関東ブロック 雪崩講習会 その7
ちょっと贅沢な時間
まずは記念撮影。
昨年は山頂部を雪が覆っていましたが、今回は雪無しです。
今年のこれまでの天気は、低気圧性の降雪は少なく冬型寒気に伴うものが多かったせいでしょうか。
強い西よりの風で、低山でも高山の稜線に近い状況になったためかもしれません。
以下に、山頂からの山々の眺めを・・・。
中央アルプス空木岳(左)~宝剣、木曾駒ヶ岳の峰々。
宝剣は来月12日からの第24回全国雪崩講習会会場です。
昨日まで荒れ狂っていたであろう北アルプス北部の山々まで姿を現しました。
左から、穂高連峰~槍ヶ岳、常念岳(継ぎ目あたり)、大天井 、燕から立山、蓮華、針ノ木~爺ヶ岳、鹿島槍(双耳峰)、五竜岳。
写真には写っていませんが、白馬岳まで見えています。 北部の山々は南部と比べると雪の付き方(白さの量)の違いが見て取れます。
南に目をやれば・・・
その右、一見鹿島槍のような双耳峰に見えるところは鋸岳 、その右奥は北岳、さらに右は仙丈ヶ岳です。
一番近くに横たわるのは八ヶ岳主峰赤岳を中心とした峰々。 左から硫黄岳、横岳、阿弥陀岳(手前)、赤岳、権現岳です。
白い樹林帯は・・・ 樹氷、樹霜のようです。 一定の高度を境にして見事に分かれています。
せっかくだから・・・
チャンスと記念撮影。
赤岳を入れてもう一度・・・
風が目にしみる?
やっぱり・・・
ところで、このときの雲の様子を衛星写真(気象庁HPより24日11時30分可視画像)で調べてみました。
甲信越の日本海側を除いて広い範囲に雲がありません。 黄色い矢印で示したあたりの白は、雲ではなくて山の雪です。
北アルプスは、稜線部の白い雪とまわりを囲む低い雲で、白く写っています(上の北アルプスの写真にある雲)。
山と関係ありませんが、この日の斉洲島(チェジュ島)の南(→)におもしろい雲の渦が見えています。
川の流れの中でもときどき目にすることのある「カルマン渦」とよばれる現象が数100kmのスケールで起こっていました。
(つづく)
関東ブロック 雪崩講習会 その6
朝の合同講習、雪崩事故時の初動捜索シュミレーションデモのあとは、雪崩事故を防ぐための基本ノウハウから入ります。
昨日に続いて、雪の安定性を客観視するための弱層テストの復習。
後ろの山々は、蓼科山(左)~北横岳を含む北八ッヶ岳の山々です。
この日の天気は、昨日までの西高東低の気圧配置がくずれて、移動性の高気圧圏内に入り
甲信越全体がおだやかな下降気流の影響を受けて、雲ひとつない快晴になりました。
24日朝9時の地上天気図(気象庁資料より)
この日は朝からほとんど風もなく、雪面に霜の結晶が降りる「表面霜」が見られました。
しかし、たくさんの霜が成長するための水蒸気補給が少なく(乾燥した空気)、雪面付近由来の水蒸気が再び戻った、というような感じです。
山に新たな水蒸気が供給されていないことは、樹霜のできていないことからも明らかでした。
昨日、雪の掘り出しと観察を行なった地点まで上がりました。
実技講習の間、チャンスはお休みです。
円柱テストと違う方法で雪の安定性を調べる弱層テスト、「ショベルコンプレッションテスト」の手法を学びます。
弱層テストを終えて入笠山へ向いました。
雪崩回避行動をイメージしながら・・・。
入笠山頂到着。
360度の大パノラマが広がりました。
講習会2日目
朝早く、6時前に起きて・・・
まだ暗い小屋周辺の雪面などにライトをあてて観察します(早朝観察)。
6時過ぎの気温は、-11.3℃(雪面は放射冷却でさらに 2℃ほど低い状態でした)。
チャンスの寝床は、薪小屋の一角。寝る前に、ケージに断熱シートを巻いておきますが、-5℃以下まで下がっていたと思います。
もう・・・ 何度も経験している「氷点下の夜」でした。

とはいえ、元気いっぱい! の姿を見て「ホッ」とさせられることも事実です。
本日の講習開始メニューは、雪崩に遭遇した際の初動捜索の流れを見せるデモから始まります。

万一仲間が雪崩に流されたとき、どのようにして捜索し、救出するか・・・
即対応すべき、段取りと行動のシュミレーションです。

次のメニュー(雪崩捜索犬による捜索デモ)まで・・・ 待機です。

無線で出番の案内を受けて、出動!
現場で、擬似遭難者の関係者から雪崩に埋まった状況を聞き・・・ 埋没エリアにチャンスを出します。

狭いエリア、浅い埋没者なので、まもなく反応。
浅すぎる埋没者を「掘りすぎる」とよくありません・・・ ので、掘り出す動作を確認してから、ショベリングを要請します。

反応部位を中心に掘り出し作業が行なわれ、埋没役救出へ。

捜索手順、埋没位置の特定と掘り出し作業の流れなどについてあらためて解説。
チャンスは・・・ 傍聴席(?)

