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山と瓦礫と捜索犬
山の中、雪の中、瓦礫の中、鼻を使って人を探す犬がいます。 そんな「捜索犬」活動の一端と興味ある自然現象及びとっておきの写真などを紹介します。
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北ア抜戸岳雪崩遭難者捜索再び(5)
北ア抜戸岳雪崩遭難者捜索再び Ⅴ 


5月1日の捜索(消失点から下部の積雪) 

 5月1日の捜索は、昨日の捜索で気になった消失点下部から川に落ちる壁付近を捜索することにしました。

5月1日の現場へ①

 チャンスの「気になる仕草」が、昨日の捜索エリアから見ると消失点下部の積雪層由来の「臭い」ではないか… ということが「気に掛かる」ためでした。
 同時に、2月に発見されたKさんとあまり離れていない位置で消失(見失う)したとはいえ、受けた雪崩の爆風によっては雪面に叩きつけられた… ということも「考えてしまった」ためでもあります。

5月1日の現場へ②

 チャンスが感じていると思われる「臭いの由来」場所と、いくつかの「であるかも知れない」という「仮説」から、今日の捜索が実施されました。
 もちろん、重点捜索エリアが2箇所ある、ということで「昨日」と「今日」でそれぞれ調べる、ということは当たり前の手法とも言えるのですが…。

5月1日の現場へ③



川側を気にするチャンス…何故?


 シグマシュードを使って雪面付近に存在する「遺体臭」捜索の意識付けを行ったあとに、消失点下部の積雪表面の臭いをチャンスに探らせました。

川側を気にするチャンス DSC00880

 ところが、昨日のように雪面を嗅ぎまわすことなく、川に落ち込む崖っぷち付近に移動してしきりに下を意識するようになりました。しばらくその行動の様子を見ていると、自ら雪壁に近い急斜面を下っていき姿が見えなくなりました。

昨日の捜索エリア(掘り出した溝跡)
 対岸下部の雪面には、昨日の捜索エリア内に掘り出したトレンチが陰影となってきれいに浮き出ていました。

急な雪壁を川床まで下り水を飲むが…
 チャンスは川べりまで下り、何か気にしている様子。後を追って急な雪面を川床近くまで下りてみました。
 崖斜面の雪はかなり減っていて、万一この付近に遺体があれば視認はもちろん、臭い反応ももっと明確に出るであろう、と思える状況でした。

 沢の水を飲むチャンスを見て、単なる「水飲み」としか思わなかったこと… それも今回の反省の一つです。

 捜索開始間近で、まだ喉が渇いているような状況ではなかったからです。でも、本当に喉が渇いて飲んでいたのかも… 知れません。

 難しい判断とは、このような場合もあり得るのです。
 上から川に向かって「気にした」動作が「臭いを感じて」なのか、「水を欲して」なのか…。


雪壁を登りながら・・・何かを気にする

 ところが、雪壁を登り返す段階でも「何か(臭い)を気にする」仕草を示していました。

 
 これも、もしかしたら「遺体臭由来」の反応だったのでは… と思わせるものの一つでした。


 結果(遺体の発見場所)が出れば、その行動(犬の反応)における理屈が「もっともらしく」説明できますが、結果の出ていない段階で推理や仮定することの難しさ…。 


 それは後日知ることになります。



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