マチガ沢と一ノ倉沢
12月29~30日、予定通り雪中捜索訓練のために谷川岳まで行ってきました。
そして
2009年最終普段の訓練 091226 その1
向こう見ずなチャンスが現れた日、前半はいつものように基本強化の訓練を行いました。
まずは・・・ ゴリラさんから
ゴリラさん?
アップしてみます。
ほら、やっぱり・・・。
でも・・・ ちょっと違うような。
顔を見ないと・・・。
なんだ~ スタンプー君でした。
でも、その後姿。 その動き・・・ なんとも。
おもしろい姿が印象的ですが、なかなかいいですヨ。
次は久しぶりの若ゴールデン。
「慣れていないヘルパー」に対してはまだ不安が現れるので、今日はいろいろな人に慣れることを目指しました。
臭いを感じて「ここにいる」ことがわかっても、すぐに咆哮できません。
吠え始めると、距離をとります。
徐々にですが、「興味を持たせて、吠えさせて、いい思いをさせる」の積み重ねで、自信をもたせていきます。
基礎強化の合間に、まもなく4ヶ月になる黒ラブとBOX遊びをしました。
まだ なにがなんだかわかりませんが・・・
楽しく追いかけさせて、BOXの中についてきたら、褒めてご褒美・・・
ただそれだけですが・・・。
鬼ごっこ入門です。
気になる雪の様子
今年の暮れも、例年行っている雪中捜索訓練を企画しました。
この記事がアップする29日からの一泊二日でなじみの谷川岳周辺に入ります。
気になるのは「天気」よりも「積雪」です。
近年、年末近くになるまでほとんど雪のない状態が続き、ほんの1~2日にまとまって降り積もるパターンが多くなっています。
今年も、18日から21日にかけての強い冬型で雪が降りましたが・・・ その後が・・・ 続きません。
その様子は、気象庁が発表しているアメダス資料からみることができます。
上図は、谷川岳の西方(冬型のときに風上側となる)湯沢の気温と降水量(気温が低ければ雪になります)、そして積雪の状態を、アメダスの資料からグラフにしたものです。
18~21日の間、強い寒気の南下でようやく降雪を見ましたが、その後は雪は降らず気温も高めで・・・ 積もった雪もどんどん減っていっています。
気温が氷点下であっても、積もった雪はしまってカサが減っていくのですが、24日以降は最低気温まで0℃を上回って、一部融雪、ざらめ雪化していることが想像できます。
谷川岳の南に位置する水上は、冬型気圧配置の中で風下側になっていますが、強い寒気の入った18~21日の間にかなり降り積もった様子がうかがえます。
こちらも、22日からは降雪なく、気温も上がり、雪がどんどん・・・ 減っています。
さて、谷川岳直下の土合~天神平付近はどうなっているでしょうか。
なにしろ、雪が少ないと「埋まる」ための穴もつくれません。
湯沢と水上の積雪から希望的推測をして、その1.5~2倍くらいの積雪を期待しているのですが・・・
大晦日から冬型が強まって大雪が期待できますが、30日に帰ってしまう私たちには関係ありません。
しかし・・・
例年、短時間短期間に降り積もる雪による雪崩事故が多発しているので・・・
年末年始の入山者は要注意です。
「向こう見ず」な!
12月26日は、訓練場を使った今年最後の訓練を行いましたが・・・
捜索犬の訓練の最後にあったチャンスの記憶が「無鉄砲」「向こう見ず」の行動を生んでしまったようです。
脚立は脚立でも・・・
その先・・・ どうするの?
このときの様子はまたあとで。
タワー イルミネーション
クリスマスの25日、夜の初め頃(旧「宵のうち」)・・・
たまたま通った港区増上寺と東京タワーの間の道の脇に、タワーを見上げるたくさんの人がいました。
「なんだろう」と思って車の窓から首をキツク曲げて見上げると・・・ 第一展望台にのマーク!
「う~ん、これはちょっと価値ありそう」
迷った末に、路肩のパーキングが空いていたので車を止めて写真を撮ることにしました。
すると・・・
あれ~ 消えちゃった!
しかし、イルミネーションの演出は続いていました。
きらめくイルミネーションと上部から移り変わるライティングなど、洒落た光の演出です。
しばらく様子を見ていると・・・
再び現れました!
そして
ハートの回りをきらめく光が・・・
思わぬ光景に出合えて、ちょっと得をした気分です。
ところで、三脚なしでもなんとか撮れましたが、それにはちょっとした「技」を使いました・・・ 内緒です。
とはいえ、こんなときのために、車にはいつも三脚を積んでおくべき! と悔やんでいます。
もっと綺麗に、リアルに撮れたはずです。
捜索犬訓練 091219 その4
いいですね~!
経験豊かで安定した作業をしてくれるMダックスに、前記事で行った設定で捜索を行わせてみました。
チャンスのように激しく動かない分、流れてくる臭いを慎重に感じ取るように見えました。
パレットフェンス向こう側(内側)から流れてくる臭いを感じ、小型犬ゆえにパレットの隙間をぬって、いつのまにか・・・ 中に入り込んでしまいました。
チャンスのような大型犬と違って、低い位置での高鼻は「落ちてくる」「降り注ぐ」臭いを素直に感じ取れるのでしょうか?
あまり無駄な動きをしないうちに、BOX上部から降り注ぐ臭いに注目して反応してくれました。
最後は、「正解!」を伝えて、臭いに代わるご褒美を!
集中性と執着性の強化
ハンドラーに意識が向きやすい黒ラブに、ヘルパーへの集中性と執着性を強化するための基本訓練を行いました。
捜索中の黒ラブ、その作業性は安定していて意欲的です。
臭いをとらえて、発臭源に近づいていきます。
反応、咆哮を続けたあとしばらくヘルパーに集中、執着させました。その間にハンドラーが近づいてきますが、可能な限りヘルパーに意識を集中させ続けます。
もちろん! 集中してくれたあとはたっぷり褒めて・・・ 充実感、達成感を与えてあげます。
このような基本も必要に応じて行い、より良い反応性、集中性、執着性を目指します。
捜索犬訓練 091219 END
チャンス 臭いとりの観察
臭いを感じ、とらえて、その臭いの来る方向、あるいはより強く感じるところへ近づこうと障害を乗り越えて
より強い臭いエリアに入り込むと、そこは室内捜索時によく見られる複雑な「臭いの移動空間」。
犬(チャンス)の鼻は素直にその「移動する臭い」「こもる臭い」「降り注ぐ臭い」などに反応して、その元を探ろうと行動します(目と「頭」はあまり使っていないようです)。