埋没者特定後のショベリング(掘り出し作業)について、その要領、方法等を説明。
できるだけ早く救出すためには、「素早く」「要領よく」「合理的な」ショベリングと協働作業が欠かせません。

最後に、雪崩捜索犬についての説明、質疑応答等を行い、初動捜索シュミレーションを終えました。
このあと、各班に別れ再び実技講習に移りました。
関東ブロック 雪崩講習会 その4
雪山入山時の基本的なチェックなどを行い、雪庇(様)のある地点へ移動。
他のクラス(山スキー・ボード他)の皆さんとはこの辺りから離れ離れになります。
吹き溜まり(雪庇)箇所の積雪断面の様子を知るために、掘り出し作業を行ないました。
雪山に入る人の必需用具の一つは「シャベル」ですが、掘るために「丈夫で」「使いやすく」「作業性の高い」
ものが求められます。
そして、重要なことが・・・ 掘り出す作業(ショベリング)です。
多くの登山者が、掘り出し作業に慣れていません。
いざという時、早く確実に掘り出すことができなければ・・・ 助かる命も助けられなくなります。
いざというときも・・・ 雪洞を掘るときも・・・
しっかり、効率よく掘れるようにしておかなければなりません。
このあと、雪庇の構造や危険性、積雪内部の様子を観察。
積雪内部が一様でないこと、変化していくことなど・・・ 実感してもらいました。
下の雪原に戻り、ビーコンの基本的特性や操作法を実践。
17時、マナスル山荘へ。
明日に向って冬型が緩んできているはずですが、夕暮れ時の西の空(中央アルプス方向)一帯には、
不気味な雪雲が押し寄せてきていました。
夕食のあとは机上講習です。
過去の雪崩事故と気象の関係、気象の動きから山の雪の様子を推測して雪崩の危険性を知ることなどを講義、
そのあと、雪の結晶の様子、最新のビーコンの説明などを行ないました。
そして・・・ 交流会の始まり~。
もちろん! 飲みながら楽しく、歓談、歓談、歓談が・・・ 続きます。
明日の朝は早いというのに・・・。
受講生が上がってくるまでの2時間ほどの間に、講習会場の下見を先陣の講師たちで行ないました。

入笠山に続く尾根周辺には樹霜(じゅそう)主体の華が咲いていました。
一般的に「樹氷」と言われてしまいますが、実際には樹枝に大気中の水蒸気が凝結した霜でできた「樹霜」と、
風で運ばれてきた 0℃以下の霧(過冷却雲粒)が付着した樹氷(霧氷)があります。
ガス(霧)が流れてきて樹枝が白くなれば「樹氷」、ガスを見ないのに樹枝が白くなれば樹霜です。
また、氷の結晶が明らかなものであれば「樹霜」、結晶になっていない氷の塊、白い塊ならば「樹氷(霧氷)」です。
もちろん、混合型があってもおかしくはありませんが、写真(上)は風が吹くと脆く舞い散る樹霜主体です。

例年積雪深の大きい吹き溜まり(風成雪)のある場所で。
樹林帯の中ですが、稜線の一部としての特徴をもっていて、西側斜面から運ばれてくる雪で「雪庇」の形状を示している所です。

周辺を調べましたが・・・ 積雪深はあまりありません。

氷の枝の中から太陽の光が差します。 順光とは違った趣です。
講習会開始
マナスル山荘に受講生たちが到着。
開校式を終えて、班分けし、野外に出ます。

山荘のすぐ近くに、雪庇状の吹き溜まり箇所があり、雪庇の構造と危険性、そして崩落事故を実感してもらいました。
このあと、各班(講師1名に受講生4~5名)に分かれて野外実習に移りました。

雪山へ入るときの基本、ビーコンチェックを行なったあと、積雪の安定性を知るための「弱層テスト」のしくみの理解、そして実践を行ないます。
自分の居る場所、進む場所を客観視し、地勢、植生を考え、積雪の安定度を知り、雪崩からの危険を回避すること・・・。
単に技術だけでなく、行動判断をする「根拠」を磨いてもらいます。
とはいえ、まずは「しっかり積雪の安定・不安定を知る」ことから始めます。

