チャンスがチャンスらしかった日々 5月9日(5)
発見のあとヘルパーにたっぷり遊んでもらったチャンス。
ご褒美の麻巻きをくわえて戻ろうとしますが・・・

「ありゃ~ 」 「なんでこんなところにいるんだろう?」

「どうしましょう?」 『下りれるでしょ』

「あっ・・・ 」

「う~ん ・・・ 」

「どうしよう・・・ 」
さて、どうするの?
チャンスなら、できるでしょ!
こんなとき、チャンスは飛び降りるような無茶はしませんでした。
多くの道なき山や、多くの危険な場所を経験させていたせいか、無茶はしない「意識」と危ない箇所をこなす「術」のようなものを
自然と身につけてくれていました。
チャンスがチャンスらしかった日々 5月9日(2)
上の方から来る「怪しく」「確かな」臭い。

人間だったら・・・ 「視覚」を交えた立体的感覚から即座に「なんとか近づく術」を発想しそうですが・・・

そう感じながらも「鼻の感覚」第一に、「まてよ・・・」と確かめるような行動が、なんともチャンスらしく、犬らしい健気な姿勢です。
でも、その行動の過程から・・・ 「上だ!」とあらためて感じ取り・・・
そこへ近づくための手段を「!」・・・ やっと発見しました。

それにしても・・・
チャンス君、なんでもっと早くに気がつかなかったの?
得意な ハ・シ・ゴ
屋根の上の人の臭い(つづく)
チャンスがチャンスらしかった日々 5月9日(1)
彼の動き、表情を たっぷり・・・ 5月9日の訓練模様です。
以前、小屋の中の人の臭いを探る行動(チャンス普段の訓練)で、チャンスが屋根に登るところをアップしましたが、
このときのヘルパーは小屋の中の屋根に近い場所にいました。
5月9日のときは、屋根の上の向こう側に潜んでもらいました(↓)。
そして、チャンスの臭いのとり方、探り方をカメラで追い続けました。

他のエリアから小屋近くに移動して、小屋周辺に漂う臭いを感じはじめます。
風下側の一角に落ちてきた臭いを感じたり、小屋の周りを移動しながら臭いがどこからくるのか探っています。

小屋周りを探りながら、より明確な臭いが上の方からやってくることを感じ取っていました。
多分、上からの臭いも濃淡の変化があり、チャンスの動きでその臭いも多少分散されたりと・・・
移動しながら、何度か「?」「あれ?」などと思っているかのようです。

何度か上の方に鼻をのばしては、「やっぱり!」「こっちの方だ!」などという思いが強まってくるのでしょうか。
しかし、流れてくる臭いの元に「近づきたい」という欲求は満たされないままです。
屋根の上の人の臭い(つづく)
昨日、チャンスを知っている山岳連盟の関係者から、20日の日曜に登山に入ってから連絡がつかない会員がいて、
捜索を行っているが未だ手がかり見つからず・・・ と、電話が入りました。
先方はまだチャンスが亡くなったことを知らなかったので、「実は先月・・・ 」と残念な思いを伝えました。
2005年の北岳大樺沢の捜索以来、雪崩講習会を中心にチャンスの捜索に理解を頂いている方からの相談に、
「こんなときチャンスがいれば・・・ 」とあらためて悔しく辛い気持ちになりました。
誰か他にいないかと考えるのが当然ですが・・・
御座山(おぐらやま)というその場所を聞いて、地図を調べてみると低山とはいえ完全な山岳域。

