態です。


 当日は久しぶりの好天となりましたが、犬にとって強烈な夏の太陽光下の瓦礫訓練は注意が必要です。
 幸い、湿度が低く、瓦礫脇に退避できる木陰が存在していたのが救いでした。



午前中の訓練


 午前中は、ガラ主体の瓦礫を使い、簡易な「瓦礫馴致」的捜索訓練を行いました。 

午前の瓦礫捜索模様① 
 風下から直線的で短い距離のものから、足場の悪い瓦礫障害の中で「臭いを探す」捜索へと移行しました。
 

 臭いがとれなければ… 「自らとろうと探し回る意識」、臭いを感じたら… 「臭いの出処に近付こうとする意識」。
 そして、「より強い臭い」に近付こうとしても瓦礫(障害)が立ちはだかって近づけなかったら…  「近付くために犬自らが考えて行動」するよう、犬に体験させていきます。

午前の瓦礫捜索模様②

 自主的、能動的捜索行動をとらすために、安易な指示や補助、安易な呼び込みはできるだけ避けます。しかし、微妙ながら… 最低限の指示や「きっかけ」づくりも必要です。

 この「自主性に任せる部分」とほんの少しの「きっかけ」を与えるバランス… 
 なかなか判断の難しい場面も多々あります。

 基本的には、犬の行動をよく見ながらヘルパーそしてハンドラーが的確に判断できるようにならなければなりません。





捜索行動と臭いの流れ

 現場の地形(瓦礫の状態)や建物の位置から、気流の流れをある程度予測でき、同時に臭いの分散、移動をイメージすることは可能です(潜んでいる場所がわかっている場合)。

 そして、犬の行動や反応がそのイメージに合ったものであれば、その仮定がほぼ妥当であることを示してくれたことになります。

 同じ場所を使って複数の犬の捜索行動を見ていると、隠れた人(ヘルパー)の臭いの流れ方がある程度イメージとして見えてきます。
 このような瓦礫捜索は、ハンドラーにとって「読み」と「判断」を養うための大切な訓練になります。


 下の写真は、チャンスの捜索行動の一部を記録したものです。
 右奥の方から捜索を開始しましたが、臭いを感じてやや大きなガラ堆積場周辺を探り始めました。

午前の捜索模様 チャンス①
 ガラ山の左側の谷状の中で、一時左右からの臭いを感じる行動を見せましたが、右側ガラ堆積部からの「より濃い」臭いを気にして、ガラ堆積部の中から上に登り嗅ぎ回していました。

 その様子は… 「とても気にする」行動。しかし、気にするもアラートするまでには至りません。
 そのうち、3番目の写真の状態で、右のガレ山方向に向かって何度か吠えました。

 多分、断片的にやってくる「臭い」を感じ、それに対して吠えているでしょうが、残念ながら、視覚的に「臭いの元」がそこにあるという意識にまでは至っていなかったようです。

 我々人間の感覚でいけば、臭いのくる方向に見える山があれば「あそこだろう!」と判断しそうですが、犬にとっては「視覚の山」の意識はなく、ただ「降り注いでくる臭いの断片」としか見えて(感じて)いないのだと思います。

 この状態で、私は一切「指示をせず」、チャンスの行動を観察し続けました。

午前の捜索模様 チャンス②
 何度か「臭いの断片」に咆哮したあと、チャンスはガレ堆積上から降りて私のところへやってきました。

 とくに左への指示は出しませんでしたが、再び右のガレ堆積方向へ行かせるのみに留めました。

 チャンスは、戻る過程で右ガレキ山からの臭いを感じ、左へ移動、ヘルパーの潜んでいる場所へ行き着くことができました。


 一度、こちらへやってきた理由… 「右瓦礫堆積部分にいませ~ん」と伝えたかったのか… はたまた単に「自信がなくて」指示を仰ぎにきたのか… 他の理由があるのか…  真実はわかりません。

