今夏のアルプスは・・・ 天気も安定して夏空が広がり・・・
あ~ たまには行きたい!
記録を調べてみると、夏の北アルプスの頂に立ったのは11年前の蝶ヶ岳が最後でした。
捜索犬に関わるようになってからは・・・
雪崩捜索のときと雪崩講習会を除いてアルプスに足を踏み入れていませんでした。
11年前までの数年間は、高山蝶の撮影を目的に何度か訪れていました。
さらにそれ以前は、純粋に岩や雪を楽しむ登山として・・・。
ところで、高山蝶とよばれるいくつかの代表は

こんなアルプスの天上の世界に棲んでいます。
そして、その代表一つがミヤマモンキチョウと呼ばれるシロチョウの仲間です。
日本各地にいるモンキチョウに少し似ていますが、それよりも小柄で洗練された清楚な雰囲気を感じます。

7月中旬から8月上旬にかけて、高山植物の花に蜜を求めて飛び回ります。 Photo. 1996.7.28 蝶ヶ岳
写真はコイワカガミというピンク色の花で吸蜜するミヤマモンチョウの♂です。
時々飛んでやってくる場所を見定めて、その付近でカメラを構えて待ち続け、蝶が花にとまりそうな仕草を見たら急いで近づき、
手動でピントを合わせ続けながらそっと近づき、可能な限り構図も気にしつつ、必死にシャッターを切る・・・
の繰り返しでした。
なにしろ、フィルムの枚数は36枚限り・・・
待機しているときに残数が10枚を切っている場合は、余計な撮影をして終わらせ、 新しいフィルムを入れ替える・・・
といったこともやっていました。
そしてこの頃は、望遠マクロ付カメラと接写のできる広角をつけたカメラの2台を持ち歩きながら、斜面を走り、登り、下り、跳んで、横切って・・・
かなりハードな撮影行をやっていました。

何しろ相手は、飛んで移動する身軽な存在・・・ Photo. 1996.7.28 蝶ヶ岳
それでも、運良く、見栄えのする構図に収まってシャッターを切ることができれば・・・

キバナシャクナゲで吸蜜するミヤマモンキチョウ♂ Photo. 1996.7.28 蝶ヶ岳
「ヤッター」と心の中で叫んでいました。
しかし、うまく撮れたかどうか・・・ 現在のようにすぐ確認することはできません。
下界に降りてラボで現像してもらうまでわからないのです。
期待と楽しみと不安は 後に・・・ の時代でした。

ミヤマダイコンソウの花で吸蜜するミヤマモンキチョウの♀。 メスは白地です。 Photo. 1994.7.17 常念岳
さんざん走り回って、いいカットが撮れた感触をいくつか得ることができれば・・・
まずは大成功でした。
※ アップされている写真は、リバーサルフィルムで撮影されたものをダイレクトプリントし、さらにそれをスキャナーで取り込んだもので、原版より画質がかなり落ちています。