円柱のオブジェ・・・ 簡易な弱層テスト(円柱テスト)のために円柱を手早くつくる・・・ 練習の跡です。
積雪の安定・不安定、そして雪崩を起こしそうな「弱層」の存在の有無などを知り、安全な行動判断を行なうために・・・。
(つづく)
関東ブロック 雪崩講習会 その2
昨年、一昨年と、入笠山で雪崩講習会を行なってきましたが、直前まで厳冬期なのに「雨」という悪い条件のあとに、
一応「冬らしい」天気という状況でした。
さて今年は・・・
1月23日午前9時の地上天気図(気象庁資料より)。
ようやく! 冬らしい気圧配置の中の講習会となりました。
しかし! この少し前、20日~21日にかけて春のような気温上昇と雨によって・・・ それまであった雪が半減!という「情けない」状況でもありました。
とはいえ、西高東低の冬晴れ・・・ 幸いです。
講習会会場へ
さて、再びゴンドラの中のチャンスから・・・
笑っているわけでは・・・ ありませんが・・・。
ゴンドラ上の駅から講習会場まで、「そこそこ」歩かなければなりません。
距離はさほどではありませんが、講習会で使う資料や道具を背負ってのアプローチは・・・ 楽ではありません。
私の場合・・・ チャンスの寝床も担いで行かねばなりません。
無事、講習会場宿泊地のマナスル山荘に到着。
普段、ぬくぬくのチャンスも、雪の上で「平気!」にしてくれています。
このあと、積雪状態や雪質の様子を調べるために講習地下見に出かけました。
関東ブロック 雪崩講習会 その1
23~24日、関東ブロック雪崩講習会にチャンスを連れて行ってきました。
23日は西高東低の冬型でしたが、会場の入笠山周辺は凍てつく冬晴れです。
富士見パノラマスキー場のゴンドラも3シーズン目になりました。
24日は冬型も緩み快晴!
昨年に引き続き、入笠山の山頂まで上がりました。
詳しくは、またこの後に。
地震雲だ・・・ なんて その2
怪しげで、「何かある」と感じさせてしまう「変な形」の雲をたまに見ることがあります。
しかし、それが形作られた原因が必ずあり、見慣れない雲、見たこともない雲・・・
だからといって、「地震」に結び付けて考えてはいけません。
もし、そういうのに興味があったら、日々雲の写真を撮り、その時間、その雲の方向、位置、高さなどを記録して、
同時に、毎日起きている各地の地震情報(その時間、震源地、規模等々は地震関連のインターネットで得られます)とに何らかの相関がないか等々調べ続けるべきです。
単発的に「気になった」雲を、いかにも「それらしい」と関連付けることには意味がありません。
さて、先の不思議な雲ですが、時間を遡ってみると・・・
首都高速3号線の六本木付近のビルを写したときに、素になる雲がありました。 (北西方向: 12時21分)
このときの幅はまだたいしたこともなく、「○○○雲の跡」だとしか意識していませんでした。
そして、
谷町JCT付近からは、アークヒルズのビルとともに写っています。(北側方向:12時24分)
このときも、まだ雲そのものに対してはほとんど無視状態。
そしてまた、
一ノ橋JCT付近から見慣れた東京タワー。(北東~北北東方向:12時27分)
この状態の雲を見れば、たいていは「○○○雲」と思えます。 写真の中ほどに写っているのは車内の一部です。
このあと、雲には気にもとめず首都高6号~四つ木~国道6号線へと抜けました。
そして、荒川を渡って葛飾区に入ると
先ほどまで、「○○○雲がふやけたもの・・・」と思っていた雲が大きく育って! (北東方向:12時54分)
明確な境目を維持しながら移動してきているのに気づき、「見事な!」模様を意識して撮影したのです。
上の写真をよく見ると、先の方がまだ○○○雲らしさを残しています。
この雲、飛行機雲が上空の西よりの風に流され東に移動しながら育って、こんなに見事なものになっていったものと
私は思っています。
飛行機が飛んでいった直後、もしくは飛行中の姿を見ていないので確証はありませんが、それを見た人は多分多くいると
思います。
ただ不思議なことは、ほとんど一直線につながったまま「乱れていない」ことです。
上空(多分9000m以上)の気流が非常に綺麗に流れ(整流状態)ながら、その下のやや湿度が高い層の上を滑る様に流れているイメージを感じています。
この日の上空は「おとなしかった」に違いありません。
一部に乱れはあるとはいえ、実にきれいです。
見事としか言いようがありません。
果たして 衛星写真には・・・
もしかして、衛星写真に写っているか・・・ と思って、気象庁HPから雲の画像を調べてみました。
まずは、可視画像
13時~13時30分の可視画像を拡大しましたが・・・
薄い雲なので、そして解像度が悪すぎて・・・ わかりません。 北西~南東に延びている雲は関係ありません(飛行機雲由来帯状雲は北東~南西方向に延びるものです)。
では、
12時~13時30分の赤外画像を拡大しましてみましたが・・・
可視と同じく、筋状に見える雲は全く違うものです。
薄い雲や別の雲の移動していく様子はわかりますが、今回の雲を特定するにはやはり無理なようです。
地震雲だなんて END
地震雲だ・・・ なんて その1
去る20日、所用で千葉の松戸へ向う途中、ちょっと不思議な空(雲)の現象を目にして写真に収めました。
国道6号線葛飾区白鳥付近から北東~北北東方向の空(12時53分)
こんな雲を見ると、「地震雲だ!」なんて言う人がきっといると思います。
しかも・・・
国道6号線新葛西端付近から南東方向の空(1月20日 13:05)
こんなに・・・ 空を2分するかのような・・・
まるで断層のようです。
最初の写真の場所に近いところで、その雲の下に居合わせました。
横に長~い、ウロコ雲の形をしています。ゆっくり東に流れていました。
でも・・・
「地震雲だ」「不吉な前兆」・・・だ なんて言わないように。
実は、首都高速を移動するときから、まだあまり意識させない状態で、この雲の「素」が存在していました。
続きは次のブログで
新年訓練はじめの模様、最終回です。

熟練ミニチュアダックスですが、ハンドラーから見えなくなっても、離れていても、どんどん臭いを探って
発臭源に近づいていってくれます。
しかし、今回はこの写真の前に大きな障害に登り上げてから、動けない状況になって「臭いを感じる方向」にイラついてしまいした。
訓練では、自主性を強化するために遠距離、ハンドラーの死角という設定を行ないますが、実践における小型犬の活用は
ハンドラーが対応できる距離、場所という条件に限られてきます。

この黒ラブの捜索意欲、活動範囲は優れていますが、「捜索中はハンドラーを意識しない」「告知反応性」を強化中です。
発臭源がハンドラーから見えない、遠いところ、という設定で・・・。

まだまだ・・・ のような若いスタンプーですが、結構いけます。
好奇心、意欲と強いので、足場の悪い瓦礫に対する「慣れ」と、見つけたら「嬉しい」「楽しい」「満足」感を
積み重ねていけば・・・ 有望です。
2010 新年訓練はじめ 0110 END
新年訓練はじめの最後の設定は、ハンドラーから見えない位置のヘルパーを探させることを行ないました。
見えない場所での様子を、私を含むヘルパーが観察し、ハンドラーに情報提供、アドバイスを行ないます。