 私の理想としては、ガレ堆積場で左から来る「臭いの断片」を感じて、「!」的にひらめき、自主的に左のガレ山へ移動してほしかったのですが…。

 このようなパターンの訓練を積み重ねて、チャンス自らが解決してくれるようにして行くしかありません。





犬の感じた臭い考


 多くの犬たちが反応した行動と、チャンスの行動から、ヘルパーの臭いがどのように分散し、移動し、溜まったりしたかを模式的にイメージしてみました。

犬が感じ取る臭い 090607
 弱いながらもゆるい風の流れが左から右に流れていました。その気流に乗って、ヘルパーから出る臭い物質が分散、移動していきます(犬が感じる臭い考Ⅰ)。

 今回の条件では、上写真のようになっていたと思われます。


 チャンス(犬)にとっては、このようなイメージはもっていないでしょうが、臭いをとらえたときに「!」と感じて風上に向かって「チェックしてみよう」という意識が生まれれば… と願っています。

 風がもっと強かったら、臭い溜りは少なく、より早い特定になっていたかもしれません。逆に風がごく弱い場合も臭い溜りはできにくくなります。

 今回(当日)の条件は上記のようなイメージでしたが、同じ場所(状況)でも風の強さで臭いの動きの変わることを考えておく必要があります。

 

 ところで、「!」と気付かせる「きっかけ」を今回使いませんでした。
 例えば、「ヘルパーが気を引き寄せる何か」をする、ハンドラーとして「臭いの出ているガレ山に」方向指示をする… それは簡単なことですが、微妙なバランスで犬の自主的思考を止めてしまう恐れもありました。

 もう一つ、行方不明者が何処に埋まっているかわからない現場を考えた場合を想定して、安易に「あそこだろう」という先入観で犬を動かせば… 「見逃し」を起こすかもしれない、という懸念です。

 このことは、雪崩遭難者捜索で気になる反応(抜戸岳雪崩遭難者捜索再びⅢ)のときに、脳裏にあったいくつかの事前情報が「結果的に遠回りさせる」こともある・・・ という経験からでした。

 



捜索犬普段の訓練いろいろ 090523

捜索犬普段の訓練いろいろ 090523


 5月23日、基本的服従を中心とした訓練を行いました。

 「服従」という日本語は誤解を受けやすいのですが、要は「リーダーである主人とそれに従う犬」の関係を上手に構築する訓練です。
 それは、「信頼関係」「絆」を築くという意味もあります。


犬と人とのいい関係 「その瞬間」

 犬と人とのいい関係をイメージ的にとらえると… 


絆訓練 GRM
 若い犬の「いい関係」訓練。よく言われる「アイコンタクト」。犬の眼差しが… 純粋です。

絆訓練 GRP
 「いい関係」訓練は、人(ハンドラー)のセンスの良し悪しが大きく影響してきます。写真のような「やりとり」は犬にとっても「楽しく」「夢中に」させてくれます。

絆訓練 GRA
 人に「付き従い」、そして「嬉しそうに言うことをきく」犬…。

 それは犬にとっても、人にとってもすばらしい「関係」です。

 


犬の肖像

 久しぶりに集まった犬の中には、珍しい顔ぶれも。

犬の肖像 SPM,ACPM,GRP

 