我々の目は、犬の動きと立体的構造や周辺の模様から臭いの元を「推理」しますが、犬はほとんど「鼻だけで」探し回ります。

チャンスは強い臭いエリアの中で、一時ですが、臭いが外から来るかのように感じたようです。

探し回る過程で、臭いが上のほうから流れ、あるいは注いでいることを感じ取りました。

そして、さらに動き回りながら「上からの臭い」に確信を深めたようです。

その出処に近づきたい! と思われる欲求行動を示しながら・・・ 咆哮します。

「はやく! くれ~! くれ~!」と叫んでいるようです。

ヘルパーが様子を覗いていますが、チャンスの頭の中はまだ「臭いだけ」の感じです。

次から次と、新しい臭いの降り注ぐBOX上部に「近づきたい」というチャンスの様子に、脚立を登るか・・・
と見守りましたが、このパイプ脚立はちょっと手ごわそ。
そこで、パレットを一枚寄せてやりました。

やっと臭いの元に近づくことができ、ご褒美の麻布で遊んでもらいました。
満足、満足。
めでたし、めでたし。
チャンスの捜索訓練のとき、どこに隠れてもらうか、どういう設定をしたらよいか迷うことがあります。
いろいろな「作り物」はたくさんあるのですが… 場慣れしているだけにどうしても新鮮さに欠けてしまいます。
そんなわけで、ついつい「困らせてやろう」という思考が働きます。
そこで… 「そうだ!」「こうしてみよう」
ということで

パレットで囲った中のBOXを積み重ねて、上が開放されたところ(↓)にヘルパーを隠してみることにしました。
さらに、フェンスから中へは簡単に入れないよう工作。

フェンスの内側からの臭いを感じ、何とか「越えたい!」という行動が伝わってきますが・・・
突破する場所が見出せません。
あちこち探っているうちに、タイヤと角材でバリケードされた隙間を見つけて・・・

