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山と瓦礫と捜索犬
山の中、雪の中、瓦礫の中、鼻を使って人を探す犬がいます。 そんな「捜索犬」活動の一端と興味ある自然現象及びとっておきの写真などを紹介します。
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寒気の坩堝(るつぼ)

寒気の坩堝(るつぼ)


 この数日、めちゃくちゃ寒い!

 もうまもなく4月だというのに・・・ 桜が開花したというのに・・・


 腹が立つほど 寒い!



春らしい気圧配置・・・ なのに? 

 27日に埼玉南部の訓練場の様子を前回、前々回とアップしましたが、その翌日から昨日にかけては、とにかく寒い!

 昨日の夜は・・・ しんしんと冷える真冬のような寒さ。


 29日(月)9時から30日(火)9時にかけての地上天気図は 

29日9時,21時,30日9時の地上天気図
 西から移動性の高気圧がやってきて・・・    (天気図は気象庁発表資料による)

 一時的な冬型で、東にちょっと発達した低気圧はあるにせよ・・・  

 晴れによる放射冷却もわかりますが・・・  それにしても、寒すぎる!

 ほんわか・・・ 暖かい晴れ間を期待した人も多かったのでは。

 しかし・・・




花冷え 底冷え


 東京都心(大手町)と少し郊外に位置する府中のアメダスデータをグラフにしてみれば


27~28日の東京・府中の気温(編集)
 27日は日も出て少しは暖かくなりましたが、平年にくらべればかなりの寒さ。 そして、28日(日)は雲って陽が差さないだけでなく冷たい風の吹く寒さで、日中も8℃に達しませんでした。
 29日は、 太陽が顔を少し出しましたが10℃に満たないまま。そして、夜は月が出てぐんぐん冷えていきました。

 昨日(30日)の朝方は、東京都心で 1.5℃、府中では -0.9℃まで冷え込んで、まさに真冬並の寒さです。

 日中は太陽が出て気温は上がりますが、15℃には達しませんでした。



 今年の桜は「持ち」がいいです。



寒極まる


 気象情報でも伝えていましたが、真冬並の一級寒波が上空にやってきていました。

 それは

29日21時 寒気の坩堝 編集
 一昨日(29日)の夜(21時)の地上と上空の天気図を併せてみてみれば、その凄さがわかります。


 西日本(中国、四国)から東~北日本はすっぽり真冬並の寒気に覆われています。

 上空 1500m付近には、地上で雪になる目安の -6℃以下の寒気が。
 そして 標高の高いアスプスの山々で荒れた天気になるような 上空 3000m付近で -18℃以下。
 さらに 上空 5500mで -36℃以下という大雪をもたらすような寒気が。

 さすがに、大陸の高気圧との間にできる西高東低ではないために、日本海からの水分供給が僅かなために大雪にはなりませんが、
あちこちで雪が舞っていました。


 4月まもないこの期に及んで・・・ 寒極まる です。

 

 しかもこの様子、上空の気圧配置といい、寒気の垂れ下がる具合といい、

 まさに 「寒気の坩堝」状態。

 

 寒さの理由は納得できても・・・ もういい加減にして!

 といいたいところです。

 

 


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捜索犬の訓練 ちょっとだけョ・・・

捜索犬の訓練 ちょっとだけョ・・・ 


 27日の土曜、埼玉県南部。

 晴れてはいるのですが・・・ 吹く風は冷たく、動いていないと寒い一日でした。

 
 風で吹き飛ばされたり吹き倒された訓練用部材を元に戻し、傷みの進んだ訓練施設を修繕したりで、ほとんどを過ごしましたが、連れて行ったチャンスはその間車中で待機。

 それだけじゃ~かわいそう。 最後には「いい思い」をさせてやります。


最後にチャンス①
 ヘルパーのいないところに向わせて探らせ・・・

最後にチャンス②
 さらにあちこち探らせ・・・


 最後は臭いのとれるエリアに向わせ・・・


最後にチャンス③
 臭いの出所を捉え・・・

最後にチャンス④
 小屋奥に潜んだヘルパーのところへ。



 今回は、普段と違うヘルパー(チャンスにとっては初めてかも)にお願いして、最後はしっかり麻巻で遊んでもらいました。



 よかった、よかった。

 

嵐の爪痕
嵐の爪痕



 27日の土曜日、春の嵐(3月20~21日)のあと使っていなかった捜索犬訓練場で・・・

 ちょっとした「嵐の爪痕」を実感。

 

 かなりの突風を受けた模様です。




①倒れたパレットなど
 立て掛けていた数多くのパレットが・・・ パタパタと倒れ臥していました。

②吹き飛ばされたハシゴなど
 訓練用の建物はもともと・・・ 「アバラヤ&バラック」で、壊れているか壊れていないのか・・・  よくわかりませんが。

 よく見ると、ハシゴは外れ、立て掛けてある木材は倒れていました。


③散乱した水平ハシゴ
 訓練用水平ハシゴの一部も、地面に落ちています。  その他、よく見ると・・・  いろいろなモノが不自然に移動していました。




④転がったBOX(1)
 BOXは見事に転げていました。



⑤転がったBOX(2)
 大きいBOXも・・・  どのようにして転げ、移動したのか・・・  フェンスに引っ掛かって止まっていました。


 散乱、転がり、落ちた物をもとに戻し・・・

 傷んだ施設を修繕し・・・



 帰る前にチャンスを少し動かしました(次ブログ)。

 