リラックス 

 犬と人とのいい関係の中には「リラックス」しながら… というものもあります。



GR AとM
 ボールを使って言うことをきかせ、ボールを取りに行かせ、ボールをもらい、また言うことをきかせ…。

 「ボール追っかけ運動」と「小さな服従」の繰り返しは、リラックスしながらの「いい関係」の一つです。





余興

 犬に教えれば、喜んで、得意になってやってくれることはたくさんあります。

 チャンスは、先代の犬「ビンゴ」もやっていた余興的な「腕輪くぐり」が大好きです。



チャンス 余興

 「写真を撮る側」の多い自分にとって、こういう写真を得るのはなかなか難しいのですが、今回はGRのMさんに撮ってもらいました。

 「人と犬とのいい関係」の写真とは… 何かちょっと違うような…。


捜索犬普段の訓練いろいろ 090517
捜索犬普段の訓練いろいろ 090517


5月17日の訓練模様をアップ。

0517 チャンス 発見咆哮
 チャンス、瓦礫の一角に埋められた土管の中に隠れたヘルパーの臭いを感知して咆哮(アラート)。

 ある意味見慣れたシーンの一つですが、葛が蔓延りはじめた「青さ」が印象的でした。



 訓練場の中につくった訓練塔(ホッタテ風小屋)の中は複雑な構造をしています。
 その中の上部に潜んで(ヘルパー役になり)、捜索する犬に発見されるのを待ちました。

0517 MST,LRL,GRM 発見咆哮
 臭いを辿り、中に潜り込んできた犬たちの告知動作です。

 今まで何度も試してきましたが、ストロボの刺激には全く影響されません。
 その逞しい執念、執着は嬉しい限り。



 さて、1週間前まで「腰が引けていた」若きゴールデン、その後度胸をつけさせる修行(?)をいろいろと続けていましたが…。

0517 GRMn 発見咆哮
 その成果、少し出てきたようで… 「苦手な男性ヘルパー」にも接近、しっかり咆哮できるようになりました。

 基本は楽しく、気持ちを↑↑↑して… 褒めて↑褒めて↑ ご褒美です。


 併行して、跳んで跳んで跳んで、回って回って回って…  心身ともに「元気に」総合的な自信アップを目指します。

0517 GRMn 自信アップ

 トベ! 

 ヨ~~シ!ヨシ! すごいぞ~。

 「おだてること」は犬にとって、おおいなる自信アップにつながります。


捜索犬普段の訓練いろいろ 090510
捜索犬普段の訓練いろいろ 090510


 連休開けの5月10日の訓練模様です。


瓦礫下からの臭い

 瓦礫を移動しながら、瓦礫下からの臭いを見つけさせる訓練を行いました。


0510 GRM 瓦礫上の捜索
 捜索する犬と距離を置き、犬の自主的な「捜索欲」に委ねます。

 瓦礫山の頂から臭いを感じて、発臭源のパイプ周辺に近付き、反応、告知します。

0510 SPK 瓦礫上の捜索
 瓦礫経験の少ないスタンプーですが、「楽しく探すタイプ」犬なので、足場の苦手意識を克服しながら発臭源を探し出してくれました。


0510 MST,ECS,GS 瓦礫上の捜索
 上の2頭は小型ゆえに、移動と臭い探しが不利ですが、しっかり臭いのもとに到達。
 下はかなり経験を積んだGシェパード。余裕で発見咆哮。



ご褒美

 チャンスの捜索発見時のご褒美はいつも「麻袋」です。

0510 チャンス(捕獲達成)
 ずっと奥の一角に隠れたヘルパーを発見したあと、麻袋を引張りっこしてもらい、最後は捕獲させてあげて呼び戻します。

 嬉しくって嬉しくって!

 得意満面、達成感… 満ち満ち。


 
捜索犬普段の訓練いろいろ 090426(2)
捜索犬普段の訓練いろいろ 090426 その2



 訓練場の中での普段の訓練。

 チャンスにも 時々… やらせます。


樽の中の人

0426 チャンス① 樽で発見
 樽の中に潜んだヘルパーの臭いをとらえて発見~咆哮。
0426 チャンス② 樽で発見
 ヘルパーからご褒美の麻袋をもらい、引張りっこ。



小屋の中の人

 小屋からずっと離れたエリアを探らせながら、徐々に小屋のあるエリアに近づけさせました。

 小屋に近付くと、風の流れや周辺の障害物などの影響で断片的な臭いを感知し始めます。周辺を行き来しながら、出ている臭いを求めて小屋そのものを探る動作に移って行きました。

0426 チャンス③ 擬似家屋内の臭いを追って
 小屋上部を意識して、「臭いの出処に近付きたい」「上の方へ行きたい」という衝動的な動きを見せました。
 何度か強引に登ろうとしますが… なんとも… 足がかりがありません。

 天気が良く、風は弱く、日射の強いエリアの中にある小屋内部上段に潜むヘルパーの臭いは、屋根を辿って出てくるようです。
 
0426 チャンス④ 擬似家屋内の臭いを追って
 足場としてハシゴを掛けてやりました。
 ここで、あの脚立犬の「登るの大好き」技が生きてきます。

0426 チャンス⑤ 擬似家屋内の臭いを追って
 ハシゴの上部で臭いを感じていましたが、屋根に上ると一時的に「臭いが途絶え」ます。
 屋根の上を探し回り・・・ 屋根の縁(下部)から出ている臭いを見つけ出して「咆哮(告知)!」。