この若いミニチュア・ダックスは捜索意欲が高く、小型犬に不利な瓦礫の中、臭いを求めて思った以上に移動

意欲的な捜索行動とハンドラーの指示を仰ごうとする行動・・・ Gシェパードに現れがちなことですが、「鼻を使う」意欲と持続性を強化してあげることが良い結果につながりそうです。
彼の頭の中が・・・ 「気になる主人の姿」 << 獲物代用としての「ヘルパーの臭い」 となるように・・・。

探す意欲は高いのですが、瓦礫の歩行に苦手意識があるスタンプー。
悪場には慣れてもらうしかありません。 決して、できないわけではないのですから。
「どうってことない」ことを繰り返し分からせ、同時に「楽しく」「嬉しい」結果が伴えば、もっともっと強くなるはずです。
もちろん、できる限り自分で解決してもらいます・・・。

このラブも、瓦礫捜索ではハンドラーに依存しようとする傾向が出ます。
臭い感度は良いので、「感じる」段階から先が問題です。
臭いを求めて移動する過程で「移動障害」につまづくことがあります。
「できるのに!」
だいぶん高齢になってきたので、あまり無理はできませんが・・・
「これしき何の!」でやってもらいます。
BOX基礎訓練の続きです。

ゴリラさんに間違えられた若いスタンダードプードル。
まだ少し「不安感」を持っていますが、徐々に不安から自信に変わっていけるように・・・。

目的意識が安定してきた若い黒ラブ。
余計なことをさせないように・・・。

この日のチャンス(写真上)は、若い娘さん(写真下)から漂うシーズン臭に惑わされ、捜索よりもその臭いが頭の中にこびりついて離れない状態でした。
理想は、惑わされずに! 捜索をしてくれるが良いのですが・・・
オス犬にとってそれは酷で厳しい条件です。
この日はそういう状況下・・・ 単純な設定で、しっかりと臭いをとらせ、発見、告知に至らせることをさせました。
そして、最後にそのシーズン・ゴールデンがしめくくりました。
捜索犬ウォーミングアップ基礎訓練のあとは、BOXに潜んだヘルパーの簡易捜索(浮遊臭の追及と嗅ぎ取る動作)を行ないました。

さほどの距離もなく、風下に入れば(場所によっては風上でも)いとも簡単にBOXに潜んだヘルパーからの臭いを感知できる設定です。
「余計な意識」さえなければ、「探すべき(ヘルパーの)」臭いをとらえて、BOXに近づき、鼻を近づけて「ここだ!」という動作と反応をしてくれます。

その「意識」さえ強ければ、見学者がたくさんいようと・・・

ハンドラーが近づいてこようと・・・
周辺の人々には見向きもせずに・・・
発見したヘルパーの臭いに対して、吠え続けてくれます。
警戒競技の禁足咆哮と同様に・・・
「やめれ~」「もういいよ~」とハンドラーがOKするまで吠え続けてくれれば・・・
Very Good! です。
もちろん、うまく行かない犬にはその原因に対応した手立てが必要になります。
1月10日訓練はじめの基礎訓練模様の続きです。

Gシェパも、コーギーもウォーミングアップの基本は同じです。

ベテラン犬も、初心犬も、中堅犬も・・・ 基本は同じです。
もちろん、その犬その犬で・・・ 強化したい内容に応じて対応を変えることもあります。

「見つけたくてしょうがない!」 そんな気持ちが犬に定着していれば・・・ いつでもやってくれます。

かのチャンスも「基本を大切に!」でやりました。
もちろん「ヘルパー(擬似遭難者)」に触れることなく吠え続けることが必要です。
雪中半埋没状況とは違って、スクラッチ動作もせず、自重してやってくれました(ホッ!)。

今回の基礎訓練はこんな感じで行ないました。
訓練の内容、犬とヘルパーとの対応、うまくいくときいかないときの対応、ハンドラーの対応・・・ 等々。
人の犬見て自分の犬知る・・・
自分の犬動かし人の犬考える・・・
常にそういう場になればと思っています。
大きな、そして想像を絶するような惨い災害がまた起こりました。
しかも、その場所は小さく貧しい国の中の人がたくさん住んでいる場所。
あらゆるもの(情報・交通・物資・そして受入れ態勢等々)が「ない」 厳しい現実の中での被災は、救援活動もままなりません。
このような災害のときに、捜索犬(救助犬)として「行かないのか?」という質問の出ることがよくあります。
しかし、救出・救助という急を要する支援で必要なことは、四川大地震のときも言いましたが、「重機」のような瓦礫除去のための
「道具」と「人の力」です。
捜索犬が行って反応(発見)してもその後 何もできない・・・ という、辛く厳しい現実の中では「何のための捜索か」という疑問も生じます。
他国の救援のいくつかを見ると、軍隊的な救援組織に捜索犬が付いて行く、という形が見られます。
しかし、たくさんの捜索犬が育っているはずの日本では、このようなときに国として救援隊とともに「たくさんの捜索犬を連れて」行く
というシステムはつくられていません。
交通手段、治安などの悪い地域(他国)に救援しに行くためには・・・
国やそれに準じる活動部隊との協働がないと、なんともしがたい・・・ 現実です。
国内における救援活動も、基本的には「それぞれの捜索犬」に任されている状態。
私たちは、災害ボランティアとしての誇りはもっていても、災害ボランティア以上の「力」を持ち合わせていません。
とにもかくにも、ハイチに近いアメリカはもちろん、膨大な軍事力を持ち合わせている国々が、大型ヘリを使って
瓦礫を除去するための重機を大量に投入するような救援をするべきだと思います。
それに付随して、掘り出し救出する作業者(軍人他)、医療チーム等々が入れば多くの人々が救われます。
もちろん、そういう中に、捜索犬が入れば「救助効率」が格段に上がることは間違いありません。
阪神淡路大震災からまもなく15年たちますが、その後世界のあちこちで阪神淡路を上回る大きな地震災害が起こっています。
にもかかわらず、誰が見ても納得できるような国際的連携を図った救援システムというものが作られてきていないように思います。
何度も何度も起こっている悲惨な災害に対する救援シュミレーションなど・・・ なんとかなりそうに思うのですが・・・。
「手助けしたい」気持ちと、どうにもならない現実・・・
残念な思いは続きます。
1月10日、いつもの訓練場で今年初めての捜索犬訓練を行ないました。
まずは簡易なヘルパー捜索。 若い犬から、ベテラン犬まで「ウォーミングアップ」です。