御座山の地勢(2万5千分の1地図)を見て、「これは無理だ」と判断するしかありませんでした。
大きな山ではありませんが、等高線の具合と地勢を見れば、山慣れていない人と犬でないと「捜索ままならず」の場所と言えそうだからです。
岩場を含む、傾斜のきつい道なき山にも慣れていないハンドラーには無理・・・
岩場を含む、傾斜のきつい道なき山にも慣れていない犬にも無理・・・
岩場でも、悪場でも、とんでも傾斜でも、くずれやすいザレでも、歩きにくいガレでも、強いブッシュでも・・・
「なんでもコイ」のチャンスよ!
なんで、お前は いないんだ!
今まで当たり前に「いいですよ」と答えられた捜索の相談に・・・
今まで当たり前についてきてくれたチャンスがいないという寂しさ
こんなときにも訪れることを知りました。
川上村からの帰り道、行きに休んだダム湖の一角(犬走り様格子状壁面)に立ち寄りました。
そして、疲れを知らない元気なチャンスに・・・
また「得意になって」もらいました。

匂う、匂う、たしかこのあたり・・・
あれ? おかしいなぁ

ん?
あっ! わかった! ここだ~!

見つけたもんね~!
エライぞ~ チャンス、いい子だね!
よくやったね、えらい、えらい!
面白かったね! うれしいね!
チャンス君 ありがとう!
チャンスとの最後のキャンプ模様はこれでおしまいです。
チャンスの死を境に、こんな楽しくうれしい場面は もう望むべくもありませんが・・・
この7年半にわたって彼がつくってきた生きた証は、写真やビデオにたくさん残っています。
これからも・・・
写真の奥にいる元気なチャンスに時々登場してもらおうと思っています。
チャンスよろしくね!
捜索訓練キャンプ in 川上村 2010GW END
キャンプの最後に記念撮影をしました。
三脚にカメラを据えていざ撮影・・・ しかし、犬と人とが同時にカメラを向くことは至難の業。
とにもかくにも「数打つ」しかありません。
以下に「数打った」写真とチャンスの様子を・・・。

まずは、第一弾!

犬の気を誘って・・・ その瞬間!の第二弾。
しかし、全員とはいきません。

セルフタイマーをかけて、チャンスの元に行きますが、犬を注目させる「人」がいません。
みな、思う方向など向いてくれません・・・。

再び、カメラのところから「注目!」させて・・・ なんとなく皆さんカメラ目線に。

「ほら!」 もう一枚。
なかなか・・・ バッチリとはいきませんが・・・。

そうこう「誘って」いるうちに・・・
チャンスが勘違いして・・・ 消えました。

再びセルフタイマーをセットして、チャンスと一緒に・・・。
犬と人の集合写真・・・
なかなか決めることができません。
シャッター「チャンス」・・・ セルフタイマーでは無理でした。
では・・・ 犬たちが比較的「こちら」を注目してくれた一瞬を、もう一度。

チャンス・・・ 目が閉じかけてしまいましたが・・・
でも・・・ よく撮れてるよ チャンスくん!
楽しい水遊びもそろそろ終盤。

ちょっと冷めた眼差しのシェパ君。 なかなかいい風情。

ひとのものが・・・ やたらと欲しくなるんです。

湖面にたたずむ犬?

水面下に横たわる大きな倒木の上で、一休みしているところですが・・・ 不思議な風景です。
さて、元気なチャンスは・・・

大きな枯れ木の塊をしっかりレトリーブしています。

すきあらば・・・ の世界。 盗られまいゾ。

泳ぎも安定して、大きな口を開けてのレトリーブ。
こんなとき、犬たちはしっかり鼻だけで息しているようです。

チャンス、楽しいね!