 

晴れて暖かくなれば…
晴れて暖かくなれば… 


 東京の桜も開花が始まり・・・

 とはいえなかなか「暖かい」日が続かない今日この頃。


 しかし、桜が咲けば・・・  

 カンブリア爆発ではありませんが、たくさんの生物が活発に活動を始めることも確かです。  



 残雪の具合や天候による気温の変移、日照時間などで多くの生き物の活動は左右されますが、
 「くるべき時」が来れば「待ってました!」とばかりに目覚め、全身で春を謳歌しはじめます。


ギフチョウ①(富山:1993.4.1)
 北陸地方でも、目覚める時の早い「富山のギフチョウ」。 日差しを受けて温まり・・・ 吸蜜源を求めて飛び回ります。


 しかし、落ち葉ばかりの枯野のような環境で、花はあるのでしょうか・・・。


 この辺りにはカタクリが見られませが・・・  ありました!

ギフチョウ②(富山:1993.4.1)
 目立たない小さな紫系の花(スミレ)ですが、人の目よりも目ざとく見つけてくれました。


 紫外線領域まで見える蝶にとっては、人間が見る世界よりも「花の輝き」をしっかりと感じることができるのでしょう・・・ きっと。



ギフチョウ③(富山:1993.4.1)
 栄養をとって・・・ 休んで・・・。



 さて・・・  雌の羽化は、まだかいな。




 Photo. 富山県大山町 1993.4.1



 

 
捜索犬試験模様(2)

捜索犬試験模様 その2 



捜索作業の様子 



捜索模様①
 行方不明者役を探しに行かせます。


出場待機中①
 待機所で・・・。


捜索模様②
 探しに行った犬の様子を・・・ 窺います。


捜索模様⑤
 見えなくなった犬の様子を・・・ じっと待ちます。


捜索模様④(よ~しヨシ)
 発見、告知を終えて・・・ 「よ~し! ヨシ!」。


捜索作業③
 終了、審査員の講評。





捜索犬試験模様 END

捜索犬試験模様(1)

捜索犬試験模様 その1 



服従&熟練作業 


脚側行進①
 T.プードルの脚側行進(往路の常歩)。

脚側行進②
 M.ダックスの脚側(復路の速歩)

不安定足場
 E.スプリンガー・スパニエルの不安定足場の通過。

シーソー
 M.ダックスのシーソー。

水平ハシゴ渡り
 M.ダックスの水平ハシゴ渡り。

脚側行進③
 ゴールデンR.の脚側。

瓦礫歩行
 ゴールデンR.の瓦礫歩行(作業)。


出場待機中②
 「まだぁ?」    W.コーギー 待機中。




 みんな・・・   頑張っています。

 


春うらら・・・ とはならず

春うらら・・・ とはならず 



 3月21日は春分。しかし、その前日20日の夜から未明にかけて春の嵐が吹き荒れ各地で被害が出ました。


 春分の日は嵐も去って天気が回復してきましたが・・・ 

 発達した低気圧には付きものの「寒気」が入り、穏やかになるまでには時間がかかりました。



 そして22日、八王子近くの丘陵地で捜索犬の試験がありました。


 強い風もおさまり、放射冷却で陽が当たる前の地面には霜も降りていました。


 会場の外れには

つくしんぼう
 つくしんぼうの群落が・・・ 



2010年3月22日の地上天気図
 一見穏やかそうになりそうな気圧配置ですが・・・     (気象庁発表資料による3月22日午前9時と午後3時の地上天気図より)



 暖かい 春うらら日和を期待したのですが・・・  

 「冷たい」移動性の高気圧のしわざで、現地では、日中を中心に冷たい風が吹きました。

 しかも、風向は北よりかと思えば東になったり、南寄りになったり・・・ コロコロ変りました。


 現地に近い八王子アメダスデータから、当日の気温と風速、そして風向の様子を調べてみました。

20100322 八王子の気温と風 編集
 
 八王子でも風向きが短時間に大きく変化していたことがわかりました。 高気圧の中心が東に移動するにつれて南よりの風になっていくことも。

 しかし、丘陵地では、これがさらに複雑な乱流を伴って変化しているであろうことがうなずけます。



 臭いを求めて探す捜索試験では、出番によって「いい風」になったり「困った風」になったり・・・ これが現実です。




 次ブログで捜索試験の様子を。

 

 

捜索犬訓練模様 100320(3)

捜索犬訓練模様 100320 その3



 捜索犬として「してほしくないこと」や「やってはいけないこと」というのはいろいろとあります。

 初期の訓練から、気づいたら「やらせない」ようにしていかなければなりません。

 