小屋からの臭いイメージ図
 このときの小屋の様子を模式してみました。日射で温められた屋根と小屋内部との間の温度差は広がり、内部の空気は下から上に流れている状況です。すなわち、小屋土台部分の隙間から外気を吸い込み、内部を通った空気は屋根下の隙間から排出されていく状態です。

 小屋の中の人の臭いは、空気の流れともに、屋根周辺から外に流れ出します。犬がそれに反応していることが、写真に示す行動でも見て取れます。

 雲っていたり、気温が低いとき、あるいは横風があるときは、小屋底部から臭いが出やすくなります。そういう状態のとき、犬は、小屋下部や側面の隙間から出る臭いに反応します。

0426 チャンス⑥ 擬似家屋内に入ってゲット
 屋根の縁で告知を続けるチャンスに、正解であると「褒め」、中から声を出してもらって「褒め」、その後呼び寄せてハシゴを降りてもらいました。そして、最後は小屋の扉を開けて中に入れてやり、ヘルパーからご褒美の麻袋をもらい(捕獲)・・・ 終了。 満足!満足!


捜索犬普段の訓練いろいろ 090426

捜索犬普段の訓練いろいろ 090426 

 4月~6月といろいろ立て込みましたが、捜索犬としての普段の訓練も続けています。
 「普段の訓練」の模様をアップします。


基礎強化BOX 


0426 GSL
0426 LRL
 反応性・持続性・執着性を高めます。



初級犬の基礎強化


0426 GRMn①
 まだ不安を抱えている初級犬には、おどかさないように注意して、興味を持たせ、近付いくれるだけで「良い思い」をさせてあげます。
 
0426 GRMn②
 瓦礫歩行も普通にできるのですが、慣れていないヘルパーに近付くのがまだ苦手です。
 大好きなボールで誘いますが… 腰が引けてます。

0426 GRMn③
 自信や度胸をアップさせるために、跳んだり、坂を登らせたり、走ったり・・・ そして楽しく! アジリティ的な動きをやらせることも一つの方法です。

 この「不安」「自信のなさ」も、いくつかの策を試行し、楽しい経験を積み重ねることによって徐々に解消に向かっています。



新しい犬

 
 この日は、新しいゴールデンが来場。
 基礎的トレーニングを経ていたので、いくつかの基礎訓練を行ってみました。

0426 GRA DSC00063
 パレットを使った捜索基礎には問題なく咆哮してくれました。

0426 GRA
 瓦礫上に意識を向けさせて隠れましたが、ご褒美欲しさに「難なく」登り、欲しがって吠えてる「捜索の基本」をクリアしてくれました。



場所を変えた基礎

 
 捜索意識の安定している犬にも、基礎的な捜索トレーニングは欠かせません。

0426 MPT
0426 WCPM DSC00094
 ある程度のエリアを動かしてからヘルパーの潜んだ場所を探り当てさせます。



発見告知(咆哮)そしてご褒美 


0426 MPT,GSL,GRA,WCM(発見!)

 隠れた「人の臭い」を辿って「感じて」… しっかり吠えてくれれば「ご褒美」がもらえます。


 犬はいつも「必死な形相」をしますが… それでOKです。

脚立犬!

脚立犬! 


 チャンスは脚立が大好きです。

 脚立を見ると・・・ 登らずにはいられない衝動に駆られます。 



脚立犬① 
 知らない人が見ると、無理にやらされていると誤解されることがありますが、「そうではありません」。



脚立犬② 
 「疲れただろう」と降ろしても、目の前に脚立があると… また登り出します。

 見晴らしもよく、たくさんの人から注目されるのは、犬にとっても「気分がよい」ようです。



 ところで、なぜこうなったのか・・・ わかる気はします。

 子犬~1歳までに何でも「おだてて」登らせたこと… 多分「それ」です。

 

 こんな脚立犬も、時には役立ちます。

 

 

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(11) END

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 ⅩⅠ 


5月5日 最後の訓練模様 その2


5日の捜索訓練④ MPT
 ミニチュア・プードル、「道草知らず」の真面目さが、捜索万能型に成長しつつあります。

 

5日の捜索訓練⑤ LRL
 ちょっと「他の臭い」を気にするところがありましたが、「目的の臭い」を見出して… いざ接近!



