二王山でまた行方不明
一昨年の12月に静岡県安倍川上流の二王山で単独登山者が行方不明となり、12月~4月にかけて
延べ6日間捜索に関わったことがありました。
地元の警察、消防、山岳関係者を含めて大掛かりで多数の人員が捜索のために山中に入りましたが
何の手掛かりも見つかりませんでした。
さらにその後、身内の方々が延々と続けた捜索でも見つかりませんでした。
考えうる非常に多くの遭難ルートの中からいくつかを絞り込み、チャンスと私もその急峻で険しい斜面やルンゼを含む
山中を探し回りましたが手掛かりに結びつくものはありませんでした。
結果的には、遭難から1年2ヶ月後に、狩猟関係者が「偶然」遺品を見つけ、その後警察が周辺を
捜索して「遺骨」発見となりました(山岳遭難者捜索の難しさ)。
そしてまた・・・
その二王山に23日入った単独登山者が帰らず、行方不明になっているということが、リンク先の静岡の山と渓
「また遭難?二王山」にアップされました。
27日には、地元市岳連・県警救助隊・市消防警備隊合同の救助訓練の予定を変更して捜索に当たられたことが
報告されました(二王山遭難捜索)。
二王山・・・ 2万5千分の1地図を見ればわかりますが、登山道以外に入ってしまえば、まさに「魔の山」。
一部を除いて深い藪、大きな崩壊、急峻な山斜面が至るところに存在し、人里へも遠く、無事に下山することは
至難の業となってしまいます。
年齢から考えて、予定していたコースはあまりにも長くハードな道程。
多分、予定のルート後半までも行けてはいないでしょう。
どこか途中で道に迷い、具合が悪くなって動けなくなったり、足を滑らせたり、転倒したり・・・。
そんな原因を考えてしまいます。
とはいえ、奇跡的な生還、早期発見を祈ってやみません。
湘南近くの訓練場で その1
捜索犬の訓練場・・・ しかしそこは資材&廃材置き場。
ところがどっこい!
実はこれが犬たちにとってもハンドラーにとっても多くを学べる嬉しい環境になっていました。
普段の訓練とは一味も二味も違った、新鮮で幅広い捜索訓練を試すことができます。
とりあえず単純な設定・・・ でも
見た目に単純な設定で簡易な捜索作業から始めましたが、臭いを求めて無駄のない行動で発見し咆哮できた犬はあまりいませんでした。
どんな環境でも、分散する臭いからその元を探り出し、的確に接近、特定できることが求められます。
そのための訓練として、ヘルパーとハンドラーが最低限の指示や補助を行うことがありますが、その基本は犬が「臭いをとらえ」「自分で考え、気付き」発見に至るよう、犬自らの行動として成功させ学習させてあげることが重要です。
湘南へ遠征?
連休中に、私たちと親交のある捜索犬団体が普段使っている湘南近くの訓練場をお借りし、訓練する機会をつくりました。
場所は湘南の大磯に近いところです。
虚像のオブジェ
連休中ということもあり、早朝に出発しましたが渋滞もなく東名海老名SAで参加者一同ひとまず合流。
駐車場脇で休み、ふと横を見ると・・・ 異次元的な風景が・・・。
鏡の柱に映った私とチャンス。 しかも実態よりも細長く・・・ 虚身体。
不思議な光景に早速シャッターを切りました。 写真になった虚像のオブジェです。
すぐそばに立てば普通の鏡ですが、離れて風景と一緒になると・・・ 異質な空間を感じさせます。
さて
そろそろ行きましょう。
室内捜索訓練 その3
上階の捜索
室内訓練の最後は、階段を上がった上階(2~3階)の捜索を行いました。
上階の臭いをとらえて階段を上がることもありますが、そのときの状態によっては臭いをほとんど感知できない場合もあります。
また閉じられた空間での階段の一部に臭いが溜まることもあります。
基本的には、階段を登らせる指示に従って上に進み、臭いをとらえ、そこから自主的に探すことが求められます。
臭いの強い室内に入ったあとは、通常の室内捜索と変わりはありません。
閉じた室内での臭いの移動、分散から、潜んだヘルパーが出す臭い「発臭源」を見出します。
ヘルパーの臭いがどのように流れているかの検証は行いませんでしたが、ほとんどの犬たちが部屋に入ってからまっすぐ奥の部屋に向かいました。
奥の部屋から臭いが流れてくるように感じる条件になっていたのでしょう・・・ か。
室内捜索にはいろいろと奥深いものが潜んでいて、毎回「新しい何か」が得られる訓練です。
室内捜索訓練 その2
室内の捜索行動
チャンスにはいきなり室内の「箱入り」捜索をさせてみました。
ヘルパーの入る箱とは、いわゆる箱ではありませんが、周囲を囲われていて、上(天井部分)のない箱のようなものです。
ヘルパーの臭いを感じて室内をあちこち動きまわりましたが、なかなか特定できずにいましたが
そのうち上方から感じるようになり、室内中央部に山積みされた廃材を登ろうと行動し始めました。