 ということで、訓練中に見られるいくつかを。



発見咆哮・・・ でも
 上の写真は、遭難者役を発見して咆哮していますが・・・

 このような場合、犬は人の上に乗ったり、触ったりせずに告知しなければなりません。

 小型犬の場合、現実的には問題となりませんが、大型犬の場合は人を傷つけてしまうことに成りかねません。




 訓練の浅いゴールデンなどによく見られる行動に・・・

させたくない行動ですが・・・
 生身の遭難者役に、ゴロにゃんするかのように・・・ 

 身体を擦り付けたり押し付けたりして「告知できない」ことが起こります。

 これらを「笑って許して」しまうと・・・ 捜索犬には成り得ません。




 そんな「未熟」な段階でも、触れることのできる「生身の人」がいなければ、臭いだけで「姿」が見えなければ・・・
 
姿が見えなければ①
姿が見えなければ②
 しっかりと咆哮、告知できる若い犬はたくさんいます。



 可能な限り、考えうる限り、いろいろな場面を想定して、

 どんな状態、状況下でもしっかりと告知できる犬を育てていくことが求められます。




捜索犬訓練模様 20100320 END

捜索犬訓練模様 100320(2)

捜索犬訓練模様 100320 その2



 2連ドラム缶に潜んで、捜索する犬を待ちました。

 

 臭いを感じて鼻息の荒い音が聞こえて・・・


ドラム缶内から(発見咆哮の様子)
 告知咆哮は・・・ ドラム缶内にいるとえらく響きます。

 

 

 ミニチュアダックスの鼻息音は小さいですが近くまで来れば感じます。

ドラム缶内から(発見咆哮の様子)②
 ベテランのこの犬は、特定も反応も安定しています。

 


缶内から⑤
 若いトイプー、毎回の積み重ねが自信と安定化への道です。


 この季節、晴れた日のドラム缶内 長く潜むと・・・  かなり暑いです。

 




捜索犬訓練模様 100320(1)
捜索犬訓練模様 100320 その1


 20日、久しぶりに訓練場で基礎訓練を行ないました。


不安定台座で休止①
 ・・・これも  確かに 基礎訓練の一つには違いありません。

不安定台座で休止②
 不安定台座に「乗ること」自体が好きになれば・・・ もちろん Good!です。

人と犬とのいい関係①
 人と犬とのいい関係・・・  一般的にはアイ何某といいます。

人と犬とのいい関係②
 いずれにしても、こんな感じで「一体感」がつくれれば・・・  Good!です。

人と犬とのいい関係③
 指示を待って・・・  呼ばれれば「はせ参じまする」



 しっかりと「いい関係」を構築すれば、犬はまさにパートナーであり、素晴らしきコンパニオンです。





 





中華料理?

中華料理? 



 先日の夜・・・


夜景
 めったに来ない都心部で・・・ 飲食の機会がありました。


 せっかくなので・・・  写真に収めました。


麦酒
 麦酒を飲み・・・

北京#28900;鴨
 北京烤鴨をいただき・・・

紹興酒
 紹興酒を飲み・・・

小籠湯包
 小籠湯包を食し・・・

鶏絲湯麺
 鶏絲湯麺を食べ・・・

杏仁布甸
 杏仁布甸をいただきました。



 もちろん、これだけではありませんでした・・・。






噴花の前兆(桜の様子)

噴花の前兆・・・ 桜の様子



 このところ桜の蕾の膨らんできた様子が木全体から感じるようになってきました。


 近づいてみると・・・

3月19日桜の様子①
 かなり目立ってきました。



3月19日桜の様子②
 枝ぶり全体、蕾のツブツブがはっきりしています。


3月19日桜の様子③
 まだ色づくほどではありませんが・・・ 

 太い幹の一角に「前兆現象」を発見!


3月19日桜の様子④
 しっかりと色づいた蕾が目を引きます。

 他の部分より成長が早いのは・・・ 枝の部分にくらべて幹が日差しで暖められるせいでしょうか。



 しかし、幹と離れている枝にも前兆が・・・

3月19日桜の様子⑤
 開花してもおかしくないようにも感じますが、握りこぶしに力を入れてギュッとしたような・・・            写真: 3月19日 世田谷区内

 やはり、まだまだ・・・ でしょうか。  



 さて、そんな中、今日は「一気に」気温上昇です。

3月20日の予想天気図と南風
 日本海北部を発達しながら東進する低気圧に向って、南の高気圧から南風がどんどん入ってきます。 (気象庁発表 20日9時の予想天気図から) 



 南風による気温上昇で、噴花(開花)に向かって拍車がかかりそうです。


 とはいえ、明日以降はまた気温が下がって「膨らんだ蕾」がまた縮こまるかも・・・。



 





 
 

河川敷で捜索基礎のキ訓練 0317

河川敷で捜索基礎のキ訓練 0317


 先日に引き続き・・・ 捜索の基礎のキ 訓練を河川敷で行ないました。


GRの捜索基礎訓練
 このゴールデン、昨年の今頃はまだ吠えることができない箱入り娘でした。

 が・・・ 今では、疾風のようなカッ飛び娘。

 でもまだまだ、単純な自信付け訓練の繰り返しが必要です。


WCPの捜索基礎訓練
 勢いは良いのですが・・・  どこまで粘れるか・・・。


MダックスとTプードル咆哮
 これは・・・?  2頭が一度にヘルパーを発見したときって・・・  どうなるのでしょう。




GRとWCPの休止
 しばらく・・・ 休止。


Tプードルの脚側
 なかなか いい関係です。

Tプードルの遠隔指示
 見つめ合う関係も・・・  いいですね。








捜索犬のヘリ降下訓練(3)