面白かったね!
これが最後だったけど・・・
疲れるまで・・・
たっぷり たっぷり 遊んだね!
チャンス最後の・・・ 山間部捜索模様
5月3日のチャンス出番だよ!で、写真記録がなかったチャンス捜索の模様(ビデオ)です。
これが・・・ チャンスにとって最後の山間部捜索訓練となりました。
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捜索キャンプ終盤、待たせていたチャンスいよいよ出番です。
得意げに登って行きましたが、ちょっと方向を訂正。
「?」という表情をしましたが、手で示していた視符を見て「!」と納得、行方不明者役の臭いを探って行きました。
行方不明者発見!
吠えて吠えて吠えて・・・ ご褒美をもらって・・・
嬉しく!楽しく! そして満足した表情で・・・ 戻ってきたね。
エライぞ~ チャンス!
よくやったね!
初めての動画で チャンス再び
訓練の様子をビデオでも撮っていましたが、ブログにアップすることを考えたことがなかったので
かなりの試行錯誤を繰り返して・・・ ようやく、初めて、なんとかやってみました。
5月2日のチャンス捜索の模様です。
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唐松の倒木と落枝に覆われた急斜面の中での行方不明者捜索訓練。
わざと迂回させ、斜面を登らせてから臭いを探らせる手法で出したチャンス。
足場の悪さはものともせずに、上方で遭難者の臭いをとらえて近づき、発見告知しました。
嬉し楽しく得意げなチャンスです。
チャンス、楽しかったね。
なによりも 元気だったね!
水遊び再び
キャンプ最後の訓練を終え、再び 楽しい! 水遊びをさせました。
犬たちにとってキャンプ最後の楽しみです。
チャンスにとっては最後の水遊びになってしまいましたが・・・ しっかり楽しみました。



湖面に投げた枝を二人で仲良くレトリーブしているみたいですが・・・
いえいえ、お互い「取られてたまるか」・・・ 必死です。

お互い、別々の枝をくわえていれば・・・ 大丈夫。

写真上の黒ラブも若いゴールデンも・・・ 人のものを盗るのがとってもお好き。
「よこせ~!」「盗られてたまるか!」 お互い必死です。

「あっ!」 湖面にまた気になる何かが・・・
チャンス、楽しかったね!
おもしろかったね!

チャンス君、もう少し待っていてね。

皆さん、順番を待っています。 チャンスは、最後の最後。
でも・・・ いつもいつも本当におとなしく静かに、出番までいい子にしていてくれました。
それなのに・・・
チャンス、山中における捜索(訓練)は・・・ これが本当の最後になってしまいました。
若いゴールデン娘さん! 順番 きましたヨ。

とっても活発に行動してくれますが、「臭い捕り」の技はまだまだ未熟です。
ハンドラーが的確なコントロールをほどこして、うまい具合に臭いをとらえさせ、犬にとって嬉しい結果になる体験と学習をさせてあげられれば・・・
good! です。

老練域の黄ラブもまじめに臭いを探っていきますが・・・
この犬の場合、足場の弱さ(苦手意識)が少しあるために結果を出すまで、それが足かせになることがあります。
さて、お待ちどうさま チャンス 出番だよ
今度も・・・ ずっと離れたところの斜面(わずかに尾根状になった)を登らせ、その上方から探らせるようにして出しました。
それでもチャンス 嬉しそうに、元気よく! そして、得意そうに いつものように・・・
でも、残念ながらこのときの写真がありません。
しかしその模様はビデオで撮影していました。
そうか・・・
動画が当たり前になっているこの時代に、「瞬間を切り取りとった写真」「構図を意識した写真」にこだわってきていましたが・・・
そろそろチャンスのために、チャンスを記録したビデオ(動画)も検討してみようか・・・
と・・・ 思いはじめています。
チャンスはほんとうに探すことが好きでした。
2歳の頃は一通りのことはできるようになっていましたが、年ごとに経験を積んでいい仕事ができるように
なっていきました。

「はやく! はやく!」
最近では、かなり長い時間吠えなければ(50回以上)・・・ なかなか麻巻きをもらえません。
でも、安定していました。

「まだぁ・・・」「麻巻き! 麻巻き!」

は~い! ヨ~シ、ヨシ!
「やったー!」
訓練キャンプ最後の訓練へ
キャンプ最後の捜索訓練は、山斜面上部に潜んだ遭難者役を河原付近から探させることを行いました。

昨日の訓練と同じように、道なき荒れた山斜面を登り、唐松と枯れ枝の間に遭難者(役)をセット

遭難者↓の臭いを探しながら、犬↑が移動していきます。
出発点の河原付近は谷風ですが、やや谷状になった斜面を流れる気流の向きは複雑です。
臭いがはっきりする距離まで自主的に近づくためには、やや幅広く移動しながら収斂していくためには犬の経験の差も出てきます。