今までのように飛び越えるのではなく、潜り込む方法をとりました。

「う~ん・・・ 狭い!」

「なんとか 行けそうですよ~」

「ヤッタ~」
潜り込み突破、成功です。
人間の目で見ていると、犬は臭いをとらえて その出処(BOX上部あたり)がわかっているかのように見えますが、
嗅覚作業中の犬の視覚と周辺構造との関係認識は「ほとんどなされない」ようです。
人間なら、それまでの経験から「あの辺りが怪しい」とか「この流れからすると・・・」といった「推理」が働きますが、犬にはそのような推理思考は・・・ ないでしょうね。
まぁそういう思考はないにしても、経験から「臭いを辿る要領」のようなものを身につけていくことは確かなように思います。
さて、囲いフェンスの中に入り込んだチャンスは、再び臭いの動きに惑わされるかのように探り始めました。
(つづく)
捜索犬訓練 091219 その1
さて、12月19日の訓練の朝は、この冬一番の寒さに見舞われましたが、朝からよい天気で風も穏やかでした。
新しい犬や見学者もきて、しかし少な目の参加者で、じっくりとまではいかないまでも、やりたい&やるべき基本的な訓練を中心に行うことができました。
まずは黒ラブから。
この黒ラブ、ベテラン犬といえる作業性と意欲の持ち主です。
が・・・ 直したい、強化したい部分はまだまだあります。 ハンドラーとの関係もその一つです。
臭いの出処をしっかり特定してくれますが・・・ その反応性や執着性にもっと磨きをかけたいところです。
一段落して次の作業へ。
最後は簡易BOX捜索で、執着性を強化します。
それは・・・ ハンドラーを意識させない、ハンドラーの動き(指示ではありません)に左右されないようにすることです。
まずは、徹底的にヘルパーに意識を集中させること。
しかし、それは単純な訓練ではあっても、ヘルパーの技量に大きく左右される要素を含んでいます。
ここは、警戒競技の禁足咆哮のやり取りによく似ているところかもしれません。
黒ラブ捜索訓練強化のあとは、先週に続きベテランMダックスに小屋に隠れたヘルパー捜索をさせました。
ヘルパーは小屋の中の白↑あたりに潜んでいます。
風の流れは小屋奥から手前に向かって弱く流れていて、このMダックス↓は離れたところから漏れ出す臭いを感知、
意外なほど早くに! 写真の位置に到達して屋根下の隙間から流れ出る臭いを見出して咆哮しました。
小型犬の不利な条件下で、「お見事!」と言いたい作業性です。
捜索犬訓練 091219(つづく)
12月19日の訓練は・・・
めずらしく・・・ しぶとく強い冬型が続き、日本海側を中心とした各地の大雪の様子がニュースになっています。
今から4年前の2005年の12月も強い冬型が何度も現れ、各地に大雪をもたらし、年末には新潟県津南町で
積雪324cmを記録・・・ といったことがありました。
しかし、その翌月からは暖冬ぎみで・・・。
寒い朝
さて、19日の朝は放射冷却も手伝ってよく冷えました。
捜索犬訓練場(埼玉県富士見市)の訓練用タイヤに溜まった雨水がかなりの厚さで凍っていました。
富士見市というくらいで・・・ もちろん富士山が見える場所があります。
ということで・・・
早速高台(瓦礫山)に登ってみました。
富士山、見えることは見えるのですが・・・
ここからは、こんなもん・・・ でした。
あ~なんとも 邪魔な建物、そしてそれ以上に邪魔な・・・ 電線!
日本の景観を一番悪くしているのは「電線」です。
しかも、今や電気を運ぶ電線以上に蔓延る「通信線」。インターネットやケーブルTVの普及でその姿は益々見苦しくなるばかり・・・。
その様子、まるでこの瓦礫山に蔓延るクズのつたのようです。
まもなく冬至
まもなく冬至、太陽高度は低く長い影をつくります。
ちょうど正午、影はこんな感じでした。
厳密には日本の正午とこの場所の南中とはズレがありますが・・・ 影の様子に変わりはありません。
もうすぐクリスマス
あまり・・・ 縁のない現況ですが・・・
きれいなイルミネーションが目に入る今日この頃。
訓練場から帰路の途中にも大きなクリスマスツリーがあります。
ホテルの窓明かりを利用したものですが・・・
点滅している赤い光があります。 そのリズムをうまくとらえないと、なかなか写真に入ってくれません。
ようやく
入ってくれました。 ほんのちょっとした色合いですが・・・ あるとないとでは大違いです。
さらに
接近して間近に写しますが・・・
スローシャッターでブレが大きくなってしまいました。
ところで、19日の訓練は・・・ 次回に。
雪が積もれば雪崩の危険が増します。
しかし、事前に雪崩の危険を察知し、回避することができます。
そのためのスキルを身につけ、雪崩事故に遭わないように雪崩講習会を受けましょう。