5日の捜索訓練⑥ LRB
 まだ若い黒ラブ、このところ捜索本能に「目覚め」一生懸命探してくれます。特定部分では、まだ経験を積んでいく必要がありますが、良い形と結果を出しつつあります。



5日の捜索訓練⑦ MS
 遠くからでも「臭いを察知」すれば、小さい身体をものとせずに突進。
 大岩向こうからの臭いを脇から辿って行きました。他の大型犬に比較して不利と思われる点を、遭難者特定においては「考えた行動」でクリアてくれました。


5日の捜索訓練⑧ GSB
 Gシェパードはハンドラーの指示を仰ぐクセが多々見られますが、キャンプ後半の訓練では「やるべき仕事」へ向かって、より能動的な作業をしてくれるようになりました。

 禁足咆哮の訓練を施されたされたGシェパード、発見時の告知(咆哮)は見事です。

 

 ただ・・・ 遭難者にとって大型犬に吠えられる、ということは「恐怖」を感じるかも知れません。

 その点、小型犬に吠えられるのであれば・・・・

 

5日の捜索訓練⑨ MDA
 今回のキャンプが久々の訓練というダックスでしたが、目覚めて「その気」になれば、足は遅くとも目指す仕事をしっかりとやってくれました。ほんのちょっとしたフォローだけで・・・。




キャンプ終了! 


5日 終了
 訓練を終え、キャンプサイトを元の状態に戻しました。


 片付け始めた頃から雨がポツポツ落ちてきました。

 今回のキャンプ、晴天には恵まれませんでしたが、キャンプ行事の全てを終えた頃に天気が崩れるという「運」にも恵まれ、2泊3日の楽しく有意義な訓練キャンプは無事終了することができました。


 ではまた!



捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 END

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(10)
捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅹ 



5月5日 最終日

 2泊3日の訓練キャンプも最終日を迎えました。

 心配された天気の崩れも「止まって」くれ、雨の試練を受けずに済みました。


5日の朝と昼飯
 朝食の準備と昼食の準備を一緒に済まし、まずは朝食を…。

 昼食は、先日の雪山で教わった「ツナ&なめ茸」炒飯を実践。量が多くてちょっと難儀しましたが、美味い!



最後の訓練模様 その1 

 朝食を済ましたあと、隣り合わせの河原を使ってキャンプ最後の捜索訓練を行うことにしました。

 昨日行った簡易な捜索から、距離をのばして、より自主性を生かして探させました。

5日の捜索訓練① GSA
 川下から川上に向かってごく弱い風が流れていましたが、川の流れやゴツゴツした河原の岩、川沿いの樹林、地形で遭難者役(ヘルパー)の臭いはストレートに流れてはいません。

5日の捜索訓練② LRY
 水が好きな若い犬は、その誘惑に惑わされることがありますが、「探す」ことに夢中になれれば誘惑からも解放されます。

5日の捜索訓練③の1 GRM
5日の捜索訓練③の2 GRM
 遭難者役は、下流側の大岩の裏側に潜んでいました。

 ほとんどの犬は、大岩の上で臭いを特定し、下に向かって発見咆哮します。

 しかし、大岩の上から遭難者までは「やや離れて」いるので、近付かなければ「ご褒美」をもらえません。

 犬が自主的に近づくよう行動させることが大切です。


 余計な指示を与えず、犬自身が「体験から学び」とることを目指しました。






 
捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(9)

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅸ 


5月4日 二日目の夜  

 キャンプも2日目の夜を迎えました。

 幸い天気も崩れず、予定した訓練も楽しくできました。

 今日の夕食メニューは「手軽で簡単」なカレーをメインに、いくつかの美味しいモノです。

4日夜 鶏肉直火焼き
 手軽で美味しい「鶏肉直火焼き」。

4日夜 焚き火学会①
 主食を済ませた後は焚き火を囲って楽しい団欒。ビールやワインやいろいろ…。

4日夜 焚き火学会②
 犬も参加(シルエット)。




焚き火の中に犬?出現! 



4日夜 焚き火から犬誕生?
 大きな木の幹が燃えていく中、ふと気付くと… 犬のような顔が出現!