「やったねー!」 嬉しそうな顔がいいですね。

やるき満々で、多少ムダな動きがあるのが若い犬。 それでも、できたことを褒めてもらえば、またやる気につながります。

とにもかくにも、探すこと、見つけることが楽しくなければ始まりません。 いい顔してますね!

感度良好、反応良好。 ゆがんだ顔は咆哮中の「一瞬」のできごとですが・・・ 面白い顔ですね。
楽しく、面白く、そして最後は達成感に満ちること・・・
捜索犬の訓練の基本です。
2009年最終普段の訓練再び 091226 その3
捜索しながら臭いの元へなんとか近づこうとすること自体はいいのですが・・・
あと先考えずに行動する「向こう見ず」チャンス・・・
少しは「あと先」考えて行動して欲しいものですが、
犬は果たしてどこまで「あと先」を考えてくれるのでしょうか・・・。
パレットフェンスの中に入り込んで、気づいたときにはパイプの脚立を登り始めていました。
慌てて写真を撮ろうとしましたが、カメラが不調で・・・
撮れるようになったときには、上まで登っていました。
「登ってきちゃいました~」 ヘルパーもびっくり!
「すいませんが、写真撮ってもらえます?」 じゃ~ 撮るから ちゃんとポーズとってね。
はい!こっち向いて! 「う~ん、変なカッコで どうも・・・ 」
さてさて、チャンス これからどうするの?
「困ったな・・・ 」
どうにもならない・・・ 態勢。
結局、私を含めた数人で「救出」するハメとなりました。
チャンスはやっぱり捜索犬でした。
決して、救助犬ではありません。 今回は被救助犬でしたが・・・。
2009年最終普段の訓練再び 091226 END
2009年最終普段の訓練再び 091226 その2
昨年末、「向こう見ず」チャンスの姿をアップしましたが、その続きを再び・・・。
が、その前に・・・ パレットフェンスで囲われた準高所からの臭いを求めての犬たちの姿をアップします。
まずは久々のミニチュア・プードルの作業模様を。
何ヶ月ぶりかの訓練参加でしたが、捜索欲、追及欲はしっかりしていて「真面目に臭いを求めて」探し回ってくれました。
パレットフェンスの障害も初めてでしたが、臭いの元を探る過程で中に入り込みました。
だいぶ以前に行なった、上からの臭いをとる経験が生きていて、ヒントなしで上からの臭いを感じ、特定することができました。
次は、脂の乗ったミニチュア・ダックス。
臭いをとらえて、いとも簡単に(?)接近、上部に向って咆哮、特定!
上部からの臭い捜索経験の浅いスタンプーにも実施。
このスタンプー、足場環境が悪いと躊躇しますが、単に障害が多いだけのパレットフェンス&高所由来臭に対しては意欲的に捜索。
臭いを感じ、追い続ける過程で・・・? ? ? となることもありますが・・・。
ちょっとしたヒントやキッカケで、気づき、咆哮。
最後は「いい思い」をさせて「嬉しい経験」で終了。
このあとは、例の「向こう見ず」チャンスの様子です。
例年、天神平スキー場まで犬を連れてきて、積雪の深い場所で雪中捜索訓練を行っていましたが、今回は全員スキーをすることにしました。
犬たちは午前中の訓練で満足させて・・・ ゆっくり「お休み」タイムです。

往年のスキーヤーなので・・・ おとなしく楽しみます。
とはいえ、ついついかっ飛ばしてしまう・・・私(滑る姿はありません)。

オ~! 新しい雪上スポーツ! ボディボードの滑走をみました。

久々に長いスキーを履いて、安定走行を楽しみました。
今は当たり前のカービングではない昔のストレートタイプです。
一通りのコースを滑ってレストハウスで休憩後、レンタル班と別れて田尻沢コースに入りました。

天気は下り坂ですが、午後は日差しも出て高層の雲も消えてしまいました。まだ高気圧圏内にあるようです。
田尻沢コース上部から谷川岳の姿が一望できました。明日からの荒天を前にしての、穏やかな表情です。

田尻沢コース下降中に見えるゴンドラの姿。
このあと、ゴンドラ下の駅目指して・・・ まっしぐら。
ゴンドラ駅駐車場で皆さんと合流、帰途につきました。
年末恒例雪中訓練&スキーの旅 終了
朝の捜索訓練2度目は、埋没者の臭い特定は難しいものではありませんが、それよりも風上の広いエリアを探させたあとに
特定してもらうように仕向けました。