雪崩事故で悲惨な「死」を招かないよう…
仲間のために、家族のために、そして自分のために!
全ての雪山愛好者に受講してほしいと願っています。
2008年及び2009年の講習会の様子 → 雪と雪崩と気象
主催は日本勤労者山岳連盟 中央登山学校ですが、所属の有無に関係なく、また山岳会に入っていなくても、
さらに雪崩等の雪山捜索を考えている捜索犬関係者でも、あるいは一般のスキーヤーやスノーボーダーの方も、
雪山に入ろうとする全ての方に基本クラスは解放されています。
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日本勤労者山岳連盟事務局 フリーダイヤル 0120-44-2742 または、TEL 03-3260-6331 へ!
ようやく降雪!
ようやく 雪 実感!
なまぬるい冬から、厳しい本来の冬の姿が続いています。
17日午後3時(15時)の地上天気図(気象庁資料より)をみると、西高東低の冬型。大陸のシベリア高気圧もしっかり育って・・・
日本海の小さな低気圧や、やや寝た等圧線が「里雪型」を示していているようです。
山岳地帯も降りますが、平野部でもしっかりと(?) 降る感じです。
降っている様子は…
こんな感じです。 (気象庁HPレーダー降水ナウキャスト 17日15時より)
降雪(降水)の強い部分(濃い色、青よりも黄、赤)が西から東に向かってやってくる様子がわかります。
降雪は、発達した雪雲によってもたらされますが、衛星画像をみると「なるほど、なるほど」の雲の様子。
17日15時の衛星赤外画像(気象庁HPより)の本州付近の様子。
日本海で生まれた雲が筋状になって、西から東に向かっています。雪(雨)は移動してくるこの雲の下で降っています。
さて、いつまで続くか・・・。
前図より9時間前の17日9時の上空約5500m付近の天気図(気象庁資料に基づく)に寒気の様子が書かれています。破線は、青が -36℃、紫が-42℃(一級の寒気)です。
上空の寒気を運ぶ大きな低気圧の移動次第。ゆっくり東へ移動していますが・・・ 今週いっぱいこの形が続きそうです。
雪雲が到達する山は・・・ 雪山らしくなります。
ということは、雪崩の危険も・・・
この雪が収まって落着いたあとに降る次の雪の後、そしてまた次の雪の後・・・ が危なくなります。
捜索犬訓練 091213 その2
若い犬たちに、藪を下っての簡易なBOX捜索を行いました。
捜索意識が続けば、鼻を使って探し出してくれます。
しかし、その捜索意識が他の「何か」によって、消されたり、弱まったりすることが若い犬にはありがちです。
その「何か」をも気にさせないように・・・ 夢中にさせる、訓練の積み重ねが大切です。
ここはどこ?
若い犬には、いろいろな場を体験をさせておくことが「強さ」につながります。
捜索過程だけでなく、たどり着いた「発見場所」に対してもいろいろな場面を想定して慣れさせておくことは、
いざというときに役立ちます。
というわけで、たどり着いたところはこんな状態でした。
なんのことはない ドラム缶が転がっているだけですが・・・
実に変な隠れ方をしていて・・・ 若い犬には初めての体験です。
足元でしっかり吠えてもらったあとに、ご褒美をあげるのですが・・・ かなり苦しい体型で・・・
褒める言葉も、ドラム缶の中で響き渡り、いつもとかなり違った体験になっていることは確かです。
さらに若い トイプードルですが、不気味な隠れ方をしていても問題ありませんでした。
ご褒美をもらうために! 不安になりそうな声が響くドラム缶の中でも平気でやってきてくれました。
もちろん、撮影するときのストロボには全く反応せず、問題ありません。
おまけ
今回は・・・ こんなスタイルで、褒めながらご褒美を与え、撮影しました。
ドラム缶は小柄な女性でないと中にすっぽり入れません。
今後も、違ったバージョン、普段と違うヘルパーを使っての体験訓練を続けていきたいと思っています。
天才クライマー 登場?
一昨日、犬を登攀&捜索させる施設を使って、若いゴールデンがハンドラーとともに訓練していました。
すると・・・
ゴールデンもびっくり!
この女の子、指示されることなく自分の判断でたくみに手足を使い・・・ 登っていきました。
もちろん、下には私を含む大人が危険のないよう見守っていました。
そして、その身のこなしとバランス感覚は・・・
さまになったクライマーの姿・・・ 基本が なっちゃってます!
その天性の素質に脱帽!
しかも・・・
3歳になったばっかり!
こりゃ、磨きをかけたら・・・ 近い将来・・・ すごいです。
残念ながら(?) 犬ではありませんので・・・
当面は、幼少被災者役や行方不明者役にお願いしようと思っています。
以前、網状のところを登った記事(こんなことあんなこと)をアップしましたが、それ以前に誰もいないアスレチック施設を使って、先代犬ビンゴは「網渡り」をしたことがありました。