 燃えていく過程の熱で、発生したガスが幹の中を通り抜け、出口で燃焼。
 そこが目となり顔のような表情となったのでしょうが、その全体像がなんとも…。

 犬でなく… 黒豚のようにも見えますが。


 必然と偶然の中から生まれた自然の芸術。

 しかし、燃える過程の儚き造形。その表情も徐々に変わっていきました。



4日夜 焚き火犬
 おやすみなさい…。






抱きしめて!


 捜索犬というちょっと特殊な訓練ですが、参加した犬たちは普段家の中で人と一緒に暮らす「家庭犬」ばかりです。

 あまりお目にかかれない姿を・・・。

4日の夜(抱きしめて…)

 大型犬も、小型犬も、そして…キツネまで。



捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(8)

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅷ  

5月4日 その5  



お待たせ! 

 他犬の訓練の間、チャンスには待機場所で待っていてもらいました。

 ようやく出番です。

4日午後の捜索B チャンス①

4日午後の捜索B チャンス② 
 できるだけ広範囲に動かしながら、ルートに沿って捜索させるエリアを移動していきます。

4日午後の捜索B チャンス③ 
 斜面上方には姿が見えなくなるまで登らせ、探し続けさせました。
 しかし、この辺りではまだ臭いは感知できません。
 
4日午後の捜索B チャンス④
 しばらく間をおいてから姿を現しました。

 ハンドラーとしてはヘルパーの位置を知っているので、ある意味「わざと」臭いを感じないエリアの中で、長く探し続けさせるようにしてチャンスを動かします。

 臭いを感じるエリアに入ってからは、特に指示を出さないように注意します。

 臭いをどのようにとらえ、どのように反応し、どのように行動して行くのか… 行動から「臭いの流れ」もイメージし、発見に至る道筋をできるだけ観察し続けます。



発見!終了 

4日午後の捜索B チャンス⑤

 無事発見咆哮。


 達成感を味あわせ、たっぷり褒めて… 終了。





捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(7)
捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅶ 

5月4日 その4 



午後の捜索「現実風」 

 「なかなか臭いがとれない」現実風の訓練として、風上側から移動しながら捜索させ、すぐには発見に至らない設定を考えました。

4日午後の捜索B GRM①
 できるだけ斜面をジグザグさせながら「求める臭い」を探させていきます。

4日午後の捜索B GRM②
 歩いていく登山道の両サイド、上方、下方を行ったりきたりさせるように動かせれば理想。


4日午後の捜索B MP
 犬の後を追いながら、要所要所で斜面に入れて「臭いを感じないか」チェック。

4日午後の捜索B GSB
 広い斜面の中を移動しながら、流れてくる「かもしれない」臭い反応を探ります。

4日午後の捜索B GSA&YL
 斜面を登らせ、確認させ、反応の有無を観察。

4日午後の捜索B 2YL
 臭い反応がない限り、広範囲を探らせながら移動していきます。

 今回の設定では、行方不明者役(ヘルパー)は捜索ルートの最終エリア。
 しかも、ルートの風下側なので、だいぶ近くまで行き着かないと、浮遊臭をとらえることはできません。


4日午後の捜索B 斜面にぶつかった臭いを感じて
 最終エリア近く、斜面を登る弱い気流に乗ってきた浮遊臭が反対側斜面にぶつかる状況になっていました。
 ほとんどの犬はその斜面付近で「臭い」を感じ、上の方を探る犬もいました。

4日午後の捜索B 斜面下からの臭いをとらえて
 しかし、周辺を自主的に移動しするうちに、その「臭いが流れてくる方向」を見出し、経験ある犬はその方向に反応、臭いのもと(ヘルパー)に近づこうと下っていきます。

 この動作に余計な指示は必要ありません。

 臭いを感じ始めたら、よく観察し、犬が自主的・能動的にその臭い位置絞り込められるよう、見守るだけでよいのです。

4日午後の捜索B 発見咆哮(YLT) 

発見咆哮! 