捜索犬のヘリ降下訓練 その3 



初めての駐機訓練


 ヘリを駐機してある格納庫内で、搭乗や降下の内容と段取りなどについて打ち合わせました。

初回駐機訓練① リフトハーネスを開たところ
 リフトハーネスはこんな感じにつくられています。

初回駐機訓練② リフトハーネスをホイストにつなぐ
 ヘリのホイストに吊り下げてみました。 

初回駐機訓練④ リフトハーネスとホイストの点検
 ホイストを動かして下降させます。



初回駐機訓練③ リフトハーネスを装着
 関係者の前で、犬(ビンゴ)にハーネスを着けました。



初回駐機訓練⑤ ヘリに搭乗
 ハーネスを着けたビンゴとヘリに搭乗します。

 犬はハーネスを着けていると身体の自由度が下がるので補助が必要です。

初回駐機訓練⑥ ヘリから吊り下げ
 ホイストのフックにハーネスを取り付けたビンゴをヘリの外に出します(吊り下がり状態)。


初回駐機訓練⑦ ヘリから吊り下げ
 こんな感じになって・・・ 実際には地上に下降し始めます。

初回駐機訓練⑧ ヘリから吊り下げ
 着地!



 ハンドラーもホイストを使って下降しますが、隊員介添え式の安全帯使用となりました。

初回駐機訓練⑨ ハンドラーは安全帯使用


 懸垂下降に慣れている私としては、犬と一緒に下降したい気持ちが強かったのですが・・・

 さらに、消防関係者による「犬とハンドラーのみ」の下降企画もあったのですが・・・

 防災航空隊としての判断は・・・ 残念ながら「否」でした。



 犬と共に吊り下がる方法は別途消防署で試行することになり、ヘリによる降下は、「犬単独+航空隊員介添えハンドラー」という方式に落ち着きました。



捜索犬のヘリ降下訓練(時々・・・ つづく)

捜索犬のヘリ降下訓練(2)

捜索犬のヘリ降下訓練 その2



慎重な訓練計画 


 捜索犬のヘリ降下訓練は防災訓練に合わせた計画のために、日程や段取りについて慎重な計画が練られました。


犬のヘリ搭乗と降下(イメージ)
 演習のイメージに従い、犬をヘリに乗せ、そして降下させるために必要な訓練を計画しますが・・・

 一番の問題は「安全性」です。


 「犬が飛行中のヘリ内部で興奮せず静かに待機できるか」ということがヘリ運行当事者にとって一番気懸りな点で、
これは防災ヘリが操縦席と搭乗部一部屋になっているため、「操縦に影響を及ぼさない」ことを第一に考えた問題でした。


 種々の問題点を出し合い、犬をどのように乗せ、保定し、降下させるかを駐機ヘリを使って具体的に確認することになりました。



リフトハーネス


 格納庫に停めてあるヘリを使って実際に行う搭乗や降下の方法、段取りについて試行するのですが、犬を吊り下げるためのハーネスを見るのは
防災関係者にとっても初めてのことです。


 実は、ヘリの降下訓練とは関係なく、山の捜索などで犬の吊り上げ、吊り降ろしができるようにとカナダ製の「リフトハーネス」というものを
購入してありました。


リフチハーネス①
 吊り下げといっても、このようにショルダーにして犬を移送することも可能です(本日唯一の訓練?)。


 これを完全に吊り下げると・・・

リフチハーネス②
 こんな感じになります。 


 ちょっと情けない表情のビンゴ(8歳後半の頃)。



 このハーネスがヘリ降下に使用できるか・・・ 

 その点の確認も必要になります。




捜索犬のヘリ訓練(時々・・・ つづく)


捜索犬のヘリ降下訓練(1)

捜索犬のヘリ降下訓練 その1



 以前、防災訓練の中で捜索犬のヘリコプター降下について触れましたが(ヘリ降下訓練)、実際の捜索に汎用されることを願い、
そのときの訓練内容等についてアップしていきたいと思います。


 とくに、雪崩事故があったときにヘリで雪崩捜索犬を現場に急行させれば、発見救出の可能性は格段に向上するはずです。
そしてその現実的対応がスイスでは当然のごとく行なわれ、その効果が実証されていることも事実なのです。


 そして もちろん!