よ~し、来い。 「いきますよ~」「ちょ、ちょっとまって・・・」

よ~し、いいぞ~! 「思い切りが大事・・・ なのですね」

そうそう、その調子! 「それ~」「たいしたこと・・・ ないす」

よしよし! 「なんの なんの」
もう一息! 「わかってまっすよ~」
えらいぞ~! 「へっへっへ・・・」
こういう施設、あればできるだけ経験させたいと思っています。
もちろん! 迷惑にならないように・・・ね。
だがしかし・・・ 残念ながら、チャンスにはまだ施していません。
石垣網崖登攀
もうかれこれ7年前、チャンスが生まれる少し前、先代捜索犬ビンゴが9歳のとき、富士山吉田登山口近くに行ったことがあります。
そこには・・・ 当時のビンゴが登れそうな石垣網崖がありました。
そこで 「ノボレ」といったら・・・
登り始めました。
しかしそこは、上から見れば・・・
そして、傍から見れば・・・
広角で撮影されているのでオーバーぎみに見えますが、かなりのところでした。(撮影 KT氏)
この当時、それまでのビンゴの悪場登山経験が生きていたことは確かです。
果たして、チャンスは行けるでしょうか。
残念ながら、チャンス この場にはまだ連れて行ってはいません。
※ 万一の際、網崖は犬の脚先や爪が引っかかって大変危険です。まねはしないでください。
チャンスの献血
12月6日の訓練の帰りにホームセンターに立ち寄り、その後いつものように帰路を進んでいると、捜索犬関係者から電話が入りました。
馴染みの方の犬(黄ラブ)が病気疾患中で貧血状態に陥り危険な状態、献血してくれる犬を急いで探して欲しい、という内容でした。
現在その犬は、私の帰るルートから比較的近い動物病院にいるとのことで向かうことにしました。
ホームセンターに立寄って時間がずれたことが直ぐに対応できることになった、というのは幸いでした。
地図を開き、病院の位置とそこへ行く最短裏道ルートを調べて向かいました。
その途中、「病院まで比較的近く」、「比較的若い大型犬」の飼い主何人かに、連絡メールを送りました。
思ったよりも早くたどり着いた動物病院には、すでに知り合いの黒ラブが1頭待機していました。
具合の悪いラブは待合室の床に家族に付き添われて伏せっていましたが、飼い主が補助すれば動ける状態でした。
獣医さんの説明をもらい、先に着いた黒ラブとチャンスから採血が行われて、血液型の適合検査が行われました。
結果、2頭とも輸血可能との判断で、体重あたりの献血可能分量から1頭に付き300mlを採取することになりました。
う~ん、大型犬としても 300mlとはなかなかの量。
でもまぁ、血の気の多いチャンスなら 問題ないでしょう!
チャンスと黒ラブともに併行して採血できるとのことで、獣医さんと看護士さんへ犬を委ねました。
チャンスたちが採血している間に、連絡を受けた飼い主の犬たちが何頭もやってきました。
久しぶりにお会いする馴染みの方も多くいらっしゃいました。
獣医さんから、今日明日の輸血量としては確保(600ml)されたので、輸血後に免疫反応をみながら必要な献血(時間がけっこうかかる)をしたい
との説明があり、ご足労頂いた皆さんには申し訳ないですが・・・と、ドナー登録だけしてもらうだけになりました。
もちろん、献血したチャンスも登録です。
300mlの血を抜いてもらったチャンス、少しはおとなしくなっているかと思えば・・・
たくさん訪れている犬たちに興奮を隠さず・・・ 全然!変わりません。
夜9時をまわり、皆さんとお別れして帰路につきました。
輸血を受ける犬の飼い主さんからチャンスの様態を心配する連絡がありましたが、「元気で変わらず、大丈夫!」
と安心してもらおうと返事をしますが、それでも心配は消えないようです。
自宅に戻って、いつもよりも「栄養アップ」フードを食べて 満足?
献血後の包帯は止血するまでの一時的なものです。
翌日も! いつもと変わらぬ元気なチャンス。
「健康と体力」がとりえ? いやいや、多少なりとも人様(犬様)に貢献できて・・・
よかった、よかった。
捜索犬の訓練日和 な・の・に
12月6日、怪しく不気味な雲に遭遇したその後は、微風、快晴となり、捜索犬 この時期としては快適な訓練日和になりました。
しかし、参加した犬はチャンスを含めて3頭だけでした。
そこで、基礎訓練をしたあとしばらく・・・ 普段できない「移設整備」を行いました。
Before
先日まで何度も利用したパレット囲い捜索訓練施設。
しかし、せっかくの「広い場」が別の訓練に生かせません。
After
場所を移すべく・・・ えっこら、えっこらパレットを移動し別の場所に。 ややコンパクトにまとめましたが、基本的には同様の訓練ができます。
とはいえ、この施設・・・ 「可逆」「可塑」「可除去」性です。
移設労働のあとは・・・