最後は、発見!
経験の少ない犬には、それなりの行動をさせながら「臭いがとれる」ように導いてあげることも必要です。
お待たせ! チャンス 出番だよ

離れた場所からチャンスを落ち葉方面に出すと・・・ すぐに臭いをとるかと思いきや・・・
通り過ぎて、溜まり水の周辺を一周して・・・

右の急斜面を登り・・・ そして下からの臭いを感じ取り・・・
再び堆積落ち葉帯に戻りました。
気流は谷風になりつつあり、それが山斜面を登るところと、一部戻って落ちてくる部分もあります。
やや複雑な気流による臭いの分散や飛来があると同時に、溜まり水(わずかに下流へ流れている)からのわずかな臭いもありそうです。
それにしても・・・
チャンスがどう感じたのか・・・ 聞くことができるのならば聞きいてみたいところです。

落ち葉帯が「怪しい!」と感じれば・・・

「どこだ、どこだ」で特定まではそうかかりません。

「この辺り!」と探れば・・・

「ここ!」「ここだよ!」
「ほら、見つけたよ!」
「はやく、はやく!」「ちょうだい!」
「麻巻き、ちょうだい!」
生き生きと、とっても嬉しそうに、いつも楽しく楽しく・・・
チャンスにとって、生きている証のような充実した「いつもの場面」でした。

捜索訓練待機場所にて
チャンスはいつも後回しでしたが、最後の楽しみまでおとなしく待っていてくれました。
それでも・・・ ときどき私の方を気にしていたようです。
では・・・ 若いゴールデンの娘さんからお先に。

臭いを感じるエリアに入ると、「どこ?」「どこ?」という感じで臭いの出処を探ります。
発見! 咆哮・・・ 「ご褒美!」「ご褒美!」

前と違う姉妹のゴールデン娘さんです。 捜索意欲満々で・・・「発見!」

いつもまじめに探すトイプードル。臭いを感じる近くを通りましたが「!」
先の方へ進み、迂回して河原付近をたどって再び落ち葉のエリアへ。

「匂うぞ、匂うぞ」となれば・・・。

臭いの出処発見!
ワン!ワン!ワン!・・・・
隠れている落ち葉から河原の一角へつながるエリアを気にして辿る犬がけっこういました。
単に気流だけの原因ではないような、水面を気にするしぐさも見られました。
落ち葉に潜むヘルパーの足元は水が浸っていて、その水は河原に向かって溜まり水とつながっていました。
その水にヘルパーの臭いの一部が溶け出していたのかもしれません。
キャンプ最終日、5月3日の朝は昨日のようには冷え込みませんでした。
晴れてはいても、薄いベールのような雲が覆っているだけなのに・・・
地上の熱の逃げ方はかなりゆるかったようです。
すがすがしい朝、チャンスをモデル台に上げて写真を撮りました。

今日もいい天気だね。

へっへへ・・・。

気持ちいいね。
高いところが好きだったもんね。
最終日の午前中は2つの訓練を行いました。

キャンプサイトを離れて、川の先の山斜面に向かいました。
まずは、昨日見つけた面白そうな場所・・・。

隠れ役(ヘルパー)が落ち葉の積もったところに潜り込みました。
上からさらに落ち葉をかぶせると・・・ どこに埋まっているかわかりません。
まるで忍者のようです。

雪中ならぬ、落葉中捜索。
この周辺で落葉面に鼻をつけないと・・・ すぐには見つけられません。
落葉の中から人が・・・
犬もびっくり! でしょうか。
チャンスのあとまだ若いゴールデンも挑戦。