4日午後の捜索B 発見4頭 

 発見に至るまでいろいろなアプローチがありますが、実際の捜索行動を意識しながら、長い距離を歩き、探らせ、最後は発見させるようにします。

 しかし、より現実的な訓練をするときは、実際の捜索と同様に回答なしの捜索を相当長く続け、それが当たり前であるようにしておくことは重要です。


 もちろん、時々は「発見」させ達成感を与えることも必要です。



 





捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(6)

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅵ 

5月4日 その3



午後の捜索訓練(意識付&導入)

 昼食を食べ、一休みしてから再び捜索訓練を行いました。

4日 午後の訓練場所へ移動
 キャンプサイトから少し移動して、「山の捜索」訓練待機場所へ。

 今回は、昨年行った山斜面の捜索を逆コースで試みることにしました。

4日 午後の訓練場所へ移動(待機地点)
 林道から少し登って、広々とした林間地で待機。順番を待ちます。


 待機地点から続く山斜面上方へ行方不明者役を潜ませ、登山道のような道を歩ませながら「感じる臭い」をつかんでもらいます。


4日午後の捜索A 黒ラブ
 黒ラブの発見咆哮。

4日午後の捜索A 黄ラブ①
 黄ラブの発見咆哮。

4日午後の捜索A Gシェパ
 Gシェパードの発見咆哮。

4日午後の捜索A 黄ラブ②
 黄ラブ、斜面上方から臭いをとって接近~発見咆哮。

4日午後の捜索A MS,MD,GR 
 ベテランの域に達したMシュナウザーは、かなり遠くから臭いを見出し斜面を跳ぶ様に走り発見咆哮してくれました(上)、久しぶりの捜索Mダックス(中)は臭いをとらえるまで時間がかかりましたが「とらえると素早く接近」して発見に至りました。
 初級犬の若いGレトリバー、意欲と自信ある咆哮に少しギャップがあります。少しずつ「良い」経験を積ませて自信をつけさせてあげます。





捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(5)

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅴ 

5月4日 その2


二日目のお昼

 河原を使った午前中の基礎訓練のあとは「もうお昼!」。

 メニューはスパゲティですが、人数が多いので… つくり方もちょっと大胆。

4日のお昼の準備①
 コンロよりも焚き火の残り火の火力の方が断然!でした。

 でも、気をつけないと… 焦、焦…。

4日のお昼の準備②


 たっぷりの昼食をおいしく、無事終了。




キャンプの珍客

 今回の訓練キャンプには・・・ 珍客が紛れ込んでいました。


4日 珍犬参上
 昼食の準備や食事中、行儀良く鎮座している犬たち。

 大きな1頭は現在初歩訓練のスタンプーですが、他はちょっと珍しい犬たちです。

 そして、この犬たちの飼い主さんは… 犬でない動物も連れてきていました。

 

4日 珍犬&?

 

 何故か… 「ワン、ワン、ワン…」と吠え、鳴き声だけ聞くと「犬?」と思えてしまうのですが…。

 違いました。

 これは一体何?

 

 

 

 

 




捜索訓練キャンプ in 川上村 2009(4)

捜索訓練キャンプ in 川上村 2009 Ⅳ 

5月4日 その1 



2日目の朝 

 2日の朝、さわやかな晴天… とまではなりませんでしたが、自然独特の空気の中で朝を迎えました。

4日朝 キャンプ地内の桜
 キャンプ地の中を歩くと桜の花が咲いていました。普通の山桜とも違います。何という種類でしょうか。



4日の朝食
 朝食は、一般的なものと… 焚き火の残り火で焼く「殻つきカキの蒸し焼き」再び! 朝から…。



4日朝のキャンプ(のんびり)
 朝食後はコーヒーを飲んだりしてしばらくのんびりと過ごしました。




河原で基礎訓練 

 午前中はキャンプサイトからすぐの河原を使って、捜索基礎訓練を行いました。

 上流域の河原は、随所に巨岩ありで「面白い」訓練が設定できます。
 足場が悪く、臭いが難しく分散する場所の設定もできますが、基礎訓練は簡易な設定で行いました。


4日の捜索基礎訓練模様①


4日の捜索基礎訓練模様②


4日の捜索基礎訓練模様③
 久しぶりに参加したMダックスでしたが、一度覚えた捜索を犬は忘れません。
 
 しっかり臭いをとって、隠れた私に向かって吠え続けてくれました。


 自然の中の訓練に、犬たちは「自然」に目覚め、捜索本能を掻き立てられるように、楽しそうに生き生きと作業してくれます。

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