捜索意識を広い雪原へ向けて出し、ある程度探させたあとに、物置などの建物周辺の捜索をさせました。

風上捜索を終えたあと、浮遊臭のとれるエリアへ。 まもなく特定、咆哮!
はい、ではまた チャンスどうぞ。

遭難者の臭いはとれませんが、雪原周辺を探させます。

物置やガレージ周辺を「しつこく」探させます。
先ほどまで、作業する人がいたため、物置周辺をかなり気にしますが「求めるべき」臭いを見出せません。
しつこく「人のいないエリア」を探させてから・・・ 臭いのとれるエリアへ

もう簡単ですね。
よ~し、よし!
これで、満足、満足!
雪中捜索訓練終了!
年末30日の天気は下り坂・・・。
高曇りでしたが、時々日差しが差す状態です。

宿の前の雪の状態。 まだまだ少ない土合周辺です。
今日は、捜索訓練のあとスキーをやることにしました。
とはいえ、積雪が少ないときの雪中捜索訓練は・・・ ままなりません。

少ない雪では完全に埋没できません。 溝を掘って、足の一部を露出させた半埋没状態の遭難者役を探させます。
まずは、娘さんから。

足跡臭がたくさん残るエリアを探させてから埋没エリアへ向かわせました。

浮遊臭を感じながらも、たくさんある足跡臭も利用しているようです。
埋没者からの臭いは「浅い」「一部露出」で、探し出しやすく、迷うほどのことなく特定してくれました。
しかし、昨日と同じように「不安」からか、一度離れてしまいました。
自信をつけさせて・・・

今度は大丈夫! しっかりと吠え、執着してくれました。
ところで、露出している足には見向きもせず、埋没している頭部付近で咆哮しています。
露出している身体の一部(靴とスパッツ、オーバーズボン装着)から出る臭いよりも、雪中から漏れ出す素肌の顔面
と呼気からの臭いの方が、強く、明確であることを物語っています。
はい、では次 チャンスどうぞ。

浮遊臭の感じないエリアへと出しましたが、そこには既に「感じる浮遊臭」が来ていたようで・・・
埋没者のいるエリアに入り、まもなく特定。

チャンスは、臭いを感じる雪面を掘る動作があたりまえになっているため、今回のように浅い埋没者に対しては
好ましくありません。
深雪や雪崩捜索の場合は、その動作を見て救出作業を人が行うので良いのですが・・・。
浅い埋没状態や、露出状態の遭難者に対しては徹底した制御が必要です。
今回、もう1頭の黒ラブも参加しました。
実は、昨年夏頃から白内障が進んでハンディを背負ってしまいました。それでも、鼻、耳を駆使して普段元気に生活しています。
雪中訓練も何度か参加していて、久しぶりの楽しい感覚を思い出してもらいました。