意欲、勢いはありますが・・・ まだ大きな障害物を敬遠しがちです。
臭いを求めて、感じて、その方向へ向かう途中、障害物を敬遠して迂回ルートに入った犬は、
流れてくる臭いを見失うことがあります。
最終的には、再び臭いを見つけて接近、発見しましたが、余計な移動、労力、時間がかかってしまうので
やはり、感じた臭に素直に近づくためには
「障害ものともせず」にしておくことが絶対有利です。

訓練終了。
その後雨も降らず、いい訓練ができました。

道なき荒れた山斜面を下降します。
写真にチャンスは写っていませんが、僕の右後ろに・・・ 元気でいました。

キャンプサイトに戻って、そろそろ夕食。

この日(5月2日)の献立は、普通のバーベキューです。

焚き火を囲って、犬談義・・・。
この夜も冷えましたが、昨夜ほどではありませんでした。
チャンスはいつものように車中泊でしたが・・・
今思えば・・・
一緒にテントで寝かせてあげればよかった・・・。
チャンスの捜索
基礎強化訓練のあと、チャンスの訓練を設定しました。
距離を離してたくさんの唐松倒木の先の落とした枝が山のようになっているところを選んで遭難者役(ヘルパーさん)に
潜んでもらいました。

まるで大きな鳥の巣のようです。
待機場所で長らく待っていてもらったチャンス・・・ 待ちに待ったうれしい出番です。
チャンスの広域捜索の場合・・・ 行動の様子がわかるようにいつも鈴をつけて出します。
そして、目的のエリアには直接向かわせず、こちら(ハンドラーとして)が行かせたいエリアを移動させたあとに臭いをとらせるようにしました。
このときの模様・・・
ビデオを回しながらの撮影で、その行動の様子はあまり撮れていませんが・・・

出発点より、最大傾斜の右手斜面の奥の方に遭難者役がいますが、最大傾斜やや左上方にチャンスを登らせることにしました。
かなり上方まで登らせましたが、その先で右下方向からの臭いを感じたようで、その後(写真上)は上方から右斜面を辿り、トラバース~下降という
アプローチを経て徐々に遭難者役に近づいていきました。

そして・・・ 鳥の巣状の唐松の枝の中に潜むヘルパーさんを発見、咆哮。
これでもか、これでもか・・・ たっぷり咆哮してから・・・
麻布巻の引張りっこをたっぷりやってもらい・・・
うれしい、うれしい!
いつもの得意げな姿で戻ってきました。
よかったね、たのしかったね!
チャンス、ご苦労様!
一緒に来た人がチャンスのこと褒めてたよ。
「とっても男らしかった」って!
経験豊富な犬から経験の浅い犬までが、今までにない環境と、経験したことのない障害をどのようにこなせるか・・・。
比較的近い距離で行いました。
以下、その様子と表情です。






急な斜面に大きな唐松の倒木が横たわり、その上方にヘルパーとしての私が潜んでいます。
ほとんどの犬は、臭いをとってから・・・ 最大傾斜に対して縦に横たわる太い丸太状の唐松障害物をすんなり越えてこれません。
そのために迂回したり、他のルートを探ってしまいます。
この程度の丸太や障害物があっても、
急な斜面で足場が不安定な場所でも、
枝や藪がフェンスのように行く手を阻んでいるような状況でも、
それを乗り越え、潜り抜け、感じる臭いに近づいて行こうとする意識と行動力がなければ・・・
山の捜索はままなりません。
犬たちに、こんなところでも探せることが「当たり前」にしておくことが一番です。
もちろん!
それ以上に、ハンドラー自身が「体力」「行動力」「バランス感覚」等々を持っていなければ・・・。
犬に笑われます。
2日目の午後、キャンプ場から離れた尾根の上方に向かい、道なき山斜面を登って本格的(?)な捜索訓練を行いました。
捜索そのものは特段難しいものではありませんが、要は「実際の道なき荒れた山斜面」に対して犬、ハンドラーが
どの程度「対応できるか」といった訓練です。