廃材の山に登ってようやく、流れてくる臭いの方向を理解したようで、
出どころの「箱」を特定するに至りました。
この箱状の上から臭いが天井に向かって流れ、主たる臭いは上から降り注ぐようになっていたと
考えられます。
しかし「特定する」ためには、臭いの出ているところに鼻を近付け、
「ここだ!」と感じるような行動をしなければなりません。
もちろん、近づくことができればです。
近づけないときは、近づけないなりに明確な方向を示せることが理想です。
このラブも室内をあちこち探りながら、最終的に箱の上からの臭いをとりました。
箱の横を素通りしても、臭いの元は見つかりません。
箱の上からの臭いをとらえたり、箱の横の隙間からの弱い(気流の流れの関係で)臭いを探る
動作がないと、なかなか特定できなくなります。
横の隙間から臭いを感じ取れば、その位置に向かって吠えてくれます。
しかし、「ここだ!」と特定させるためには隙間に鼻をつけ「嗅ぎ取ろう」とする意識を育てておくことが大事です(嗅ぎ取る意識)。
いい形で反応、咆哮してくれました。
時間があれば、この箱状の上に蓋をかぶせてもう一度行いたい場でした。
開放のときとは大分違った捜索行動が見られたかも知れないからです。
次回、同様の場が出てきたときには比較してみたい・・・ と思っています。
室内捜索訓練 その1
大型連休中の一日、室内捜索訓練を行う機会を得ました。
今回の訓練の場所は
捜索犬をやっている方(ハンドラー)の家のすぐ前の倉庫が解体されるという話が出て、解体する前の室内を訓練に使わせてもらうことになりました。
運送会社の倉庫で、室内にはまだいろいろなものが残っていて、「捜索訓練にはもってこい」の環境です。
シャッターの下りた暗い室内で基本的な捜索。
臭いを感じ取った方向に向かって反応、咆哮します。
小型犬の発見動作。臭いを足元からではなく、上や横上方から感じ取っていることがわかります。
いつものことですが、臭いに反応して鼻を使って行動しているとき、犬はその目を「ほとんど使っていない」かのようです。
他の犬もそうですが、ストロボの閃光に全くといってよいほど反応せず、咆哮告知(アラート)に影響を感じさせません。
室内捜索訓練(つづく)
捜索犬デモ その3
いいもの見~つけ!
今回デモを行った会場は、新しい住宅地の中で整備中の広場の一角でした。
午前中1回、午後1回のデモが行われましたが、2回目のデモをやる前に「捜索犬イメージに役立ちそうなものを発見」。
会場関係者の許可を得て使わせてもらうことにしました。
それは
伐採樹木の山でした。
この山の上の一角に隠れ役を潜ませて、普段の訓練や現場に近いイメージのものを見せることにしました。
横たわった樹木を登り、いい感じで発見。
会場の人たちにもわかりやすい 場面づくりができました。
余興 屋根を飛ぶ犬
デモの合間に、練習を兼ねて犬を動かすことがありますが・・・
屋根の上を飛び越えます。
こっちから向こうへも。
また、こっちへ。
屋根の上も ひとっ飛び! ス~パ~ ドッグ!?
捜索犬デモ END
捜索犬デモ その2
足場の悪い捜索現場でも鼻を使った作業ができるためにと・・・
こんなことも! デモしています。
というのが
チャンスは「こいうのが好き」(脚立犬)なので、得意になってやってくれますが・・・。
時々ドジって踏み抜いたりすることがあります。
でもそれは・・・ まるでウケを狙っての「ワザトの技」ではないか・・・? と思うことがあります。
は~い、拍手~!
とはいえ・・・
コード付のマイク片手に、解説しながらの「チャンスの取扱い」には・・・ 苦労します。
捜索犬デモ その1
捜索犬のデモ・・・
普通は救助犬デモ、災害救助犬デモと呼ばれるのが一般的です。
で先日、その「災害救助犬」デモンストレーションを頼まれて千葉県の佐倉市まで行ってきました。
災害救助犬とは「何をする犬?」
救助犬とは「捜索をする犬」・・・ そして、どうやって見つけるのか・・・
訓練はどのようにして行うのか・・・
といったことを簡易に、わかりやすく伝えるデモを行います。
捜索犬のことを広く知ってもらうこと、支援をお願いすること、育成に興味をもってもらいより多くの犬の飼い主に参加してもらうこと・・・等々をアピールする場になります。
飼い主(ハンドラー)の指示に従ってもらう・・・ 犬のリーダーになることの必要性・・・
捜索訓練イロハのイのデモ・・・ 「かくれんぼ」
目をつかったかくれんぼから、鼻を使ったかくれんぼへ。
隠れた人の臭いを探し出す
臭いで探して・・・ 見つけたら「吠える」こと。
こんなふうにして探し、こんなふうにして見つけ、そして吠えて、知らせる・・・
捜索犬の仕事を、順序立てて説明していきます。
ただ・・・ 大勢の前で、段取り通り、思ったように、犬を動かすことは・・・