ほら、こっち! そうだ、そうだ!
Good Boy!
あ、ごめん Good Girl!
3連休の雪山は面発生表層雪崩に厳重注意!
今日から3連休で、たくさんの登山者、山スキー、スノーボーダーなどが雪山を目指すと思います。
しかも!
このところ続いていた強い冬型が緩み、天気も回復してくる・・・
ために多くの人が「計画通り」「予定通り」の行動をすると思われます。
気になる積雪のイメージ
この年末年始から7日までの気象庁アメダスデータから、雪の多かった二つのエリアを選んで、グラフをつくってみました。
一つのエリアは北アルプス北部を挟んだ、富山県上市と長野県白馬です。
データは山の雪ではありませんが、上市と白馬に挟まれた北アルプス北部の降雪の様子をある程度イメージできます。
西~北西からやってきた雪雲が白馬岳などの高峰を越えて雪を降らせている場所が白馬あたりですが、年末の31日から1月の3日にかけて
たくさんの雪が降り、積もっていることがわかります。
赤い上下の矢印は、最低気温と最高気温の差の大きいところを示していますが、このような気温差は晴天のときに起こります。
詳しく調べてみると、30日の最低気温は夜中の0時から明け方に示され、4日の最低気温は明け方頃に示されていることがわかりました。
また、ほとんど無風状態であり、放射冷却によることがわかります。
問題は、このように温度変化が大きかった後に多量の降雪があった、ということです(↑)。
もし、白馬岳や立山などの山間部でも同じような傾向(晴れが続き、その後降雪)にあった場合、新しい雪の下には支持力の弱い「霜ざらめ雪」を
含んでいる可能性があります。いわゆる弱層と呼ばれる薄い雪の層です。
北アルプス北部の風上側(雪雲がやってくる方向)のアメダス観測地(富山県上市)があります。
そこのデータもグラフにしてみました。
上市には積雪深のデータがありませんので、積雪の様子がわかりませんが、雪の降り方(降水量)や気温の推移パターンは白馬の
ものに似ています。
雲の移動を考えると、上市上空を流れた雪雲は北アルプス北部の山々にぶつかり、強い上昇気流をともなってたくさんの雪を降らせ、
その一部が山を乗り越えて安曇野北部の白馬付近にも雪を降らせていることになります。
上市のデータと白馬のデータから、山間部ではより顕著な変化があってもおかしくはありません。
上越国境エリアでは
雪中捜索訓練を行った上越国境谷川岳周辺での年末年始の降雪も顕著でした。
上図:谷川岳西側(雪雲上流)の湯沢と南東側(雪雲下流)の水上の気温、降雪、積雪の様子。
北アルプス北部と違って標高が低く、気温の変化や雪質は異なりますが、積雪量は負けません。
アルプスよりも雪の安定化が早く、アルプスほど明確な弱層はできにくいかも知れませんが、多量の降雪から日数を経ていない
連休中は不安定であることは確かでしょう。
この連休の積雪は不安定!
年末年始に降り積もった雪、そして5日から降り積もった雪、気象の変化とその推移を見る限り、まだまだ不安定です。
積もった雪の下に、上下の雪を結びつかせない「弱層」が一重、二重と存在しているような・・・ そんなイメージが浮かびます。
入山する方は危険回避対策を!
→ この3連休には間に合いませんが・・・ 雪崩講習会を受けましょう
一ノ倉沢出合から帰途へ
29日の一ノ倉往復ツアーは、天気の状態がよかったために企画しました。
雪も少なかったのでラッセルを強いられることもなく、予定通り目的地まで行け、捜索訓練もできました。
しかし、出発時間が遅かったために一ノ倉周辺でいつまでものんびりもできません。
午後の日差しを受けて輝く笠ヶ岳と白毛門。
谷川岳~一ノ倉沢の岩壁もこの山も、明後日には荒れ狂う雪と風に見舞われるはずですが・・・ 今はとても穏やかです。
さぁ、そろそろ帰りましょう。
あ~ ちょっとその前に!
記念撮影しましょう。
若い娘さん(ゴールデン)は、雪のぼんぼんをたくさんつけています。
同じゴールデンなのに、チャンスにはあまりついていません。 何故?
それは・・・ 娘さんの毛皮は純毛で、チャンスのは化繊だから。 んなわけ、ないけど・・・。
では、三脚にNさんのカメラを固定して・・・
なんとか収まりました。
しかし、この one シーン 苦労の連続です。 犬の目をカメラに向けさせるために・・・。
チャンスの手前の雪しぶきの跡… タイミングを計っての「技」を使いました。
このあと、谷川岳ロープウェイ駅に向かって林道を戻りました。
マチガ沢付近で。 東の空に13日くらいの月が昇っていました。
林道歩きも終盤です。
いつものことですが・・・ 帰路の道は行きよりも長く感じます。
時間は行きよりも短いのに・・・。
駐車場のある谷川岳ロープウェイ駅の一角で一休み。
その点、化繊の毛皮を着たチャンスは取り除く手間もなく・・・ 楽ですね。
12月29日の雪中行&捜索訓練終了!
一ノ倉沢出合にて その3
チャンス お願いします。
「了解!」 「お任せください」
「もう、感じてますヨ」
「ここだ!」 「この下に間違いない!」
「この下にいます!」 「います!」 「います!」
や~ ありがとう! 「いえいえ、なんのなんの」
や~ よかった、よかった。
一ノ倉沢前での捜索訓練、終了!
残念!山の遭難
北アルプス、南アルプスで年末年始登山者の遭難が相次ぎました。
年末から天気が荒れることは気象情報だけでも「明らか」でしたし、気になる雪の様子でも記しましたが・・・。
たくさんの登山者が入る年末年始、天気が荒れれば「遭難の確率」も増してきます。
残念ながら、荒れた天気の中を強行すれば、よほどの「運」がない限り冷酷な自然力に打ち勝つことは不可能です。
だがしかし・・・
自分もそうであるように、山の中に入ってしまうと
「もしかしたら」「意外と・・・ 」「なんとかなる」等々の楽観的思考、希望的観測に傾きやすくなります。
そんなとき、最悪の状況に曝されたら・・・ あるいはその一歩手前にいたら・・・
可能な限り安全地帯に退避して「たてこもり」技術を発揮するしかありません。
なぜならば、強風⇒ 体温低下・地吹雪&視界不良・バランス崩し&吹き飛ばし・雪崩発生…
降雪&吹雪⇒ ラッセル(体力消耗)・体温低下・視界不良・雪庇崩落・雪崩発生…
濃霧(過冷却雲粒)⇒ ホワイトアウト・雪庇踏み抜き・ルート間違い・睫毛等への氷着・・・