皆さん・・・ 必死な形相(?)で・・・ 登ってきます。

道なんて・・・ ありません。
私がチャンスと登り上げてきたルートや別のルートを探り、辿りながら、倒木が邪魔する斜面をやってきます。

本当は・・・ もっと上部まで登り上げる予定でいましたが、雨粒がポツポツ・・・ 時間もやや遅いので・・・
待機できそうな場所を選んで、捜索訓練の準備に入りました。

チャンスを他の犬が待機する一角に置いて、皆さんの基礎訓練に入ります。
こんなとき・・・
チャンスは「自分の番ではありません」と・・・
いつも、いつも・・・
おとなしく待ち続けてくれる・・・ いい子でした!
いつも待たせてゴメンね。
水辺の戯れ
チャンスだけでなく、午前中の一時、清流で楽しい時を過ごしました。

みんなのびのびと、楽しくうれしい幸せな表情です。

何をしているのでしょう・・・。
湖面状態になった川の一角に大きな流木が沈んでいて、幹(枝)の一部が水面に出ているところがありました。
レトリーバー犬はその突起物を一生懸命銜えてこようとしたり、水面下の幹に腰掛けて一休みしたり・・・
上のゴールデンは腰掛けているところです。

しばらく休んだあと、岸に戻りました。
午後の訓練 その前に
2日目午後の訓練は・・・
山斜面上部へ向かって登り上げ、できれば「尾根まで」のつもりで・・・
その前に、みんなで集合写真を撮りました。

準備待機中・・・ チャンス君! いいこだね。
出発前に犬だけの集合・・・
これは、なかなか、相当に・・・ 難しい挑戦です。
なにしろ・・・ この数の犬たち・・・。

全員が「いい形」になることは・・・ 至難の業です。








それぞれの犬のハンドラーが、「スワレ!」「マテ!」・・・ 「イケナイ!」等々・・・
慌しいコマンドと、やり直しをさせながら・・・
そのときの模様です。
チャンス君! いい子に見えますね~。
キャンプ2日目(5月2日)の午前中2度目の訓練は、谷間と山斜面を使った比較的簡易な設定の訓練を行いました。
急な斜面と落葉の中の捜索基礎訓練
急な山斜面が河原に到達する部分におもしろい場がありました。
斜面に生える落葉樹の枯葉(落ち葉)がたくさん堆積し、そのすぐ上は急斜面という状態です。
ヘルパーとして隠れた私は、犬がどのように臭いを感じ、アプローチするのか注視しながら待ち構えていました。

私の臭いは、斜面を上がり、再び河原に向かって落ちていくように思えました(谷風由来で)。
犬はその臭いを素直に感じ、斜面を迂回するように辿ってくるのがアプローチの一つと考えられます。

しかし、臭いの流れは複雑で、思ったとおりというわけにはなりません。臭いを見失い、臭いが感じられる河原に再び降り、
またこちら(上方)の臭いを感じとる・・・ というパターンもあります。
ところが、狙いをつけて近づいてくるところに「落とし穴!」のような・・・ 落葉堆積地帯があって・・・
見ていると面白いように犬がズボズボと嵌ります。
しかし、そんなことにへこたれない犬であれば・・・ ちゃんとやってきてくれます。

確信がもてる状態になれば・・・
ワン、ワン、ワン、ワン・・・
よ~し、ヨシ!

まだ訓練経験の少ないゴールデンも、臭いを素直にとらえて近づくことができれば・・・
意外と簡単に発見! 咆哮! してくれました。
簡易設定訓練のあとは、急な斜面をさらに20m以上登って待ち構えました。

臭いの捕獲はより難しくなりますが、活発な犬は移動しながら私の臭いを「感じ」「失い」「どこ?」と探し回ります。

上から犬の様子を見ていると、かなり近くまで来れば「あ~、発見されてしまう・・・」と思うのですが、そうならないことがよくあります。
気流の流れで、ここからの臭いが素直に流れていないため、見失ってまた離れていってしまうのです。
そしてずっと離れたところまで行き、そこで再び臭いをとらえてやって来ます。