そう簡単なことではありません。
何か余計なことを・・・ 「意識してしまう?」 「考えてしまう?」 のか・・・
人(ハンドラー)だけでなく、犬にもそんなことが起こるようです。
シリーズ吊橋 番外編
鉄網の吊橋
今から13年前、先代の犬BINGOを山に連れていった折に、いろいろな足場に遭遇しました。
この当時、まだ捜索犬を目指した訓練は行っていませんでした。
しかし、あちこちチャレンジしていた山歩きの経験は、結果的に捜索犬活動に役立ったことは確かです。
この橋、歩くところが鉄の網になっていて、下が透け透けで、初めて体験する犬にとっては「不安」「怖さ」が交錯するもので、一緒に渡るときはなんとかなりましたが、ひとりでは不安が先立ち・・・
呼んでも・・・ 来れません。 「大丈夫だから!」と言っても、犬には通じません。
何度か一緒に歩き慣れさせ(馴致)、不安を取り除き、おだてて・・・
ひとりでも渡れるようになりました。
この橋、短いですが一応吊橋です。
慣れてしまえば、どうということのないものですが、初めての経験というものは、慣れたものが理解できない「怖さ」「不安」のあることが当たり前のようです。
これも、「できるハズ」「できて当然」「できるに決まっている」という思い込みで失敗しがちな犬の「経験」の有無の重要さを示している一つの例かも知れません。
このときのビンゴ、まだ3歳2ヶ月の若きゴールデンでした。
シリーズ吊橋 第5弾
ゴールデン・ゲート・ブリッジ?
安倍川沿いの道を下っていく途中で、また吊橋を発見しました。
近付いてみると・・・ 「赤い立派な吊橋」。
橋脚が赤いので、まるでサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジのようです。
でも・・・ 車は通れません。
行きますか? 「よ~し、行ってみよう!」
ちょうど桜が咲き始めた中に赤い橋脚、なぜか不思議と日本的・・・。 きっと朱色の神社仏閣の印象と重なって見えるからかも知れません。
ゴールデン・ゲート・ブリッジを・・・ ゴールデンのチャンスが渡ります。
道幅もあり、両側がネットで囲われているので、不安感がほとんどありません。
揺れのほとんどない安定感ある橋で、チャンスも余裕しゃくしゃく・・・?
足取りも・・・ 軽い!
ん~ン、なかなかの眺め。
いままでで一番安定感があって、吊橋の苦手なハンドラーにも不安感があまりないかも知れません。
そしてもちろん! 初級犬の馴致訓練第一歩には最高の吊橋かも!
つづく
シリーズ吊橋 第4弾 その2
広い安倍川の間に渡された長~い吊橋の向こうには民家がいくつかありました。
吊橋の踏み板の横に黒い管のようなものがあります。
電気でしょうか? 電話線でしょうか? いずれにしてもインフラ用のコードには違いありません。
対岸で折り返し、チャンスの先に立って写してみました。
再び交差して、チャンスを先に行かせます。川の中心を渡る頃、北よりの風が強くなってきました。
橋はあまり揺れませんが・・・。
何故か、進むにしたがって強い風が波のように襲ってきます。
ブウォ~という感じで、強い風が体当たりしてきました。
お~とっ! 危ない!
一瞬、体が風に流され・・・ でも、踏み外したり、踏み抜いたりはしませんでした。
とっさの身のこなし、危険回避も、こうした経験の積み重ねで強化されていくはずです。
とはいえ、左のワイヤー隙間にはまったら、ちょっと焦るでしょうか・・・。
でも、そんなときは(こなことあんなこと)のチャンスの「踏み抜き」経験が活きてくると信じていて、あまり心配はしていませんでした が・・・。
車道の上を渡れば終了です。
はい、お疲れさまでした。
シリーズ 吊橋 第3弾
ひとりで渡れた~! 渡本の吊橋再び
前回アップした渡本の吊橋から約ひと月後、再び入った安倍川山系二王山の捜索の帰り、またその吊橋に立寄りました。
前回は保護者(ハンドラー)付で渡りましたが、今回は「ひとり」で行かせました。
シリーズ 吊橋 第2弾
渡本の吊橋
安倍川山系捜索(二王山)の二日目終了後、渡本というところに吊橋があり、再び馴致させる機会をつくりました。
しかし、この橋、定員1人の揺れやすい「これぞ吊橋!」といった感じの「素朴な吊橋」でした・・・。
国道の一角から見た上渡の吊橋。 「素朴」とは・・・ そう、心細い限り・・・ というものです。
補助ワイヤも少なく、手すりにあたるワイヤ位置も低く、宙に浮いているかのようです。
まずは、チャンスのすぐあとについて渡ります。 なかなかのもの!
対岸で折り返し、チャンスを先に向かわせますが・・・
腰が引け、前脚でときどきブレーキをかけます。
まだちょっと・・・ ね。
おだてて、おだてて・・・ 「よ~し、よし!」
「おかまが好きだ~」で紹介したチャンスのあごまくら。
お釜がないときは…