搗き立てのお餅入り・・・ 10人分くらいはありましたが・・・ 3人で食べました(全部ではありません)。
食事のあとは・・・
新しく移動、設置したところで基礎訓練。
お汁粉と搗き立てのお餅をもってきてくれたハンドラーさんのゴールデン。
最近調子が上向いていて、なかなか良い作業をしてくれます。
「かわりばんこ」で、今度はそのハンドラーさんにヘルパーをたのんで・・・
「チャンス 出番で~す」
周辺の構造のせいか、風上側で臭いを察知してパレットフェンスを越えようと画策(?)していました。
ありゃ~ 勢いあまって積んだタイヤに頭を突っ込んでしまいましたが・・・。
その直後抜け出し・・・。
と・・・
あれま~ だいぶん慣れたと見えて、飛び越えて入り込みました。
場所を変えても、障害の状況を変えても、「おおまか似た状況」では今までの訓練の経験が生きてくるようです。
やはり・・・
「やったことがある」と「やったことがない」では、犬の行動の大きなファクターとなることは確かです。
最後に、長く使っていなかった竪穴にヘルパーが潜み、簡易な捜索をさせました。
夏の間に蔓延ったクズのつるで蓋にするパレットが固定されていて、隠れてもらうのに難儀しましたが・・・。
発見咆哮。 これでチャンスも 満足!
12月6日の労働&訓練おわり… と、いつものように帰路に向かいましたが、その途中急を要する連絡が入りました。
「チャンスの健康と体力が役立つ」とは、思いもよらなかったことでした。
(つづく)
ちょと不気味な超低空雲に遭遇
12月5日の午後から夜に降った雨も夜半にはやんで、急速に回復し星が出ていました。
6日の朝は快晴で雲ひとつない空でしたが・・・。
東京方面から川越街道に移動し西に進んでいくと、朝霞市あたりから西側に南北に長い灰色の雲が堰のように現れました。
なんだろう、これはちょっと変。 おかしな雲・・・。
運転しながらその異様さを感じ、確認するために路肩に停車して写真を撮りました。
実は、車で走りながら気づいときに見えた雲はもっと堰のよう、まるで津波が押し寄せてくるような感じを受けましたが、
その場所よりだいぶ進んでしまってからの撮影です。(9時20分)
全体像は見えませんが、えらく低い雲が西から東(手前)に向かってきているように見えます。
雲の先端近くに近づきなながら、何か不気味さを感じざるを得ませんでした。(9時21分)
かなり低い雲であることが感じとれますが、地上とはつながっていないようです。(9時23分)
雲の直下なのか、周辺の高い建物の上部は霞んでいました。
旧川越街道朝霞市溝沼付近から見た空の様子です。(9時26分)
高い建物は霞んで雲の底の一部に飲み込まれている様子が走る車から見えたのですが・・・
いざ写真を撮ろうと撮影地点を探すと、視界のきくところがなかなかありません。
交差点の先の建物が霧のように霞んでいまいた。(9時28分)
雲が地上に達すれば、それは「霧」ですが・・・。
もっとひどくなるかと思いましたが、時間と共に雲全体が分散、発散して薄れていくようでした。(9時29分)
超低空を覆う雲の中を進みましたが、いわゆる「曇り空」や「濃霧」状態にはならず、日の光は感じていました。
雲の厚さはあまりなく、たぶん超低空をじゅうたんのように覆っていたのでしょう。
埼玉県富士見市内にある訓練場に着くころには、地上に陽が差し、雲もだんだんなくなっていきました。
昨夜まで降り続いた雨で濡れた地面(草地)からは、湯気のようにもやが立ち上がっていました。(9時49分)
11時頃には雲も完全になくなり、快晴の訓練日和になりました。
気象衛星の画像から
今回の地上近くの超低空雲の様子、もし数百m上空から見たら、多分・・・
綿の様な雲がべったりと地上を這うように見えるだろう なぁ なんて想像しました。
山で見る雲海のような感じだろう なぁ と思うのですが、見ることは叶いません。
そこで、気象庁のHPから気象衛星の画像を調べてみました。
その一部を切り取って拡大すると解像度はとても悪くなってしまいますが・・・
上は6日9時の画像です。埼玉県南部に今回遭遇した雲らしき姿が見えました。
左は可視画像(私たちの目で見るのと同じ)、右は赤外画像(高い温度ほど黒っぽく、低い温度ほど白っぽく写っています)。
上は 10時の画像です。 かなり明確に写っていますが、私のいた場所とは少し離れていたようです。
可視画像で白く見えるということは、太陽の光を反射する明確な雲のあることを意味し、
赤外画像で薄くぼんやり見えるということは、温度が高めの低い雲であることを意味しています。
11時の画像には雲らしきものは全く写っていません。
気温の上昇と共に消え去った、規模の大きな層雲の一種だったのかも知れません。
それにしても・・・ ちょっと
Bu Ki Mi
普段と違う訓練日の11月最後の日曜日、新しい黒ラブの子犬が来ました。