 災害時に単に犬を移送する手段としてのヘリではなく、普段から降下訓練を施しておくことにより、ヘリが着陸できない現場であっても
犬とハンドラーをホバリング状態から現場へ投入するという積極的な活用が可能になるのです。




 それでは・・・  

 8年前、埼玉県下で行われた捜索犬を直接降下させる訓練の様子を逐次アップ(断続的ですが)していきたいと思います。



ヘリから下降開始①
 このように犬を直接ヘリからホイストを使って降ろします。



ヘリから下降開始②
 別の角度からみるとこんな感じです。


 そして ・・・



ヘリから下降開始③
 犬は単独でぶら下がり状態となって降下していきます。


 しかし、ヘリからぶら下がり状態の個体は「回転」しやすいために誘導用のロープで安定させながら降下させます。



 このような訓練は「いきなり」できるものではありません。



 犬の状態を確認しながら、段階を経て「安全」「確実」に訓練を進めて行きました。



捜索犬のヘリ訓練(時々・・・ つづく) 

広域捜索基礎訓練 100314

広域捜索基礎訓練 100314 



 昨日は先週に引き続き、八王子近くの丘陵地で広域捜索の基礎的な訓練を行なってきました。

 久々に、朝から良い天気に恵まれました。

 

 まずは・・・


休止①
 集まった馴染みのゴールデン3頭で・・・

 ちょっとアングルを変えてみると

休止②
 ゴールデンは逆光がいいですね。

 グランドがちょっと面白くありませんが・・・




訓練待機
 順番待ち「待機所」です。



捜索基礎訓練
 広域捜索の写真はなかなかいいものが撮れません。

 見えなくなることがあまりに多くて・・・。



発見咆哮
 本日の「顔」は、やる気満々のMダックスです。




そろそろ訓練終盤
 そろそろ終盤。


 犬よりも人の方が疲れてきたようです。


 

河川敷で捜索基礎訓練
河川敷で捜索基礎訓練 0312


 先日、家から比較的近い河川敷で捜索犬の基礎訓練を行なう機会をつくりました。


 地の利を生かしていろいろ・・・ と考えたのですが、人や犬(散歩)のいないところを探しながらの中では
おのずとできる場所は限られてきます。

 「あの茂みがいい」と調べれば・・・  人が!住んでいたり・・・。


 とはいえ、周辺に迷惑を与えない時と場所を選べばなかなかの「いい地」です。

河川敷で①
 「恵まれた地」の中に入ると・・・ 地味な服従的作業の訓練もいつもになく不思議と気分↑↑になってきます。


河川敷で②
 初めての場所を使っての基礎訓練。 若い犬たちにとっては自信を得るための良い経験になります。 

河川敷で③
 単調にならないように、ちょっとした工夫を加えて「変化」「違い」を付け足します。



 この日の発見咆哮の表情はトイプーさんにお願いしました。

河川敷で④
 発見!

河川敷で⑤
 カメラのレンズなど気にせず、しっかり吠え続けてくれました。



 もちろん!


 吠え続けたあとには「ご褒美」と「賞賛」を授けます。




カールした雪といえば…
カールした雪といえば… 



 カールした雪の姿を身近に見る機会を得ましたが、雪ロールとはいかないまでも雪国、雪山では似たような姿をよく目にします。

 
 4年ほど前の1月中旬、谷川岳土合周辺で行なわれた雪崩講習会の折、分厚く積もった雪が巨大なカールを形成していて写真に収めたことがありました。


06年1月14日土合周辺①
 風上(右側)と風下(左側)の関係で屋根に降り積もった雪が、稜線の雪庇のようになっていました。

 この冬(2005年)の12月は各地に大雪をもたらし、谷川周辺でもかなりの積雪を記録していました。
 しかし、講習会を行なう当日(2006年1月14日)は暖気が入り始めていて、夜は大雨、宿の屋根の雪がドスン、ドスンと地響きを立てて落雪するほど。

 記録した写真は、雨が降る前の様子です。


06年1月14日土合周辺②
 雪自身の重力で垂れ下がり、引き延ばされている様子。


06年1月14日土合周辺③
 建物の上に積もった雪が・・・ 見事に! カールしています。

06年1月14日土合周辺④
 この造形には、雪庇形成と同じ原理が働いているようです。 風上は左側です。

06年1月14日土合周辺⑤
 空間にはみ出した積雪が、重力の作用で曲がり、垂れ下がっていく姿が見て取れます。

06年1月14日土合周辺⑥
 除雪車の屋根の上の雪も・・・。



 ところで写真の犬は・・・  若きチャンス(3歳3ヶ月)ですが・・・



 捜索デモに備えて「暖機中?」です。





雪ロール

雪ロール



 昨日アップした車のフロントガラスに出現した雪のオブジェと類似のことが
 11日の朝日新聞記事に載っていました。


雪俵(朝日新聞)
 カールよりもっと大きな雪ロールです。

 雪国では「雪俵」と呼ばれるそうです。


 ただ・・・ 

 「家の屋根などから雪の塊がガラスの雪面に落ち、巻かれたのでは・・・ 」が気になりました。

 たしかに、キッカケがあるようにも思いますが、雪山でよく見られるロール状の雪玉は幅がせまく布を巻いたようには
なりません。

ロール状の雪玉
 雪山で見られる巻いた雪玉。

 これはたしかに、樹木などから落ちてきた雪が斜面を転がりながら成長するものです。

 

 しかし、フロントガラス上に巻き取られたいる雪ロールは積もった雪そのものからできている感じです。


 そしてさらに、車のフロントガラスの一般的な湾曲が気になり・・・

フロントガラスの傾斜
 傾斜を調べてみました。

 車を置いてある地面が水平ではありませんが、昨日雪のカールをつくったフロントガラスそのものの傾斜です。

 するとやはり、上部(42~43°)ですが下部は 46°ほどになっていました。

 ということは、一様に見えていても積もり方は上部に厚く、下部に薄くなるように思います。

 

 そんなこんなを考えて、できていたロールの状況から、雪ロールができる様子を想像、イメージしてみました。

雪ロールのできかた? 