湯呑み茶碗の「あごまくら」で我慢します。

ん~ なんかしっくりしないが…

高さがほどよい、こんなものでも…

チャンスにとって「あごまくら」は日常の必需品です。
まぁ、なくても生きてはいけますが・・・。
捜索犬普段の訓練 090906 その5
チャンスもペットルーム的なものは初めてでした。
臭いを感じて中に入り、やはり少し考えて(無い頭で・・・)いたようですが、ちょっとした踏ん切りで入っていきました。
タイヤ障害訓練場も徐々ににぎわって(?)きました。
いろいろな慣れ方がありますが、ハンドラーと供に歩き回るというのも一つの方法です。
マイ・ペット・ルーム?
小型犬でも大型犬でも、初めての経験は犬によってそれぞれ感じ方が異なります。
性格的なものが大きく作用しますが、苦手なことでもクリアできるかできないかの基本は「欲」の強さです。
「欲しい、欲しい、欲しい!」の欲さえもっていてくれれば、多くのことが解決できます。

前出の写真のとそっくりな黒いミニチュアダックス。
このダックスス、実は前出(親)の実子です。容姿や動きが似ていて当然ですが、写真に収めるとそれが余計に強調されるようです。

とても意欲的な犬ですが、やはり不安が現れ、入り込めない状態となりました。
ここで、ハンドラーにありがちな「手出し」「声出し」を我慢してもらい、ヘルパーの私とちょっとした根くらべをやりました。
その結果、自分の判断だけでこちらに来れるようになりました。これも「欲」あっての結果です。

「吹っ切れ」れば! もう大丈夫。
不安なペットルームも、ほんのちょっとのキッカケで、マイ・ペットルームに!