子犬はいつもみんなの人気者です。 たくさんの人たちに抱っこされました。

なかなかのカメラ目線!

いじめている写真ではありませんヨ。
初歩的な「言うことをきかせる」「我慢させる」ことのノウハウをやっているところです。

車の中にある物に興味を示しています。 いいですね~。
麻布の引張りっこも いいですね~。

ダンベルはいかがですか?

ダンベルを気に入ってくれました。 いいですね~!
こちらが望むことをしてくれたときは・・・ もちろん! ほめて、おだてて、ほめて また ほめて!

まだ、動作や意味を理解していませんが、さまになってます。
さ~、これからの数ヶ月で決まることが多いぞ~。
飼い主さん、うまくやってくださいよ~。
今回は、新潟や長野の地元で活動されている捜索犬の方と親交や情報交換を兼ねて訓練を行う機会をつくりました。
天気は朝から曇って寒いという予想でしたが…。

「寒い一日」を覚悟して、「お汁粉」まで用意してやってきてみれば・・・ うれしい天気でした。

遠路訪れた皆さん、大きな「住める」車でやってきました。
うらやましい!

初めての黒ラブたちと… 写真下にチャンスはいないようですが、変なところに写ってます(一部欠け)。

普段私たちが訓練している環境の中で、いろいろと試してもらいました。

基礎的な訓練も行いました。

チャンスたちもやりました。 「初めての人の臭い」はめったに得られない貴重な機会です。

写真ではチャンスのように見えますが、実はもっと「品のある」女性犬です。
小屋の中からの写真は、中に入ろうとしている黒ラブの姿です。
普段と同じ訓練場でも、普段と違うヘルパーや犬たちと行う訓練は、いろいろと得るものの多いものです。
いろいろな意味で、井の中の何とやら にならないように・・・
これからも、「良き刺激」「視野を広げる」外との交流を大切にしていきたいと思っています。
室内捜索訓練 091122 その2
午前中、基本的な室内捜索を行いましたが・・・
普段「外での捜索」に慣れている犬が、外気流入等気流の流れのない密室状態の中にいきなり入れると
多くの場合「興奮状態」に陥るようです。
そこで午後は・・・
室内捜索の独特の状況に「慣れさせ」、クールダウンさせて丁寧に「鼻をつける」意識をもたせることを
主眼に行いました。
さらに、同じ階の独立した二つの別部屋をうまく利用して
① 室内に外気がある程度流れる状態の中での捜索
② ①よりもわずかに気流の流れる状態の中の捜索
③ 完全に締め切った状態の中での捜索
というふうに進めました。
壁際に鼻を近づける意識が出てくれば、ヘルパーからの「濃い臭い」を見いだすことができます。
このように指示した箇所に鼻をつけて、丁寧に嗅ぎ取る意識を強化してやることも、
良い結果につながります。
お風呂場の中の浴槽
室内の臭いとりの「復習」を行ったあとに、お風呂場の浴槽にヘルパーを隠し、捜索させることにしました。
こんな感じの浴室&浴槽です。
ハンドラーには室内のどこにヘルパーが隠れているか教えていません。
さて
犬もハンドラーも、外から室内に入ってすぐの浴槽を意識することはありませんでした。
犬は、室内のあちこちを探り、動き回りますが、明確な臭いを見いだせません。
移動するうち、ふと感じる濃い臭いに反応して・・・ 狭い浴室に向かって吠え、その後
浴槽の強い臭いに対して吠え始めました。
このトイプードルは、浴槽から出る臭いを感じて吠え始めました。
ただ・・・ 予期せぬ「水」を差されてしまい「不安感」が発生。
その「水」とは!
彼自身が意欲的に浴槽に向かって立っているときに起こりました。
それは、爪で壁をこする「シュ~」という音でした。
立ち上がって、浴槽に爪が当たりますが、それが滑って音を出したのです。
自分がつくった、自分が出した音ですが、若いこの犬にとってその音は「原因不明の変な音」
だったようで、気持ちが萎えてしまったようです。
最後は、自信をもたせて吠えさせ、おおいに褒めてあげましたが、一見どうということのない
刺激が「犬の意識を変えてしまうほどのもの」という一つの例でした。
浴室が狭いので、浴槽からの臭いも浴室全体からの臭いととらえても間違いではありませんが、
やはり、臭いの出処を見いだして吠えることがベターです。
チャンスも臭いの出処を見いだしてくれましたが、チャンスの悪いところは
必要以上に「潜り込もうとする」ことです。
古い団地の浴槽は小さくて・・・ 小柄なヘルパーさんでも潜んでいるのはキツイところです。
長い間ありがとう、お疲れ様でした!
室内捜索 091122 END
室内捜索訓練 091122 その1
去る11月22日、都内の古い住宅の建て替え予定現場を使った「室内捜索」の訓練を行う機会を得ました。
古い団地の建物です。
階段を辿って1~4階まで、各階2部屋で合計8部屋ありますが、今回は基礎的な室内捜索訓練を主体に行いました。
よく見られる臭い反応
室内の一角にヘルパーが隠れ潜んでいるとき、そことは別のところに向かって犬が吠えることがあります。
それには、理由があり「吠える姿」を見て「なるほど」と思える場面をよく目にします。
部屋が締め切られていて、室内に外からの通気がないと、隠れたヘルパーの臭い(室温より高い)は上図のように、隙間から漏れ出し、
天井近くを流れ、窓際や壁から下降するように移動(対流)していきます。 臭いの一部は部屋の温度と同じになって、隙間から下に
落ちていきます(臭い物質は基本的に空気より重いのです)。
ただし、この図は「外からの熱」が入ってこない条件でのことです。
何故なら、今頃の季節で人の住んでいない住居は寒いほど冷えていますが、窓から日光が差すような場合は温まった場所に上昇気流が
起こるから、対流は図のイメージよりだいぶ複雑になります。
この日は時折雨がパラつく寒い日でした。その結果、前図のような状態になっていて、多くの犬はまるでそこ(窓際の壁)から
「人の臭いがでてくる」かのように吠え続けました。
経験を積んで、臭いの流れてくる状況に「違う」と感じたり、その臭いの元を探ろうと壁際に鼻をつけたりできれば、吠えているその場所が
探すべきところでないことがわかるのですが・・・。
犬自身が興奮してしまうと、その動きで部屋の空気が動き、臭いも分散、拡散してなかなか掴めなくなりがちです。
落着いて、ある程度静かに探してほしい… と願っても、意欲ある犬ほど感じる臭いにイライラして、行ったり来たりとさらに興奮していくようです。
ちょっとでも・・・ クールダウンして、鼻を壁際に近づけながら探してくれればよいのですが・・・。
こんな感じで探ってくれれば、対流で飛散してくる臭いに惑わされずにすむのです。
壁面や襖などに鼻をつけてくれれば! 嗅ぎ取ろうとしてくれれば!
特定できるのです!
それにしても・・・ チャンスは!
建物の外からチャンスの吠える声が聞こえてきましたが、ヘルパーの潜んでいる部屋とは別の部屋あたりからでした。
それにしても、いつまでも吠えているチャンス。その状態を確認するために部屋の中に入ってみれば…
案の定、ヘルパーの潜んだ部屋から離れた別部屋で吠えていました。
しかも押入れの上段に登ったり降りたり、興奮しながら・・・。
このあと落着かせて、壁際に鼻をつけるように促して臭いを辿らせ、臭いの出処を見出してもらいましたが・・・。
それにしても 何故?
一つは、複数の犬の捜索と、ハンドラーが出入りしたあとに捜索したことで、室内の空気がかき混ぜられヘルパーのオリジナルな臭いが
拡散、分散されたこと。
一つは、興奮しやすいチャンスが自身で部屋内を激しく行きかい、室内の空気と臭いを掻き乱したこと。
その中で、もしかしたらヘルパーの潜む部屋から移動した臭いの一部が別部屋の上部に溜まっていた…
のかも知れません。
「そこで吠えていた」確かな理由はわかりませんが、室内捜索ではなるべく静かに、落着いて行動してほしいものです。
遠隔、単独行動での条件下、今のチャンスにそれを求めるのはちょっと難しいのかも知れませんが・・・。
室内捜索(つづく)
あたらしく作った瓦礫内隠れ場所の捜索も、まずは…
臭いのとれない、あるいは指示したエリアを探らせます。
とくに、チャンスには。