 
 あくまでも・・・ 仮説的なイメージ図ですが、今度似たような降雪と気象条件のあったときは・・・


 観察してみたいと思います。







雪の・・・ 白頭巾?

雪の・・・ 白頭巾? 


 9日の東京の夜は、雪のあとのみぞれ~冷雨状態でした。

 白く積もった雪も、うっすらわずかに残るのみ。

 
 そして、明けた朝は・・・ 発達中の低気圧一過後の晴れとはいかず昼近くになってようやく雲が切れてくる
という空模様でした。


 そんな中、おもしろいものを発見!

3月10日の朝①
 これは一体、何でしょうか?

 白い頭巾をかぶった人形のようです。

3月10日の朝②
 何かとても表情豊か・・・。

 角度を変えてアップでとらえると、面白い造形ですが・・・


 何のことはありません。

3月10日の朝③
 お解りですか?

 車のフロントガラスに積もった雪が、雨で濡れてその重さで剥がれてカールしているところです。

 氷点下でも起こるクリープという現象の一つですが、濡れて粘っこくなった雪がうまい具合に巻き取られています。 

3月10日の朝④
 漠然と見ていると気づきにくい現象ですが、カールになった姿が印象的で写真に収めてみました。


3月10日の朝⑤
 カールしている中は・・・ 筒抜けです。


3月10日の朝⑥
 気温はもちろん融点よりもずっと高い +6℃を越えていました。



 その後、1時間10分ほど経った頃、再び覗いてみれば・・・

3月10日の朝⑦
 頭巾はぺたんこになって、白い衣装も無くなりつつありました。



 春の雪のはかない造形は・・・

 春の夜の夢のごとし・・・


 でしょうか・・・。



寒い日々と空模様
寒い日々と空模様



 このところ、三寒四温ならぬ四寒二温といった日々が続いています(私の住む東京周辺)。


 4月下旬~5月の陽気となった5日以外は、3月に入ってからやたらに寒さが目立ちます。


 7日の日曜日は・・・

さむかった日曜(20100715)
 北高型で南岸の前線沿いに低気圧が東進。

 こんなときの関東地方は冷たい北東風が入って、冷たい雨やみぞれ、雪になりやすい状態です。

 

 そんな冷たい雨の中、八王子近くの丘陵地で、犬の訓練をやってきました。

 が・・・  あまりに悪い状況にて写真はありません。 犬は泥犬になってしまいました。


 気象庁データをもとに、立春(2月4日)からの気温と雨、日照の様子を調べてみました(8日まで)。

八王子の記録(2010年立春~春分)①
 上図は、訓練を行なった近くの八王子の様子です。

 このところ(2月26日以降)、冷たい雨もさることながら・・・ 暖かい日差し(日照)の少ないこともわかります。


 東京でも都心に近い練馬の様子は、

練馬の記録(2010年立春~春分)①
 八王子とは比較的近いので似たパターンですが、練馬(都心方面)で冷たい雨やミゾレのとき、八王子では雪になっていることがよくあります。



 昨日(9日)の天気は 

気象庁天気図 2010年3月9日12時

 関東に雪を降らせることの多い南岸低気圧の東進とそれにともなう寒い日のパターンですが、
低気圧がもう少し南を通らない限り(北の寒気が十分入らない限り)、東京都心辺りでは冷たい雨のまま・・・ の場合が多くなります。
 

 都心でミゾレになっていれば、八王子では雪・・・ いずれにしても今回の空模様は「雨か雪か」の微妙な状況であることは確かです。



 しかし 今日はやっと!


 晴れて、暖かくなりそう!  昨日からの雪で化粧をした山々の姿も見れそうです。





捜索犬訓練模様 100228(2) END
捜索犬訓練模様 100228 その2



 何頭かの訓練のあと、いつものようにチャンスも同じ設定でやらせました。

 もちろん、いつものように「いないエリア」の捜索をさせてから・・・。


2月28日の様子⑦
 簡易な設定のところを補強してもらいましたが・・・ ダメでした。

 補強パレットを剥がしてしまい・・・ 結局侵入。


2月28日の様子⑧
 斜面奥のヘルパーが潜んだところでは、臭いを探って「潜り込むところ」を探すかのように・・・。

2月28日の様子⑨
 入ろうとしますが・・・。

2月28日の様子⑩
 入れないことがわかると、吠えます。


 いつものように、最後は麻巻でたっぷり遊んでもらいました。



 よかった、よかった。



捜索犬訓練模様 100228 END

 

捜索犬訓練模様 100228(1)