まだまだ経験の少ない Mプードルですが、「欲」もあって「その気」にさせればペットの海もなんのその。

初めてのペットボトルルーム、入ってみれば… 「どうってことないさ!」
こうして、いろいろな経験を積み重ね、捜索の邪魔をするいろいろな「障害物」を一つ一つ解決していきます。
「できるだろう」「できるに決まっている」「できてあたりまえ」…
という思い込みで、失敗しないように・・・。
捜索犬普段の訓練 090906 その3
ペットルーム 小型犬の場合
同じペットボトルの海であっても、大型犬と小型犬では受ける波は大違いです。
大型犬にとっては足元の波程度の浅い海。 でも、小型犬にとっては泳ぐほどの深さです。
さて
「こ、こりゃ、すごいや…」 「ど、ど~しよう…」 といった感じでしょうか。
それでも、このミニチュア・ダックスは経験豊富な犬。
ヘルパーとしてこちらを意識させると、それほど躊躇せずにやってきてくれました。
そして
一旦野外に戻し、奥に隠れなおして潜んでいると…
自主的にペットボトルの海を渡ってやってきました。あとは通常の室内捜索と同じです。
行けないけど、いるのわかってるから吠えてしまう・・・
ペットボトルに限らず、「経験のない障害物を避けて遠くから吠える」ということはよく見られます。
こういう場合は、「欲しい、欲しい、欲しい・・・」の気持ちを行動につなげるしかありません。
吠え続ける犬と、控え目に挑発するハンドラー。ちょっとした我慢比べです。
「欲」が強ければ・・・ 行動に移し 「やれる」ようになります。
不安を吹っ切り、できる自信が持てるようになれば大きな前進です。
頭の中に、ペットボトルの圧力? なものは、もうありません。
捜索犬普段の訓練 090906 その2
ペットルーム
前からやってみたかったこと… それは、ペットボトルのプールをつくることです。
そして、その中に潜んで犬に探させてみたい…
と考えたりしてみたものの…
えらく大量のペットボトルが必要なことがわかりました。
そこでとりあえず、ペット(ボトル)ルームをこしらえることにしました。
ペットルームの様子です。
あれだけたくさんあったペットボトルも、広げてみればたいしたことはありませんが、一応おもしろい場がつくれました。
初めての体験
ペットボトルをつるした「のれん」状のものがあって、その経験はありますが、ペットボトルで埋まった中に入る経験をした犬はありませんでした。
ペットボトルで埋まった通路の先に潜んで、捜索モードの犬を入れてみます。