これらのリスクを背負っての行動は「無謀」そのもので、ほぼ=「死につながる行動」でしかなのですから・・・。
荒れることが明らかな山には入らない
荒れ狂う自然を満喫したい・・・ などという「特殊志向」者は別ですが・・・
ひどい天気になることがわかっているときは「止めるが勝ち」です。
とくに、雪山での遭難は、過去の多くの事例を知れば、天気を選んでの行動に「損はありません」。
年末年始の天気は、暮の28日以前から気象情報等で何度も伝えられていました。
そして天気の推移は、その日が近づくにつれて「予想」どおりに流れていきました。
予想も結果も・・・ 「強い寒気の南下」と「強い冬型」、それにともなう「大雪と強風」。
暮の31日9時、地上天気図(右)では西高東低の冬型になり始めたばかりですが、問題はそれに伴う上空の寒気です(--36℃、--30℃、--24℃)。
寒気の様子は、上空約5500mの天気図(左)を見ないとわかりませんが、このような強い寒気の予想は「テレビの気象情報」で必ず伝えられています。
地上天気図だけを見て、冬型が続く、続かないという予想はできません。さらに、大雪になるかならないかは、単に等圧線の形だけからも予想できません。
判断のもとになるのは「寒気の強さ」、そして「寒気の動き」を知っておくことです。
そして、1月1日(元日)の9時の状態は
強い寒気が日本中部まで南下しています。
次に、2日~3日の9時の状態
2日9時の天気図と上空寒気の様子。寒気の塊がちぎれて北にずれ、一時的に冬型が緩んだようになりました。
3日9時の天気図と上空寒気の様子。
大陸から次の寒気と気圧の谷が近づきつつありますが、日本付近はまだ西高東低の気圧配置になっています。
※ 天気図原本は気象庁資料より
低気圧が発達しながら日本付近を東に移動、その後西高東低の強い冬型になり、それが数日続く・・・
そんな天気が予想されているときは、山行計画は取りやめるべきでしょう。
もちろん、その影響が顕著である山とあまりひどくならない山もあります。
しかし、「ひどくならないハズ」という予想も外れることがあるので要注意です。南アルプス聖岳の遭難もその一つだったかも知れません。
今晩から再び!
今夜から再び強い冬型で山岳部はかなり荒れ模様となりますが・・・
年末年始と違い、また平日であることが災いを遠のかせてくれるかも知れません。
雪崩事故もそうですが、どんなに危険な状態の山であっても、
そこに人がいなければ、遭難も事故も起こらないのですから・・・。
人の力では太刀打ちできない危険のリスクが高まる天気とその影響を受ける場所には・・・
入らぬが勝ち です。
一ノ倉沢出合にて その2
咆哮は岩壁にこだまする?
一ノ倉沢の岩壁をバックに、埋没遭難者役を吠え続ける犬の声は・・・ 果たしてどのくらい届くでしょうか。
吠えている犬の近くにいる私には確認できませんでしたが、
多分、一ノ倉沢の中のテールリッジや衝立岩周辺にいたら・・・ 聞こえているだろう、と思います。
こだましているかは別にして・・・。
岩壁群をバックに吠え続けます。
吠えます。
吠えます。
いい写真撮れましたよ~。
雪中ヘルパーさんから褒めてもらい、ハンドラーとともに戻りました。
白毛門の左の山は笠ヶ岳。
この白い雪からの反射太陽光は、陰になっている一ノ倉沢岩壁群をほんのり赤く照らしてくれます。
(つづく)
一ノ倉沢出合にて その1
「わ~~~ 」
まだ~! あとで! 記念撮影するぞ!
「ハイハイ・・・ 」
はい、ポーズ。 「これで・・・ どう?」
まずは娘さんから
出合周辺の雪の量はまだたいしたことはありませんでしたが、擬似埋没役を雪中に隠して・・・
雪中訓練2シーズン目のゴールデン娘さんから捜索をさせました。
バックに輝く山は白毛門。 西に傾いた太陽の光が一番反射してくる時間帯です。
臭いを辿って近づいてきましたが、雪面に残された足跡臭も当然感じての動きです。
ランダムな足跡(臭)を十分つけていないので、あまり惑わされることもありません。
ほどなく、新しい臭いの出ている埋没箇所に近づくことができました。
特定できるところに着きましたが・・・。
実は、若い犬にありがちな「慣れていない隠れ役」のせいか、一度離れてしまいました。
再度の捜索で素直に告知。吠え始めれば安定。
しばらく吠えさせている間に、こちらも移動・・・。
周辺の動きに左右されずに、しっかり吠え続けています。
一ノ倉沢での捜索訓練、めったにできないので・・・
いい写真を撮らせてね~
(つづく)
マチガ沢から一ノ倉沢へ
午後の日差しが東尾根上部を照らしますが、谷はすでに日陰になっていて陰影の差が強くなっています。
一休みしてから、一ノ倉沢に向かいました。
谷川岳の東に位置するマチガ沢は、上流域の大きなスケールに比らべ出合はこじんまりとしています。
吹き溜まりの部分の歩行。 風の強い部分では雪が吹き飛ばされて路面の出ているところもありました。
ここは日陰にもかかわらず、湯檜曽川の対岸、白毛門斜面の雪面に当たる太陽の光が反射して、ほんのりと陽の光を感じます。
マチガ沢と一ノ倉沢の間の大きな尾根(東尾根)を回り込むと・・・
独特な表情の壮大な岩壁群、一ノ倉沢が現れました。
午後1時40分近くになり、陽の光も稜線の一部に当たるだけになっていました。
もう少し早くに来ていれば・・・ 残念!
マチガ沢へ
31日から冬型が強まり日本海側を中心に大雪に見舞われていますが、暮の29日は上越国境の山々は晴天に恵まれました。
大荒れの天気になる前兆は地上天気図でも見えていましたが、29日は移動性高気圧におおわれ、
山々がその影響下にあったことがわかります。
29日午前9時と午後3時の地上天気図(気象庁資料より)。 ▲が私たちのいた谷川岳あたりを示しています。
マチガ沢へは谷川岳ロープウェイ駅から上に延びている林道を行きますが・・・ 雪が・・・ 少ない。
林道入り口のゲートからスノーシューやスキーを履いて、アプローチ開始。 私は短いスキーにシール貼り。
林道最初のあたりは毎年訓練を行っている場所ですが、雪の量は少ない状態です。
その先は傾斜のほとんどない雪上歩行が続きます。
大きな尾根(西黒尾根)を回り込んでいくと林間からマチガ沢側の谷川岳斜面が見えてきます。
チャンスと若いゴールデンは楽しくてたまりません。
マチガ沢が現れました。
このあと、マチガ沢出合を経て一ノ倉沢へと向かいます。