捜索犬訓練模様 100228 その1


 2月も最後の 28日、東京郊外の山間地での捜索訓練を予定していましたが雨で変更。

 いつもの場所でまた基礎訓練を行ないました。


2月28日の様子①
 雨上がりの訓練場で・・・  シェパとトイプーの遭遇。


2月28日の様子②
 午前中は冷たい雨でしたが、予想通り! 昼前には上がり、午後は晴れてきました。

 ひと訓練を終えて、一休み。


2月28日の様子③
 チャンスには、こんなところで30分ほど・・・ 休んでいてもらいました。



2月28日の様子④

 午後の訓練では、こんな変なところに潜んでもらいました。

 枯れ草だけのカモフラージュとは違い、犬によってはこのパレット1枚が「あるかないか」によって行動が違ってきます。

 ヒトの目、想像、想定だけでは・・・ 犬が受ける取る印象や感覚をなかなか理解できません。

 故に「あらゆる状況」をつくり工夫した訓練が欠かせません。




2月28日の様子⑤
 広いエリアの前半に、簡易に臭いのとれるところをつくって「一人目」のヘルパーを捜索させました。

 訓練を重ねた犬にとっては、問題なく特定、咆哮してくれます。

2月28日の様子⑥
 そのあと、少し間を置いて、離れた場所に設定した先ほどのエリアへ犬を向わせます。

 すぐに特定しそうですが、訓練を重ねたとはいえまだまだ「経験不足」の犬にとって、初めてに近い「いつもと違う」感覚は、
すぐに特定とはいきません。

 嗅ぎ当てたかと思えば「?」的な不安感を示して移動、周辺を探り、臭いの元を探り・・・

 ようやくアラート。


 このように探っているときの犬の心理は・・・ 

 思った以上に複雑でデリケートです。







捜索犬訓練模様 100221(2)

捜索犬訓練模様 100221 その2



 鼻を使って探している犬にとっては、人のように「視覚で全体像を掴む」という感覚はほとんどないようです。


2月21日の様子⑨
 見えていようが、カモフラージュされていようが、鼻の捜索にとっては関係ありません。

 目で探すヒトにとっては「見逃す」ような設定でも、しっかり臭いを追い続ける犬にとっては、いとも簡単に探り当ててしまうことは
珍しくはありません。


2月21日の様子⑩
 このように「ヒトの目には見えて」やさしそうに思えても、鼻中心に探している犬にとってはほとんど関係ありません。

 探し当てるまでは、複雑な気流の渦とともに流れてくる臭いの塊(乱子)を読み取りながら、それまでの経験を生かしながら探し続けます。


2月21日の様子⑪
 似ているようでもちょっと異なる「工夫」を施して、鼻で探す犬にできるだけ多くの経験をさせてやります。

 訓練では、ハンドラーの先入観を「騙す」仕掛けも必要になります。

 「全く予想していないだろうところに潜む」「いかにも潜んでいそうなところに実は居ない」といった設定です。

 犬を信じ、委ねる訓練は・・・ とても重要です。


2月21日の様子⑫

 ハンドラーから見えない物陰には、犬にとっては簡易ですが「意外と経験していない」形の隠れ場所。

 最後は、かぶせてあったふたを外して・・・ しっかり吠えさせてご褒美。


 自信と達成感を味あわせてあげました。





 チャンスにも捜索させますが、彼の場合は・・・「いないところ」を探させてから向わせます。

2月21日の様子⑬ チャンス
 いないところを探させます。 

 たとえ、離れたところのヘルパーから漂ってきた浮遊臭を感じても、示したエリアを探させてから行かせます。

2月21日の様子⑭ チャンス


 

捜索犬訓練模様 100221(1)

捜索犬訓練模様 100221 その1


 しばらく雪山が続いていましたので久々に・・・ 捜索犬の訓練模様を再び。


 2月21日は、チャンスも2週間ぶりの訓練です。


 まずは参加した犬の模様から


2月21日の様子①
 簡易な設定の捜索から ~発見~ご褒美 「やったよ~~」


2月21日の様子②
 「もらってきたよ~」



2月21日の様子③
 「あれ?おかしいなぁ」 「臭うのに・・・ 」 

 犬は「鼻で探しているとき」、不思議なほど・・・ 目では探すことをしていません。 

 たとえ視野に入っていても、動いていない限り目にはとまらないようでうす。 



2月21日の様子④
 「なんだ! ここかぁ~!」

 
 強い臭いの流れてくる方向、部位と視覚が一致すれば、もちろん発見につながりますが、それでも視覚より嗅覚優先の行動をします。

 

 たとえば、下のように、分散したり、断片的に飛来する臭いを追い求めて行動しますが、風下に複雑に起こっている乱流などで

 純粋に「臭いの塊り(乱子犬が感じる臭い」の動きに惑わされてしまうようです。

2月21日の様子⑤ 
 もちろん、あまりに早い犬の移動は、その臭いを見失ったり、見逃したりも してしまいがちです。

 経験豊富で慎重な作業のできる犬は、移動しながらも「より明確、より強い」浮遊臭を求め、追及していきます。



2月21日の様子⑥
 


2月21日の様子⑦ 

 「?」・・・  「?」・・・ 「

2月21日の様子⑧  

 発見!