「鼻作業」はじめました。

草原エリアの中も「鼻作業」。

臭いを感知、「どこだ~!」の鼻作業に任せます。

「ん~ん、このあたり」「ここだ、ここだ!」

「そこにいるのはわかっている!」「早く!くれ~」「はやく(ワン)、はやく(ワン)、はやく(ワン)ワンワンワン!」
新しい設定でも、臭いを求めて探し出す捜索という作業そのものは決して難しいものではありません。
見た目では難しそうでも、臭いの実は「透け透け」状態。
普段訓練している場所で、「探し出すのに困難あるいは難しい」という設定をすることが「実は一番難しい」ことかもしれません。
真に難しい捜索の一つ「瓦礫の下から漏れ出すわずかな臭い」をなんとか設定して、その訓練をしたいと・・・
常日頃思ってはいるのですが・・・。
捜索犬 普段&不断の訓練 091121 END
捜索犬 普段&不断の訓練 091121 その1
楽しかった吊橋ツアーもおわり、再び「楽しい」基礎訓練です。
まずは、不安定台座で マテ~。
「ハ~イ、来ましたヨ~ 」
「お安いご用で!」 「はいヨ~、それ!」
新鮮設定
新鮮な訓練を心がけて、瓦礫の中に隠れ場所をつくることにしました。