何回となく繰り返すこのような捜索訓練の中から、犬は見つけ出す「臭いの由来」とそれを「辿る行動」を学習していくようです。

犬の天性を芽生えさせながら・・・
探し出す能力を磨きさせながら・・・
最後は、幹の陰に潜んでいる私を発見!
ハンドラーの指示に従うことも基本の一つですが、犬本来の追及本能を邪魔することなく彼らに備わった能力を高めてあげること・・・
難しいバランスですが、「要は見つけること」につながればヨシ!
でしょうか。
午前中の慣らし訓練を終えて、清流で少し泳がせることにしました。
チャンスは先代のビンゴほどには水が得意ではありませんでしたが、
面白く、楽しい場であることは確かでした。

しばらくぶりで、最初はまた水しぶきを上げる下手な泳ぎ方をしていましたが・・・

次第にムダのない泳ぎ方に。

欲しいものを湖面に投げると・・・ 「あっ!」「どうしよう」「ほしい!」「どうしよう」と迷い・・・。

意を決して、飛び込みました。

でも、まだ無駄なしぶきが・・・。

戻ってくるときは、上手な泳ぎに・・・。

とっても、気持ちよさそう、うれしそう・・・。
楽しかったね!
うれしかったね!
寒い! 5月2日の朝
初日の夜は晴れ渡り、美しい星空に覆われました。
深夜からは明るい月明かりの夜となり、風もなく・・・

多くの皆さんが、寒さで目覚める朝を迎えれば・・・ 湿った地面はことごとく霜柱に覆われていました。
顕著な放射冷却のあった朝でした。
山に入って簡易な訓練
キャンプサイトから少し離れた山間で、まずは慣らし訓練開始。

まだ経験の浅い黒ラブも

熟練の黄ラブも

捜索が楽しくなってきた若いゴールデンも

そして老練の黄ラブも・・・ まだまだ元気です。
チャンスも、老練と呼ばれるまでやらせてあげたかった・・・。
ごめんね、チャンス。
(つづく)
★5月19日にアップする予定で下書きしてあった川上村キャンプの続きです。
チャンスにとっては犬生最後のキャンプとなってしまいましたが・・・
楽しく面白く・・・ よい思い出となりました。
5月1日午前中、目的のキャンプ場に到着、メイン会場を決めてタープを張りました。


昨年のキャンプのとき咲いていたオオヤマザクラ(川上村 2009)、今年はまだ大分先になりそうな様子でした。
まずは、足慣らし、場慣らしで、簡単な訓練を行ないました。

犬たちにとって楽しく、刺激的な場所がいっぱいあります。
そして、この日の夕食は・・・
新鮮な魚介類! 早めに支度を始めました。

メジ(本マグロの若い段階)とカツオをおろします。

大きなタコと大きな甘エビ!

ゲソとアンコウの切り身・・・。
いったいここは何処?
長野県川上村・・・ 山の中です。
山のキャンプには・・・
新鮮な海の幸・・・??? でしょうか。
食する様子は・・・ 割愛しました。
(つづく)
元気なチャンスの姿には、もう写真の中でしか会えません。
しかし・・・ 撮りつづけてきた写真は膨大な量です。
少しずつ整理していますが、その写真を見ていると・・・
すぐそこに生身のチャンスがいるかのようです。

いない・・・ という現実を感じると ものすごく 寂しく 辛いのですが・・・
明るく、元気で、面白く、そして捜索作業や訓練を健気にそして得意になってやってくれたたくさんの姿。
チャンスのための記憶としてアップしていきます。
そして、ちょうど一月前、キャンプに連れて行きましたが、そのキャンプ模様も中断していましたので
「つづき」を再開したいと思います。
実は、チャンスが亡くなる数日前に、キャンプの続きはだいぶん先の記事までつくってありました。
あのとき、あの頃、いつものように・・・
楽しんでくれた元気な姿を・・・ 再び