 自分で考え、臭いの出処を見出した犬は、その経験を「捜索の知恵」として次に役立てていくでしょう。

 

 もちろん、その知恵を発揮するためには、多くの場でたくさんの経験を踏んでいくことが必要です。

 

 

ゴールデンの子犬

ゴールデンの子犬


 先月の27日、ゴールデンの子犬に会いに行ってきました。


 もう4ヶ月を過ぎているので、子犬といは言えませんが・・・  まだ子供犬であることは確かです。


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 なかなか・・・ 素直で良いですね。



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 若くても・・・ 下から仰ぐように撮ると老けて見えます。



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 理解度も高いようです。   一人二役で撮ると・・・ なかなかピントがあいません。



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 勘違いして「期待する後姿」、ゴールデンらしい姿です。  



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 育ち盛りの可愛い姿です。


 とっても期待できるいい犬なのですが・・・


 残念ながら・・・




 私の犬ではありません。







全国雪崩講習会(17) END

全国雪崩講習会 17   



講習会最終日 その3


 野外講習の最後に記念撮影をしました。

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 サギダルの頭を入れて、全員集合!

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 宝剣をバックに、私も・・・。

 心配した登山者は引き返してきました(正解です)。


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 下山開始。

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 昨年はこの下に雪崩の流路がしっかりありました → 昨年の講習会(12)


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 南アルプス 仙丈、北岳、間ノ丈、農鳥、そして富士山を眺めつつ・・・。

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 雪質が悪く歩きにくいですが、あっという間に下ってしまいます。


 ところで、今日のお天気は

2月14日9時の天気模様
 上空の寒気も去り、北高型から移動性高気圧の圏内に・・・  恵まれました。




 ホテルの前で基本クラスの皆さんが記念撮影中。

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 皆さん! 来年の中級へお越しくださ~い。



 このあと、閉校式を終えてロープウェイでしらび平へ。


2月14日 ロープウェイ通過点除雪作業
 今年は積雪が多く、ロープウェイのゴンドラが山肌近くを通る場所で除雪作業が行なわれていました。


2月14日 しらび平からバスへ
 大量の荷物をバスに積み込んで・・・


 しらび平からバスで駐車場に向いました。


 講習会無事終了!




全国雪崩講習会 END

全国雪崩講習会(16) 

全国雪崩講習会 16   



講習会最終日 その2


雨の後の硬い雪に祟られ続けた講習会ですが、最後は晴天に恵まれた中の雪庇観察となりました。


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 昨日の新雪と山肌に残る霧氷のあとでサギダルの頭の白さが引き立ちます。

 昨年の観察時はこの場の雪は少なく、その写真(昨年の雪庇観察)と見比べるとかなり違っています。
 もっともその前にあった雪(昨年の雪庇掘出し)が大雨でかなり失われた結果でもありました。


 雪庇の観察は、安全を第一にビレーをとって行ないます。


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 2箇所の断面を交代で観察しました。


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 雪庇観察地点から見下ろす千畳敷ホテルと基本クラス他の初動捜索~救助訓練模様。

 標高差にして 60~70mしかありませんが、実際よりも高いところにいる感じがします。


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 観察に目が集中しますが、東には伊那谷の向こうに南アルプスの姿が・・・。

 写真右上の山は甲斐駒ヶ岳です。


 そして・・・

 稜線から顔を出す富士山~南アルプス南部に続く山々。

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 左から、塩見岳~悪沢、荒川岳~赤石岳~聖岳。 

 2800~2900m前後を境にして上はすっきり、下はぼんやり。 気層の状態が違うようです。

 しかし、上下関係は安定している様子・・・。


 あの山頂からの眺めはどんなものか、ちょっと興味がありますが・・・。

 



 さて

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 雪庇に特徴的な巻き込み構造などを観察。

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 青色水をスプレーして筋目を見やすくしましたが、十分な量がなくなってしまって・・・。

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 そろそろ帰り支度の時間です。


 単独登山者がサギダルの頭へ続く上部に向っていますが・・・。

 ごく薄い表層部の雪が落ちる以外の雪崩の危険性はなさそうですが、その下の非常に硬い雪面が問題。

 傾斜が増した中で滑落・・・ なんてことを心配してしまいます。



 


 

全国雪崩講習会(15)
全国雪崩講習会 15  



講習会最終日 その1


 講習会最終日の14日は天気が回復し、伊那谷にも南アルプスにも雲はなく安定した晴天になりました。

 
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 天気の良い朝は・・・  気分も上々。


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 何をしているのでしょう?

 日射の影響を受けていない日陰の部分で、雪面の観察をしているところです。

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 今度は、積雪の中を調べます。


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 事件現場の・・・  鑑識作業ではありません。


 小さなピットを掘り出して断面を観察。 表層の具合、霜ざらめ雪の存在など前日や前々日の状態との違いを考えます。
 ブルーシートは日射があたらないようにしているところです。 





 朝方の雪の状態観察を終えて、雪庇断面観察のためにサギダルの頭東稜下部に向います。

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 雪の安定度を調べるために、弱層テストを行なうのですが・・・

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 硬くて硬くて・・・ テストになりません。 昨年とそっくりな状態(雪庇観察)です。

 この硬さでは、雪崩の危険よりも「滑落の危険」に注意する必要がありそうです。


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 雪庇観察地点へ向います。

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 35°前後の最大傾斜帯を越えれば、まもなく3日前に掘り起こした雪庇帯に着きます。



 


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