薄暗い中から見るとこんな感じです。
ペットボトルの障害に戸惑いますが、ヘルパーの私が引き付けると乗り越えてきました。

ペットの海の中でガシャガシャと動きながら、欲しいものを求めて咆哮してくれました。

一度、単純に慣れさせたあとは、いつものように臭いを求めて、ペットボトルの海を渡ってきました。
体験したことのないペットボトルの海に戸惑い、躊躇しますが、
ご褒美が「欲しい」という欲さえあれば…
大丈夫のようです。
さて、他の犬たちはどうでしょう。
つづきは またこのあとに。
捜索犬普段の訓練 090906 その1
9月6日は秋晴れのような残暑日和。
例年ならばまだムシムシした暑さが残ってもおかしくない時期ですが、今年はやはり違います。
なにしろ風を送ってくる高気圧が南でなく北から覆っていて・・・ カラっとしているわけです。
日差しは強いですが、考えて見れば4月初めの頃と同じ太陽です。
でも、セミはまだ元気に鳴き続けていました。
暑さと熱さを避けて
ひところにくらべれば楽になったとはいえ、太陽の照りつける場所はすぐ熱くなります。
そこで今日は室内を中心に捜索基礎訓練をしました。
まずは、小屋の入り口付近で。
下からよりも上からの臭いを強く感じると上に向かって吠えます。
小屋の中の一角で、臭いを探しまわり、感じ、吠え始めているとき…
「目で見ているように見えて」も「目ではとらえていない」ことが多くあります。
ペットボトル
数年前からペットボトルを集め始めました・・・。
大分たまりましたが、リサイクル作業ではありません。
実は、その一部で訓練用の障害吊飾りを作ったりしていましたが、それ以外にも前からやりたかったことがあって・・・。
それについては次のブログで。
シリーズ 吊橋 第1弾!
今から3年近く前、八紘嶺方面行方不明者捜索の前年の12月、同じ安倍川流域の二王山で行方不明になった人の捜索に携わったことがありました。
そしてその捜索エリアに入るために、安倍川を吊橋で渡ることになりました。
チャンスの吊橋経験はありませんでしたが、高いところ不安定なところが「好き?」なので、とくに不安なく渡ることができました。
しかし、初めての体験なので初め少し腰が引けていました。当然、最初はリード付でおだてながら歩きます。
上の写真は幾分慣れた翌日の朝のものですが、最初はこのようにしてリード確保していました。
吊橋に親しもう!
山にもよりますが、吊橋の他、丸太橋、梯子状の橋、鉄格子(網状)などいろいろな橋や足場に出合うことがあります。
山の捜索で吊橋が必ずあるものではありませんが、もし吊橋があってそこを渡れない犬がいたら、その先の捜索はできないことになります。
また、吊橋に限らず、不安定な場所、急峻な場所、激しいブッシュ、岩場等々、捜索作業する犬は、基本的には4本脚の野生動物と同じくらいに自由な行動のできることが理想です。
もちろん! ハンドラーもしかり。
ということで、捜索を終えたあとなど、近くに吊橋があれば積極的に馴致させるようにしています。
では、その馴致の第1弾をご紹介します。
上渡の吊橋
捜索を終えて山を下ったところに、安倍川をまたいで国道側へ長さ約110mの吊橋が掛かっています。
通路幅も比較的あり、補助ワイヤもしっかりしていて、吊橋の中では安定感があります。
山側初めの部分は、すぐ下が茶畑になっていました。
「いくの?」 そう 「ひとりで?」 そう、ひとりで
「下、見えてるけど」 そう、見えてる はい、マエへ
「なんか・・・ 不安だな~」
後ろからついていくから大丈夫!
つづく
鉄器が好き Ⅲ
BINGOの後を継いで
捜索犬としてビンゴの後を継いだチャンス…
いくつかの生活習慣も一緒に引き継ぎました。
その一つが… 「鉄器大好き」です。
そして、先代犬BINGOが愛用した形見のような鉄器は全てチャンスの鉄分補給(?)に役立ってます。
さて… 今度は何でしょう? 黒っぽいので分かりにくいですが、舌の右側にその一部が見えています。
しかし… こんなものに… 夢中になって… 恍惚とした表情をしています。
正体は… こんなものです。 古くて使わなくなった… ラジオペンチ。
時々愛用しているビンゴ時代からの鉄器は以下のとおり。
左から、太い針金、ロックハーケン、太い針金、ラジオペンチ、ボルトナット。
どれを使うかは、「そのときの気分」次第のようです。
訓練場の草刈
手入れを怠ると、夏場の草は容赦なくはびこり伸び上がります。
手に負えないところは自然のままに残して、それを捜索犬の訓練に利用しますが、基礎訓練やいわゆる服従的な訓練をする場所の草は刈らなければ、訓練がままなりません。
8月30日、一ヶ月ぶりに大掛かり(といっても4人ほどでできる範囲)な草刈整備を行いました。
夏場の草でも、8月に伸びてくる草は6~7月の頃より延び方は激しくないようです。秋の花や実をつけるものが多くなります。
それでも、30~40cmほどに伸びたイネ科主体の草刈は大変です。
そして、刈った草も… たっぷり!
幅跳び台も草に覆われて見えなくなっていました。 右上の写真は7月26日のときの状態です。
ところで今回の草刈には、以前のようにたくさんの鳥たち(草刈り)がやってきませんでした。
多分、あの鳥たちはあの頃が繁殖期で、雛に与える餌をとりに来ていたのでしょう。
あなた… 誰? だっけ
久々に訪れた方が連れてきた白っぽいメタボな… デブラドール犬。
「かまぼこ胴」になっていました。
う~ん、ちょっと重たそう。 たるみもあるし…。
お尻が重いのでこのくらいはできるみたいです。
秋が来る前に、肥えるとは… この秋が心配です。
摂取総量規制&運動が必要です! ね。
今日から… 9月
秋の初め
今年の夏は、海辺の波のように来ては引き、来ては引き…
引きが多くて、目だった大波も満ち潮もなかったような…
涼しい日が多く、蝉の声も何気に寂しさを感じさせる夏でした。
そんな天気に満足はいかなくとも、
人里離れた自然の中では、季節は着実に移りその姿を変えています。
移りゆくその姿・・・ 「秋の初め」をワレモコウとゴマシジミの写真にて贈ります。
photo. ③ 1993.9.11 韮崎市